2014年11月16日日曜日

「イチョウ奇跡の2億年史」

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 イチョウのもの凄い歴史を知っていただきます。
 中でも、イチョウはある時からは
 人間に生育されている樹であることを知っていただきます。

ねらい:
 植物学に関心を持ったら勉強してみてください。

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ギンナンついでにイチョウの話題です。
日本語書名「イチョウ奇跡の2億年史」は、
アメリカの古生物学者でイェール大学の林学・環境科学部長の
ピーター・クレーン博士の著書です。

こういうことを、
こつこつ研究している学者さまがおられることに感心しました。
400ページ以上の大著ですので、
全貌読破はできませんが、興味ある要点をご紹介します。

1)イチョウは2億年の歴史を持つ植物である。
 これだけのライフを持っている動植物はない。
 恐竜が絶滅した6000万年前を超えて生きのびいる。

2)一時は北半球の全域で生育していたが
 各地域から次第に途絶えていった。

3)イチョウは種子植物(ギンナンが種)であるが、
 種が大きいため種の拡散は容易ではない。

4)おそらくギンナンの皮(外種皮)を食する動物を媒介にして
 種が拡散したものであろう、とされている。

5)ギンナンを食する動物は
 イチョウが北半球全域に拡散した後で絶滅し、
 媒介者を失ったイチョウも各地で途絶えていったのであろう。
 その動物が何かはまだ解明されていない。

 現在の動物では、外種皮が付いた状態で
 牛や馬の草食動物は食べる。
 狸や犬も食べるのがいる。

 上野注:来年はどこかの犬に食べてもらおうかと思います。
  剥いた状態だとネズミが食べます。
  我が家でも被害に遭ったことがあります。

6)ところが中国南部の山間部でのみなぜか生きのびた。

7)その種が800年前頃、
 人間の力によって日本や韓国に持ち込まれた。

 鎌倉で源氏の3代将軍源の実朝が暗殺された時に、
 暗殺者はイチョウの樹に隠れていたと伝えられる。
 それは1219年、今から約795年前である。

 その樹かどうかは不明だが、
 鶴岡八幡宮の大イチョウは2010年3月の強風で
 倒れてしまった。
 

 日本への持ち込みの初めが人間の力だっただけでなく、
 その後の拡散も自力ではなく、
 人間が神社・公園などに植えたものである。
 だから、イチョウの自然林などはないのである。

8)西洋へは17世紀後半に
 西洋人が日本で見つけ各国に持ち込んだ。
 そして温帯地域の全世界に存在するようになった。

9)こうして人間に愛好されるのは、
 害虫や環境に強く緑を提供するからである。
 秋の紅葉やギンナンも評価されたのであろう。
 薬用は1000年前くらいかららしい。

 広島のイチョウは原爆による火災を生き延びたのもある。

10)巨木は中国に多く、
 幹の直径が2メートル以上のものが138本あった。
 中でも最大は中国南部貴州省李家湾の大木で
 推定樹齢は4500年、(スゴーイ!!)
 4本の太い幹が18メートル以上の高さ、
 幹の直径は5.8メートル

まだまだ、凄いことが書かれているようです。
あとでゆっくり読んでみます。

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