2023年4月20日木曜日

がんの療法棚卸、帯津三敬病院のがん療法は?

[このテーマの目的・ねらい]
目的:
 がんの治療法の全貌を確認いたします。
 その治療の多くを実践しておられる「帯津三敬病院」
 の治療コンセプトと治療種目をご紹介します。
ねらい:
 がんの治療法に関心のある方は、このブログを手がかりに
 ご研究ください。
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当ブログでは、これまでがんの治療法・克服法について
何度も取り上げてきました。
この際、その全体を整理してみました。
インデクス欄に、その治療法をご紹介しましたブログを表示しています。

がんの治療法一覧

区分

治療法

内容

インデクス

実用性

(有効性ではない)

医学

外科治療

がん細胞の活動部分を除去する。

抗がん剤治療

がん細胞の活動を低下させる。

放射線治療

がん細胞に放射線を照射して死滅させる。

超音波治療

放射線治療は周辺の健康細胞にも影響を与えるので、それを避けて同じ効果を狙う。

上野則男のブログ: ガンの新療法、ぞくぞく!(つづき) (uenorio.blogspot.com)

免疫療法

がん細胞に対する免疫力を強化する。

免疫細胞の攻撃力の強化をするものと、がん細胞の抵抗を排除するものとがある。

上野則男のブログ: ガンの新療法、ぞくぞく!(つづき) (uenorio.blogspot.com)

抗体薬物療法

がん細胞の働きをブロックする薬物を開発し利用する。

上野則男のブログ: ガンの新療法、ぞくぞく!(つづき) (uenorio.blogspot.com)

一部〇

ウィルス療法

がん細胞を攻撃するウィルスを見つけ利用する。

上野則男のブログ: ガンの新療法、ぞくぞく!(つづき) (uenorio.blogspot.com)

上野則男のブログ: 「新しいがん治療時代の夜明けーウィルス療法」スバラシイ!! (uenorio.blogspot.com)

遺伝子療法

(ゲノム医療)

棄損しているゲノムを特定し、その影響を排除する方法(既存薬も含む)を開発する。

上野則男のブログ: ガンの新療法、ぞくぞく!(つづき) (uenorio.blogspot.com)

上野則男のブログ: 「医の変革」 (uenorio.blogspot.com)

精神力

自らの意志による方法

生きる目標を強く持ち、「死んでられない」と思う気持ちで延命する。

上野則男のブログ: 病は「気」で治る (uenorio.blogspot.com)

上野則男のブログ: 野村監督のお母様も「気」でガンに克った! (uenorio.blogspot.com)

指導による方法

その原理を解明体系化した先生の指導を受ける(例:YSメソッド)。

「がんを消す心の自然治癒力」 単行本

気功

どの程度有効かは不明

上野則男のブログ: 「科学と神秘のはざまを解く 気のはなし」 (uenorio.blogspot.com)

療養師(巫女等)による方法

療養師先生次第で、一般には利用できない。

その他

鍼灸

どの程度有効かは不明

上野則男のブログ: 「科学と神秘のはざまを解く 気のはなし」 (uenorio.blogspot.com)

総合

総合医療

【帯津三敬病院】

相手の状況に合わせて、利用可能なすべての療法を選択する。

 まず、医学的療法があります。

最近の進歩が著しいのはこの領域です。
内容は該当のブログをご参照ください。

その次が精神力です。
「生きるんだ」という前向きの心が病を克服するものです。
こちらも該当のブログを表示しました。

「生きるんだ」という精神力を体系化して
治療法に精錬された方もおられます。
佐藤庸行氏で「YSメソッド」と称されています。
帯津先生との共著である「がんを消す心の自然治癒力」に
多数の成功例が紹介されています。




次は「気」です。
精神力は内面的なものですが、「気」は外に出る力です。
「気」は遠赤外線であることが、かなり前に証明されたようです。
「気」によってがん細胞を殺してしまいます。
気功も「気」を強化しているものでしょうが、
気功の達人が治療ができるという説は聞いたことがありません。

次に「その他」としましたが、鍼灸が入ります。
鍼灸術は、神経とは異なる特殊なエネルギーの伝達経路(経絡)と
特定の臓器や身体部位に直結する経穴(ツボ)を体系化しています。
日本・中国・韓国の共同研究結果をWHOが認定して経穴は361種類です
鍼灸によって肉体的疲労だけでなく、
内臓の治療も可能であることが想定されます。
そのような研究成果も発表されているようです。
(後掲、「がん治療最前線」)

最後に、「総合」として「総合医療」(仮称)を挙げました。
実用化されている各種の療法の中から、
本人の症状や考えによって療法を選択し治療を施します。
他にもあるのかもしれませんが、「帯津三敬病院」が代表例です。

帯津三敬病院の治療法は以下のようになっています。
(出典」帯津良一氏著「がん治療」最前線)
外科治療、抗悪性腫瘍薬療法、放射線治療、免疫療法、
漢方薬、気功、太極拳、食事療法、ホメオパシー、
サプリメント、心理カウンセリング、イメージ療法、
鍼灸治療、ビワ温灸、アロマテラピー、音楽療法

それぞれの専門家を抱えておられます。





帯津三敬病院(川越市大中居545番地)
現在では、100人超の各種医療スタッフ、100病床を持つ大病院となっています。



実は、帯津良三先生は、大学空手部の先輩です。
帯津先生は、上掲の著書「がんを消す心の自然治癒力」で
以下のように述べておられます。

【自然治癒力研究の歴史】
私はこれまでの58年間、医者としてがんの世界に身を置いてきました。
もともと外科医で20年、ホリスティック医学を38年、
合わせて58年ということになります。

ホリスティック医学はアメリカで始まりましたが、
ホリスティック(holistic)の語源は
「ホロス(Holos)」というギリシャ語にあり、
「全体」という意味です。

つまりホリスティック医学とは、人間を丸ごと扱う医学なのです。
人間の体だけでなく、心や命が一体となった、
そっくりそのままを丸ごと捉える医学なのです。

西洋医学が現代に通ずる形になってきたのは、
19世紀の終り頃です。
フランスの細菌学者であるルイ・パスツールが、
分析的な医学を完成させたわけです。
現代までに百数十年が経過しましたが、
西洋医学はまだ「命とは?」というテーマについては、
ほとんど手つかずの状態です。
命を高めるのは癒しの技術で、これは東洋医学がやってきたのです。
(中略)
やっぱり一番大切なのは、自然治癒力です。
自然治癒力と一口に言っても、
その概念があまりはっきりしないところもあり、
免疫力と自然治癒力を混同している人も昔はたくさんいたのです。

この辺を分けていかなければならないのですが、
まず免疫力というと
体内の免疫システムが「自己」と「非自己」に分けて、
病原菌などを攻撃します。
この「非自己から自己を守る」というのが免疫力です。
自己にこだわる世界なのです。

そうすると、
仏教で言われる唯識(ゆいしき)の、
末那識(まなしき)になってくるのです。
唯識とは、
すべての現象はそれを認識する心の現れであるという意味です。

末那識とは、人間の心を8層に分けたときの、7番目の層を指します。
心の8つの層は、6つの表層と2つの深層に分けることができます。
その6つの表層のうち、第1から第5までは五感の世界です。
見る、聞く,嗅ぐ、味わう、触れるですね。

第6識が心、意識なのですが、どうも心そのものでもないようです。
どちらかと言えば、ホリスティックに近い命の方も少し入っている。
そして第7識が末那識です。
末那識はあくまでも自己にこだわる層で、
これが免疫だご思われるのです。
第8識の阿頼耶識(あらやしき)は
末那識を超えたところにあるのですが、
これが自然治癒力だというのが私の考えです。

本当は、
自然治癒力そのものを医学的にも明確に説明しないといけないのですが
現代の医学事典を見ても自然治癒力という言葉は載っていません。
しかし、歴史的にははっきりしています。
自然治癒力を最初に提唱したのは古代ギリシャの医聖、
ヒポクラテスです。ヒポクラテス一派が、
病の原因はやはり人間の体、生活、この辺りをしっかり見て、
そこに原因を求めて治していく、経験医学というものを提唱しました。
中略
自然治癒力というのは、
体の中にある「命の場が持っている能力である」
と私はとらえています。
命の場が持っているエネルギーが生命です。
これが低下した時に、これを回復すべく働く、
その生命の場が持っている本来的な力が自然治癒力なのです。

中略。これ以下の文章は上野による要約です。

近代的設備の病院で、医師が腕を奮っても、
50年間の5年生存率がほとんど改善されませんでした。
そこで、西洋医学の限界に気が付き、
東洋医学を中国に視察に行って学びました。
その結果、中国医学と西洋医学を合わせた
「中西医結合」の医療を実現しようとしましたが
大病院ではその実現が困難でした。
患者側の抵抗もありました。

そこで自立してそのコンセプトを実践することにしました。
それが帯津三敬病院の誕生です。1982年、40年前でした。
当病院では「心のふれあい」を重視しています。
医療は「治しと癒しの統合」です。
そして、トコトン患者さんと向き合う治療を実現するために
患者さんと「戦略会議」をしています。
これからの医療で何よりも大事なことは、
患者さんと医療従事者の信頼の統合=信頼のコミュニケーションです。
(詳細は、本書をご覧ください)

素晴らしいコンセプト・信念ですね。
医院全体がその方針で運営されているのですから、
他では真似ができません。

帯津先生は、その後2016年にホリスティック医学を超えた
大ホリスティック医学を提唱されています。
ホリスティック医学は、人間の体を丸ごと対象にするものですが、
大ホリスティック医学は、人間の階層より上位の、
家庭、病院、社会、日本、地球、
そして宇宙を超えて虚空までもすべて含んだ、
最も大きな全体から捉えることです。

本書にはこのような記述があります。

私がこの世で完結したいことはいくつかありますが、
ダントツの1位は
「私はどこから来て、どこへ行くのか」という問題を解くことです。
フランスの画家ポール・ゴーギャンがタヒチ滞在中に描いた
「我々はどこから来たのか、我々は何者か、我々はどこへ行くのか」
という有名な絵がありますが、
ゴーギャンもこの問題の解答を見つけようと
もがき苦しんでいたのではないでしょうか。

さらに言えば、このことは決して私だけの問題ではなく、
地球上に生きるすべての人に当てはまることではないかと
思うようになってきました。
つまり、私たちが生きていく最大の目的は、それぞれの人が、
この問いに対する正解を見つけることなのではないでしょうか。

しかしながら、大ホリスティック医学につきましては、
上野は疑問があります。
ホリスティック医学の目的・ねらいは、
「患者にとって最適の治療を施し、患者の健康生活を実現すること」
であり明確なのですが、
大ホリスティック医学の目的・ねらいが不明です。

と思って、大ホリスティック医学について、
もう少し詳しく解説のある「がん治療最前線」を見ましたら、
こういうことのようでした。

帯津先生の宇宙観


その宇宙観を前提にして、ホリスティック医学の位置づけはこうなります。



大ホリスティック医学の目的は、体の健康だけでなく心の健康を実現し、
平穏で幸せな時間を過ごせるようになること、なのでしょう。
もう少し言えば、
死を生の延長上にある自然な状態として受け入れることです。
その状態に対して
「ナイスエイジング」という言葉も使っておられます。

この宇宙観は、
当ブログで話題にしました田坂広志教授の「死は存在しない」の考え方に通ずる
ものを感じます。

私は、医療としては、
帯津先生が実践されている
ホリスティック医学で十分ではないかと思われます。

人間は、その目標(目的・ねらい)が達成されると、
その上位の目的の実現を目指すようになるのは、自然の摂理です。
帯津先生もその境地に入ってこられたということなのでしょうね。

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