2013年12月25日水曜日

幼少のころから目的思考の訓練をしましょう!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 幼少の時から「目的思考」訓練を行うべきだ、
                という主張を知っていただく。
 「目的思考」「価値目標」とは何かを再確認いただく。

ねらい:
 そういう意見について頭に置いていただく。
 なんとかこの主張を実現したい(上野としてのねらい)。

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別稿の
「下村博文大臣を東京都知事候補にするなんてとんでもない!!」
では、幼少の頃からの道徳教育の重要性が論じられていました。
その節には大賛成です。

しかし、それと並んで実現してほしい「教育」があります。
私はかねてから、
幼稚園で目的思考の訓練をすべきだと主張をしています。

その理由はこうです。
日本では長く農耕生活・外国からの隔離状態が続いたために
「前例・みんな主義」が思考の基本となっています。

何かものごとを考える時に
「前例はどうなっている?」「みんなはどうしている?」
と考えます。

これは自分の判断で考えないということで
一種の思考停止状態です。

安定社会では、
余計なことを考えなくて済むので効率的な思考法でしたが、
変革時代には対応できません。

日本が外国に後れを取る原因の一つはこの思考法です。

日本のビジネス社会では、
新しいモノは「前例があるか?」という問いで不採用になっています。
日本のビジネスで世界に先駆けられたのは
個人を対象にした家電・自動車などでしょう!

当社が30年前から提供するMIND-SA研修では、
目的思考を方法論のベースに置いています。

最近10社ほど、お客様の社長様を訪問したときに、
たまたま何人かの社長様から、
以下のご意見をいただいております。

「昔習った目的思考が今でも役に立っている、
今の若い人たちにも是非この思考法を身につけさせたい」

目的思考のシンボルが以下の「丸い三角形」です。
このタイトルは「病院に行くのはなんのため?」です。

▼▼ 図をクリックすると拡大します ▼▼

 
自覚症状が治ればよいのではないでしょう?
思いこんでいる風邪が治ればよいのではないでしょう?
まして、薬をもらいたいのではないでしょう?
本当な健康になりたいのです。

という例題です。

「前例は?」「みんなは?」の代わりに
「それは何のため?」という思考をするのです。
「何のため?」をお客様視点で考えれば
自社のビジネスの改革も可能です。

目的を追求することは、
あらゆる場で当然のことなのですが、
日本人は「前例・みんな主義」が壁になって
あまりよくできていません。

思考法は
凝り固まっているとなかなか変えることができません。
そこで私は、
幼稚園にこの思考法を育てる訓練を、
競争心を植え付ける訓練、
共同作業をこなす訓練と一体にして持ち込んだらよい
という主張をしています。

以前、私の後輩が文部大臣になったときに、
その意見書を送りましたが、
短命だったこともあってか日の目を見ませんでした。

あらためて下村大臣にこの意見書をお送りしようと思います。

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以下に、長いものですが、
2009年1月号の「上野 則男のメルマガ」に掲載した
記事をご参考までに再掲いたします。

◆・◆・━◆【 幼稚園時代から競争心を!! 】◆━・◆・・◆

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 1.日本は「茹で蛙」民族?
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日本人は「茹で蛙」民族だと言われています。

ご存じだと思いますが、
「茹で蛙」の意味は、
蛙を熱い湯の中に放り込むと
びっくりして反射的に湯から飛び出しますが、
水に入れて徐々に温度を上げていくと、
熱湯になるまでそのまま入っていて茹で蛙になってしまう、
徐々の環境変化は気がつきにくいという喩えです。

日本はバブル時代に経済成長の頂上を極めて以来、
どんどん下り坂になって、どん底に落ちつつあるのに、
いまだにのんびりしています。
 
日本が「落ち目」である、というデータが
次から次と発表されています。

「一人当たり名目GDPは、
1995年にOECD加盟国中3位だったのが、
2006年には18位に後退した」

「スイスの国際経営開発研究所が発表している
国際競争力指数では、
日本のランクは低下の一途をたどり、20位台を低迷している」

日本の小中学生の学力も低下している、と言われています。

不思議なことでは、
日本の08年の「男女平等指数」は
世界でなんと98位なのだそうです。
これも前年比で順位を7位下げています。

「茹で蛙」の証拠はまだあります。
近世日本の革新例は2回のみです。
お分かりのように、明治維新と敗戦です。

明治維新のときは、
国民一般は「茹で蛙」状態だったのでしょうが、
一部の志士と優秀な指導者が改革を実行したのです。
黒船襲来が大きな契機となっています。外圧でした。

敗戦、
国民が自らの意思で選んだわけではありません。
これも外圧です。

しかし、窮乏し生きるか死ぬかでしたから、
全国民が必死で頑張りました。
歴史始まって以来の
全国民を挙げての活動だったのではないでしょうか。

2回とも素晴らしい成果が上がったことは
ご承知のとおりです。
この2回とも、外圧・他力本願だったのです。
熱湯に放り込まれたのです。

以下に、脱「茹で蛙」に対する提言をさせていただきます。

国民の大多数が、わが国は「茹で蛙」でよい、
このまま無理をしなくてよい、
というご意見であれば、以下の提言はムダなことです。
私はそうではないだろうと思います。

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 2.なぜ「茹で蛙」民族なのか?
 ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄ ̄
私の見解では、日本人の多くが「茹で蛙」発想であるのは、
日本人の思考特性が「連続思考」だからなのです。
それは日本人の歴史からきています。

連続思考というのは、飛躍思考に対比する思考法で、
ずうっと筋を追って
一つずつ順番に物事を考えていく思考法です。

日本人が連続思考になったのは、
私が考えるに二つの理由があります。

その一つは農耕生活です。農耕には飛躍がありません。
毎年ほぼ同じことの繰り返しです。
季節の流れに従って必要な農作業を続けていきます。

もう一つの理由は鎖国状態です。
国境で隣国と接していませんから、
中で育まれる思考法や文化は外圧を受けずに
そのまま温存されます。

この二つの理由で、
(少なくとも過去の)日本人の思考法は連続思考なのです。
連続思考の結果は、現状をよしとして重視しますから、
保守的な思考法となりますし、
仲間に対しては「和」重視となります。

この辺りについては
拙著「価値目標思考のすすめ」に詳しく解説いたしました。
ご関心のある方はご参照ください。

思考法が後ろ向き・保守的になっていると私が思う代表例は、
学校生徒に対する保護者(多くは母親)の態度です。

子供が体操の時間等で怪我をすると、
学校の指導が悪いと言ってねじ込んできます。
少しでも危険性があることをどんどん止めていったら、
いずれどんな体操もできなくなります。

運動会は、差別になるからという理由で、
明確な順位をつけないそうです。
差がつかないように手をつないで一緒に走る幼稚園がある、
と聞きました。
とんでもないはき違えです。

運動会は、
勉強はできないけれど運動は得意なヤンチャ坊主が
いい目をする場なのです。
機会均等でよいではないですか。

そういう機会も与えないから、
裏でうっぷんを晴らすようなこと(イジメ)が
起きるのではないでしょうか。

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 3.ビジネス社会の指導原理
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それなら、
この連続思考・「和」重視思考から脱却することを
考えないとなりません。

国民の生活に必要な生産・流通・サービスを担う事業活動が
社会の基盤を支えています。
その事業活動の中核は企業が担っています。

企業における指導原理は、
創意工夫(個性、創造性、)を求め(※1)、
競争を重視し競争の結果で差をつける(※2)のです。

これは、
市場で競争をして結果を求められている企業として当然なことです。

※1:経団連の調査(2006年)では、
   企業が新入社員に期待する能力は
   「コミュニケーション能力」「チャレンジ精神」「主体性」です。
   甘やかされて育ったひきこもり気味の受け身人間
   とは全く異なるイメージです。

 
※2:KDDIの小野寺社長の08年度新入社員入社式の訓示は
     「激烈な競争に勝ち抜くことが社員に与えられた使命だ」でした。


私は以下の3点が
事業活動の成功にとって極めて重要な指導原理だと思います。

この3つの指導原理は、
ビジネス社会に出る人間の多くが育ってきた環境の指導原理と
全く相反するのです。
順応性のない人は適応できません。

大卒新入社員の3割が3年以内に退職してしまう結果になるのは、
当然と言えば当然の帰結でしょう。
その人たちのわがままと片づけるのは短絡的です。
今の社会の「教育」が悪いのです。

就職活動で、運動部活動を全うした人間が評価されるのは、
ビジネス社会が要求する環境条件を
経験してきているからなのです。

 1)和優先ではなく競争心重視
  競争心が人類の進歩の源泉であることは、
  異論のないところでしょう。
  競争のない社会が停滞かつ腐敗をして脱落することは、
  1989年のベルリンの壁の崩壊で証明されています。

  今の学生たちが経験している競争は、
  入学試験かゲームの世界のものです。
  この競争は生身の相手が見えない競争であって、
  「よーし!」という本物の競争心は
  育まれないのではないでしょうか。

 2)共同作業重視
  当然のことですが、事業活動は、
  個人が単独で行うものは極めて稀です。
  多くの活動は複数人の共同作業です。
  前掲の「コミュニケーション能力」の重視は
  そのことを表しています。

 3)創意工夫重視 
  創意工夫とは自分の頭で考えるということです。
  「他人と同じに考える、他人と同じことをするだけ」の否定です。
  前掲の経団連の言葉だと「主体性」です。

この点を、
日本経済新聞の「私の履歴書」に登場した経済人(社長経験者)
の行動から拾ってみましょう。

 小倉昌男氏(元ヤマト運輸社長):
  「家庭から家庭へと荷物を運ぶサービスをうまく商品化すれば、
  主婦に買ってもらえるはずだ」
  「しかし、当時の運送業界では私の発想は全く非常識だった。
  役員に根回しを始めたが、全員反対」

  (反対を押し切って大成功されたことはご承知のとおりです。
  小倉社長は
  官僚(運輸省)の不当な規制と戦った業界人としても
  有名でした。
  

  これが80年代のことですから驚きです。)
 
  同社長は、
  日本経済新聞が2003年に調査をした
  「平成の名経営者」ランキングで第6位でした。

 鈴木敏文氏(セブン&アイ・ホールディングス会長):
  「反対されても言いたいことを言い、やりたいことに挑戦した」
  「(セブンイレブン事業を日本で始めようと提案したとき、
  周りはすべて反対だった)
  否定論は規模の大小の話ばかりで、
  生産性については一つも明確な反論はない。
  ならば挑戦する価値がある」
 
  鈴木社長は、前掲ランキングで第4位でした。

 金川千尋氏(信越化学工業社長):
  「会社の仕事は「他社もそうしている」「以前もそうだった」
  といった理由で進められがちだが、
  まず惰性を振り切り、原点に戻って考えることが必要だろう。
  「何かおかしい」と感じ、
  「ではどうすべきか」と考えることが発展につながる。
  おかしいと感じなくなったら、もうおしまいだ」
 
  金川社長は、前掲ランキングで第6位(小倉社長と同率)でした。

なお、「私の履歴書」には登場されていませんが、
松下電器産業の中村邦夫社長(当時、同上ランキングの12位)が
大組織の既存の壁を破壊して大改革を実現されたことは、
皆様ご存じのとおりです。

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 4.教育の場にビジネス社会の指導原理を!
   それも幼稚園から!
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ビジネス社会での適応不良を起こさないで、
人生を全うすることを望むのであれば、
若い人たちになるべく早くから
ビジネス社会での指導原理に
馴染ませなければならないでしょう。

大学生からその訓練をすればよいのでしょうか? 
それでは遅すぎるでしょう。
試験勉強のようにできるものではないのです。
では高校? 中学? 小学校?まだまだ遅いでしょう。

「三つ子の魂100まで」と言います。
基本的な思考法・精神構造は、
幼年時代に決まってしまうのです。

極論かもしれませんが、幼稚園から競争心を育て、
共同作業を行い、
創意工夫を追求する訓練をすべきではないでしょうか?

この3者を満たす訓練は、
チーム対抗で創意工夫を促す訓練です。

私は、
17年間の学校生活で最も印象に残った授業があります。
それは中学の工作の時間のことです。
「金工のオヤジ」というあだ名の鈴木利夫先生が
ご担当でした。

出題は
「どういう方法でもよい。
校庭に大量に放置されている3センチ角・長さ1間の廃材を
長さ30センチ・1束100本ずつ縄で締めた薪束にせよ。
1チーム5人で工場を編成し、役割分担をして取り組め」
というもので、
何回かの授業時間を使っての取り組みでした。

私はあるチームで工場長になり、
我々の「工場」は廃材を鋸で挽くための枠になる道具を
廃材の一部を使ってで作りました。

すぐ切断作業に入った工場もありました。
その工場は生産が進んでいきますが、
我々の工場は途中までは生産ゼロでした。

しかし、いったん道具が完成すると、
高い生産性で見事優勝しました。

優勝はしましたが、先生に注意を受けました。
それは、
「何も記録が残っていない。
これでは工場にならない」ということでした。

そのときは「なんでそんなこと!」と不満に思ったのですが、
今にして思えば
「マニュアル化」「ドキュメント化」のことでした。
 

この演習は、
競争心、創意工夫、共同作業という
3原則を満たしたものだったのです。

当社の研修で
1984年の創業期から実施している演習方式も、
この3原則を満たした方法です。

研修内容は忘れても、
夜遅くまで「競争」したということを覚えている方も多いのです。 

創意工夫とは、
「周りやみんながやっているからそうする」ではなく
自分の頭で考えるということです。
いつも自分の頭で考えるようになれば、
安住せずに疑問を抱くようになり、
茹で蛙にならずにすむでしょう。

それでも、幼稚園でそんなことできるのか、とお思いでしょう。
こんなことはどうでしょうか。
すべて4~5人で、共同作業で取り組みます。

 ・積み木で何かを作る。
 ・お遊戯や劇を作る。

審査は先生ではなく、園児みんながするのです。
先生の評価ではないところに納得性があります。
人の作品を評価する練習になります。

相手がどう評価してくれるかということを考えるので、
自分勝手・わがままが矯正される面もあるでしょう。
自分たちを客観的に見られるようにもなります。

同じテーマ(遊戯とか劇作り)で繰り返し実施すると、
学習効果で回を追うごとに
目覚ましく進歩するはずです。

植物を育てる。
これもよいのではないでしょうか。
自然や生物に対する目も養われます。
長い間かかりますので、
その仲間意識も強くなります。

何か運動でできるものはないでしょうか?

玉入れはどうでしょう。
初めは普通の玉入れをします。
次は玉が少ししかない条件でやります。
拾う人、渡す人、投げる人など、
どういう役割分担をすればよいかを考えてもらいます。

その次は玉を作ってもらいます。
材料は大きな布きれを渡して、
これで玉を作って玉入れしなさい、
と出題します。

ハサミ・輪ゴム・糊などの補助材は隠しておき、
要求あれば出すようにします。
どんな玉を作れば入れやすいか、
どうやって作ればよいかを考えてもらいます。
いろんなことが勉強できると思われます。

いずれの場合でも、
チームは固定しないほうがよいでしょう。
固定すると変な仲間意識が生まれますから。


当社の主力の研修は、
「創意工夫」の方法に特色があります。

「創意工夫しなさい」と言っても、
そのための有効なアプローチ法がなければ、
創意工夫の目覚ましい進歩は得られないでしょう。

「何のためにこれをするのかの目的を追求しなさい。
「何のため」を
「これ」を実現した時の価値(価値目標)で考えなさい!」
ということを
手法として体系化して指導しています。

私の中学時代の工作の場合の「目的」「価値目標」であれば、
「一番多くの薪束を作って、優勝する」となります。

生徒たちは
「優勝する」という「価値目標」を目指して頑張ります。
指導教官鈴木先生の作戦成功です。

「価値目標」は端的に言えば「嬉しいこと」です。
「価値目標」の追求が、
「創意工夫」の原動力になっているのです。

前掲の幼稚園の例では、
 素晴らしい積木の作品を作る
 楽しい遊戯を作る
 しっかり植物を育てる
 たくさん玉を入れる
 入れやすい玉を作る
ことを実現することによって
「満足する」「勝つ」という価値目標を実現するのです。

ということで、
「競争心、創意工夫、共同作業」の3原則を
幼稚園に持ち込むことは有効そうだと思われませんか!


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