【このテーマの目的・ねらい】
目的:
イチョウのもの凄い歴史を知っていただきます。
中でも、イチョウはある時からは
人間に生育されている樹であることを知っていただきます。
ねらい:
植物学に関心を持ったら勉強してみてください。
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ギンナンついでにイチョウの話題です。
日本語書名「イチョウ奇跡の2億年史」は、
アメリカの古生物学者でイェール大学の林学・環境科学部長の
ピーター・クレーン博士の著書です。
こういうことを、
こつこつ研究している学者さまがおられることに感心しました。
400ページ以上の大著ですので、
全貌読破はできませんが、興味ある要点をご紹介します。
1)イチョウは2億年の歴史を持つ植物である。
これだけのライフを持っている動植物はない。
恐竜が絶滅した6000万年前を超えて生きのびいる。
2)一時は北半球の全域で生育していたが
各地域から次第に途絶えていった。
3)イチョウは種子植物(ギンナンが種)であるが、
種が大きいため種の拡散は容易ではない。
4)おそらくギンナンの皮(外種皮)を食する動物を媒介にして
種が拡散したものであろう、とされている。
5)ギンナンを食する動物は
イチョウが北半球全域に拡散した後で絶滅し、
媒介者を失ったイチョウも各地で途絶えていったのであろう。
その動物が何かはまだ解明されていない。
現在の動物では、外種皮が付いた状態で
牛や馬の草食動物は食べる。
狸や犬も食べるのがいる。
上野注:来年はどこかの犬に食べてもらおうかと思います。
剥いた状態だとネズミが食べます。
我が家でも被害に遭ったことがあります。
6)ところが中国南部の山間部でのみなぜか生きのびた。
7)その種が800年前頃、
人間の力によって日本や韓国に持ち込まれた。
鎌倉で源氏の3代将軍源の実朝が暗殺された時に、
暗殺者はイチョウの樹に隠れていたと伝えられる。
それは1219年、今から約795年前である。
その樹かどうかは不明だが、
鶴岡八幡宮の大イチョウは2010年3月の強風で
倒れてしまった。
日本への持ち込みの初めが人間の力だっただけでなく、
その後の拡散も自力ではなく、
人間が神社・公園などに植えたものである。
だから、イチョウの自然林などはないのである。
8)西洋へは17世紀後半に
西洋人が日本で見つけ各国に持ち込んだ。
そして温帯地域の全世界に存在するようになった。
9)こうして人間に愛好されるのは、
害虫や環境に強く緑を提供するからである。
秋の紅葉やギンナンも評価されたのであろう。
薬用は1000年前くらいかららしい。
広島のイチョウは原爆による火災を生き延びたのもある。
10)巨木は中国に多く、
幹の直径が2メートル以上のものが138本あった。
中でも最大は中国南部貴州省李家湾の大木で
推定樹齢は4500年、(スゴーイ!!)
4本の太い幹が18メートル以上の高さ、
幹の直径は5.8メートル
まだまだ、凄いことが書かれているようです。
あとでゆっくり読んでみます。
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