2015年3月1日日曜日

「人と企業はどこで間違えるのか?」

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 米国のビジネス界における失敗案件の失敗理由を
 研究しかけて?いただきます。
 上野流の「買う理由」「買わない理由」を研究いただきます。
 消費者の行動はなかなか分からない
            ということを再確認いただきます。
 
ねらい:
 この知見を何かに活かしていただきます。

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本項は、ジョン・ブルックス著の本件名の書籍の紹介です。
「成功と失敗を分ける10の物語」という副題にありますように
10事例の紹介があります。















日本にはあまりなじみのない案件がほとんどです。
そこで、その案件を知らない人にも興味が湧くように
物語のように状況を紹介して
失敗要因を明らかにしようとしています。

しかし、冒頭のフォード社の大失敗にしても
失敗の本当の原因は不明なのです。

フォード社のエドセル社の失敗

1957年に開発費2億5千万ドルを投入して
「まったく新しいコンセプトの車である」
と前宣伝をして売り出したエドセルが
僅か2年2か月で10万台強しか売れず製造中止となりました。

その間の損失は3億5千万ドルでした。

いくつかの失敗原因があげられています。
 1)フォード創業者の名前をとった「エドセル」は垢抜けしない。
 
 2)差別化・ユニークさを狙ったデザインが
   奇抜というか悪趣味だった。
 
 3)ぜいたくな機能
  (自動変速機、豪華な内装、緊急時の安全機能、など)
  の高価格中型車が受け入れられなかった。
 
  この要因として、
  売り出した直後にソ連のスプートニク1号の打上げが成功し、
  アメリカの技術に対する自信・信奉が崩れた
  ことも挙げられています。
 
 4)この頃から、小型車への嗜好が始まっている。
 
 5)マーケティングが大げさすぎた。
 
 (ディーラ対策は万全だった)

しかし、結局のところ何が主原因であったかは不明です。

ユニークなデザインは、受入と拒否が紙一重です。
その時代背景にもよります。
高機能・高価格を求めるか
標準機能・低価格を求めるかも同様です。

以下のように、
商品化のプロセスがまずかったというのが著者の意見です。

 緻密な市場分析とマーケティング戦略に基づかずに
 勘に頼った時代遅れの手法が忍び込んでいた。
 デザインは雑多な意見の寄せ集めだし、
 商品名の選定も誰かの独断で決められた。

素人の私としては、
やはり外観が大きな要素だったのではないかと思います。

 


















車を見たときに「いいな」と思うかどうかです。
「いいな」と思えば、機能とか値段を確認します。

当時、店頭に来て買わなかった人の調査をしていないので、
なんとも言えません。
なぜその調査をしないのでしょうか?

セールスマンとしては、
なんとか売り込もうと努力はするのでしょうが、
買わない理由は調査する気にならないのでしょう。

一般に買う理由は明らかですが、
買わない理由はあいまいなのです。

私なりに、商品を買う理由・買わない理由を整理してみました。


日用品
生活必需品
(電機製品等)
ぜいたく品
その商品を
買う理由
品質がよい
価格が安い
買う場が便利
機能が優れている
価格が納得いく
満足感が得られる
(気にいる)
価格が納得いく
その商品を
買わない理由
買う理由が他の商品に負けている
買う理由が他の商品に負けている
買う理由が得られない


これによれば、日用品や生活必需品は、
買う理由・買わない理由がはっきりしています。

昔は百貨店、その後はGMS(スーパー)が「買う理由」として
消費者の支持を受けていました。

ところがその後、以下のような各種の専門店が出てきて
GMSも「買わない理由」の仲間に入ってしまいました。

食品スーパー、コンビニ、ミニスーパー、100円ショップ、
ドラッグストア、大型電機店、
ショッピングセンター、アウトレット、安売り店(ディスカウントストア)

ところが、ぜいたく品の買う理由「満足感が得られる」は
内容不明なのです。
おそらく事前の市場調査でもこの点は明らかにならないでしょう。

世の中の動向から察知して仮説を立て取り組むしかないのです。
感(勘)の優れた人の勝ちです。

しかし、開発した「ぜいたく品」が売れないときに、
買わない理由を調査したとして、
それを製品の改良に繋げることはできるのでしょうか。

おそらくそのような軌道修正を行うことができないので、
その製品の改良には役立たず、
次の製品を作る時の参考にするしかないでしょう。

だとすると、誰が「買わない理由」の調査をするのでしょう?
このことが、
買わない理由の調査が行われない理由なのかもしれません。

フォードのエドセルの失敗原因は、
「ぜいたく品」としての狙い目で失敗しただけでなく、
「生活必需品」としての「買う理由」からは完全に外れた、
ということもあったのではないでしょうか。


本書では、この事例の他に、
ゼロックス社が独占的利益を維持し続けるために
どのような努力をしているか、とか
GEの1950年代の談合がなぜ起きたか、
とかの事例が紹介されています。

しかし、平均で30数ページに亘る「人文科学的物語」は、
私の「読む理由」を満足させることができず、
ギブアップいたしました。

ご関心ある方は、原本をお読みください。



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