致知11月号で、
105歳で養護施設「しいのみ学園」の現役理事長
をしておられる曻地三郎さんが書いておられる
「しいのみ学園で生まれた10大教育原理」
をご紹介します。
曻地三郎さんは、105歳で仕事の前線に活躍されて
おられることも脅威ですが、
もっともっとすごい面をお持ちです。
お若い頃に、相次いでお子様2人が脳障害を起こされる
逆境に遭われています。
その時、このことを前向きの試練と捉えられて
養護施設の運営にまで到達されたのです。
本当に頭の下がることです。
本稿では、曻地三郎さんが
長年のご苦労の結果で獲得された原理を
「幼児の指導」と
「ビジネスでの指導」に援用してみました。
この10大教育原理は、言葉はよくないですが、
知恵遅れの方を活性化するノウハウです。
このノウハウは、
今、私の私的時間の多くを占めている
1歳の孫娘の知的育成に
ぴったり当てはまると思いました。
知的育成と言うと格好いいのですが、
どうやって孫の関心を引き出し、
爺ちゃんとの時間が楽しい、と思ってもらえるか、
ということです。
小さなお子様がおられる方は参考になさってください。
1.活動の原理(揺さぶる。刺激を与えて反応させる)
2.興味の原理(あら、何かしら、という興味を引き出す)
3.許容の原理(叱らない教育)
4.賞賛の原理(誉めて伸ばす)
5.自信の原理(達成の喜びを経験させる)
6.予見の原理(先を見る)
7.変化の原理(マンネリズム化を避ける)
8.集中の原理(ここぞという時にはやり遂げさせる)
9.共在の原理(先生と子供がいつも同じ空間にいる)
10.体感の原理(スキンシップ)
「活動の原理」
赤ん坊は、
揺さぶったり動かしたりすると笑い声を立てて喜びます。
確かに、これが1番でしょう。
「興味の原理」
初めてのものを見せると
すごい興味を持ちます。
大人から見るとつまらないものでも興味津津です。
孫の今一番の関心は自動販売機のコインの戻りです。
手を入れて取り出すのが楽しみのようです。
しかし、同じことがそんなに続きません。
7.の「変化の原理」を実践しなければなりません。
「許容の原理」が有効かどうかは分かりません。
今のところ叱ることがほとんどありませんから。
ダメということについては、
(たとえばボールペンとかライターとか危ない物を持つ)
分かってきて、そういうものを掴もうとするときには
周りの大人の顔を窺います。
「賞賛の原理」は動物すべてに有効な原理でしょう。
「よくできたね」とほめると、またまたトライします。
「豚もおだてりゃ木に登る」
というジョークがあるくらいですから。
「自信の原理」は、賞賛の原理の延長です。
「予見の原理」は、
意味が難しく事例の紹介がありました。
「こうしていると次はこうだな」と先を予見してあげる、
ということのようです。
我が孫の場合は、
なぜか眠くなると耳に手をやり、
次いで頭に手を持っていきます。
そうしたら寝る準備をする、ということになります。
「集中の原理」
孫も、ここ一番という時には頑張らせます。
階段を一人で上がるようになってきましたが、
ここぞという時には手を貸さずにハッパをかけ
最後まで上がるようにして達成感を味あわせます。
(親たちは途中で手を貸したがります)
「共在の原理」
カギっ子の精神的大成は難しいのでしょうね。
孫はわけがあって
週日の昼間は保育所に預けていますが、
共在は保育所のお姉さんでもよいようです。
「体感の原理」
これは論を俟ちません。
育児は授乳から始まるのですから。
今、孫の朝の散歩をしていて
気がついたことがあります。
それは、見えるものより音に敏感だということです。
大人が聞こえていない遠くの足音とか車の音に
気がついてそちらを向くのです。
動くものに関心があるということも言えるでしょうが。
胎児の時は音だけですから、
音に敏感なのだろうと納得しています。
感じる順番は
体感、音、絵・画像、なのでしょう。
絵本を読んであげる時は
ワンワン、メー、ウォー、あら、とかの音を入れると
一所懸命に見ますね。
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ところで、この原理はビジネスではどうでしょうか。
興味の原理
賞賛の原理
自信の原理
変化の原理
集中の原理
は、ビジネスでの人の活性化や能力向上での原理
として一般的です。
「許容の原理」は、
「叱らない」ではなく、ダメなことは教える・指導する
はもっと必要でしょう。
現在は、社会全般が「ダメ」と言わなくなっています。
「昔」はきちんと家庭でも学校でも社会でも
「ダメはダメ」と教えていましたね。
私はこのブログでもときどきご紹介していますように
「ダメはダメ」と言うように気をつけています。
「活動の原理」はどうでしょうか。
ビジネスでは肉体的な一体感やスキンシップは
問題でしょうから、
以下のようになるのではないでしょうか。
それは、
一緒に汗を流す
一緒に苦労をして一体感を醸成する
ということでしょう。
「上から目線」で指示をするだけでは
人の心は動かせません。
アメリカ型のマネージャはその点失格です。
この「活動の原理」が一番めにあるところが
この10原理のミソです。
幼児の指導原理は人間の根源的本質を
突いているはずです。
それは大人になっても変わらないでしょう。
それを外しているアメリカ流では
人の心を掴むことは難しいと思います。
この「活動の原理」重視は、
日本型マネジメントが
グローバル競争でも勝てる点です。
成功している日本の創業者は
みなこの点の上手な人です。
この10原理は、
いろいろな面でたいへん勉強になりました。
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