2023年4月14日金曜日

「AIでは何ができるのか」分かりにくいですね!

[このテーマの目的・ねらい]
目的:
 「AIでは何ができるのか」について分析し再確認いたします。
 現在のところ、13分類となりました。
ねらい:
 その体系で、今後、AIを見ていきましょうか???
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「AIでは何ができるのか?」
AIはどんどん進化していて、全体が分かりにくくなっています。
私もこれまで、デジタル化やAIにつきましては、
事例データベースを作成するなどしてきて
それなりに分かっているつもりでした。

チャットGPTなど、ビックリの機能も登場して
あらためて考えてみますと
「AIでは何ができるのか」について
体系的には把握していないことに気が付きました。

そこで、AIの解説書も調べてみました。
それらのほとんどは、AIの技術や手法に関する解説書で
「何ができるのか」が中心テーマのの解説書はありませんでした。

たとえば「AIのしくみと活用がしっかりわかる教科書」を謳っている
同書の目次はこうなっています。













第1章 AIとは
第2章 AIの基礎知識
第3章 自然言語処理の手法とモデル
第4章 GANを中心とした生成モデル
第5章 画像認識の手法とモデル
第6章 テーブルデータの機械学習アルゴリズム

どう見ても「活用」のことは書かれていませんし、
手法についても網羅的ではありません。
書名は「出版社のワナ」です。

もう1冊三津村 直貴 ()図解まるわかり AIのしくみ 」は
「しくみが分かる」を謳っているのですが、
その第6章・第7章は以下のようになっています。
活用領域をほとんどすべて網羅しています。














第6章 さまざまなAIと実用化
1)画像から「動画」に発展する映像認識
2)AIにおけるコミュニケーションの考え方
3)Transformerと巨大データベースで変わった文
4)音声のテキスト化に必要な技術
5)映像や音声、複数の情報を組み合わせたデータ分析
6)人間の創造的手法を学習する
7)人間の身体の使い方を学習する
8)プラットフォーム化するAI
9)分散して広がるAI
10)与えられたタスクを実行する①自動運転車の認識
11)与えられたタスクを実行する②自動運転車の判断と操作
12)AIの進歩と成長を促すゲームAI
13)見える情報によって変わる戦略(ゲーム)
14)人間の判断基準を説明するゲーム理論
15)プライベートもビジネスも、AIと人間の協働

第7章 他分野と交わり進化するAI 
1)医療AI①医療現場を助ける
  (診断支援AI、手術支援AI、ロボット手術)
2)医療AI②難解な領域で進むAI利用
  (医薬品開発、ゲノム解析)
3)医療AI③成長に必要なデータの整備
4)フィンテック①データ分析の自動化


5)フィンテック②顧客対応とデータ管理
6)ロボティクス①活動範囲を広げるロボット
  (認識技術、情報通信技術、人型ロボット、歩行型ロボット)
7)ロボティクス②人間社会で働くロボット(産業ロボット)
8)自動運転車①人間が関わるレベル0-3
9)自動運転車②すべてを任せるレベル4-5
10)ドローンや無人機、軍事技術への応用
11)ハードウェア①AIを変える新しいコンピュータ
12)ハードウェア②2種類の量子コンピュータ
13)RPA①注目が集まる業務の効率化
14)RPA②AIで広がる自動化の領域(EPA)

個別の活用領域のことはよく分かります。
しかしながら、体系的にどうなっているかはよく分かりません。

参考までに、チャットGPTにも聞いてみました。
結果はこうなりました。

AIでできることを教えてください、という質問の回答がこれです。

AIの使い道は非常に多岐にわたります。以下に代表的なものをいくつか挙げてみます。

1.     自動化:AIを使うことで、人の手作業が必要だった作業を自動化することができます。例えば、製造ラインや物流センターでの作業、顧客サポート、書類作成、請求処理、勤怠管理などが挙げられます。

2.     予測・分析:AIを使うことで、データの中からパターンや傾向を見つけ出し、将来の予測や意思決定に役立てることができます。例えば、金融分野では株価予測やリスク管理、マーケティング分野では顧客行動予測やセグメンテーションなどが挙げられます。

3.     ロボティクス:AIを使ってロボットやドローンを制御することができます。例えば、自動運転車やドローンの配送、医療分野での手術支援、農業分野での収穫作業支援などが挙げられます。

4.     自然言語処理:AIを使って自然言語を処理することができます。例えば、音声認識や機械翻訳、チャットボットなどが挙げられます。

5.     画像認識:AIを使って画像を認識することができます。例えば、自動車運転支援システム、監視カメラでの犯罪防止、医療分野での画像診断支援などが挙げられます。

以上は一部であり、AIの使い道はまだまだ広がっています。また、AIを使った新しいサービスやプロダクトを開発することも可能です。

 



かなり分かりやすい分類をしています。

上野はこの際、再検討して以下のような分類にしました。
「AIで何ができるのか」=「AIの実現機能は何か」

AIの機能

実用の例示

1.解析系

11.画像解析

医療診断、不良品選別、問題個所発見、生体認証、条件合致画像抽出、挙動解析

12.音声解析

通訳、文章化

13.文章解析

要約・議事録の作成、重要キーワードの抽出、不正の検出、翻訳

14.センサー・GPSデータ解析

ウェアラブル機器によるデータ解析、IoTによる異常察知、故障診断、GPSデータでの繁閑解析

15.DNA・ゲノム解析

難病原因把握・対応、がんの診断・治療

16.情報解析

ネット上の情報あるいは実績データを検索し複雑な問いに対して回答(チャットGPTなど)

17.行動解析

学習状況解析、購買履歴解析、

2.探索系

21.探索

MI、新医薬候補探索、事象の因果関係分析

22.最適解探求

自動スケジューリング、勤務シフト自動作成、碁、将棋、販売予測、各種予測、

各種シミュレーション

23.創作

作詞、作曲、作文、絵画制作

3.自動化系

31.作業自動化・作業支援

事務作業自動化(RPA)、自動案内・ガイド、選別、梱包、手術、介護

32.自動制御

プラント自動操業、スマート農業、AI家電

33.自動運転

ロボット、ドローン、車自動運転、自動建機、自動倉庫、


まず大きく3分類しました。
1、解析系
 まずは、対象がどうなっているかの解析をするものです。
 解析結果は要求している人に提示します。
2.探索系
 自分が欲しいものを探すものです。
 最近は、この分類に「創作」も含まれるようになりました。
3.自動化系
 自分(人間)の代わりに代行してくれることを期待するものです。

解析系は、その対象によって以下のように分かれます。

11.画像解析

はるか前から人間の能力を超えています。

12.音声解析

個人差を乗り越えるのに苦労しています。

13.文章解析

最近の進歩は目覚ましいものがあります。Googleが提供しているBERTが有名です。

14.センサー・GPSデータ解析

IoTもその1形態ですが、至るところで活用されています。

15.DNA・ゲノム解析

人間ではとてもできない組み合わせと疾病の関係の分析などが進んでいます。

16.情報解析

知恵のある情報検索です。対象情報は社内データとネット上のデータとがあります。最近のチャットGPTは驚愕でした。

17.行動解析

個人の行動特性・実績を踏まえてその人向きのガイドをするためのものです。

探索系は、その種類によって以下のように分かれます。

21.探索

正解を探すアプローチです。正解でなければ近くてもダメです。

22.最適解探求

絶対的な正解はない領域で、最適解を求めるアプローチです。多くの形態があります。

23.創作

人間にしかできないと言われていた領域ですが、かなりのことがAIでもできるようになりました。


自動化系は、自動処理の種類によって以下のように分かれます。

31.作業自動化・作業支援

人間が実施していた作業を自動処理するものです。完全自動化だけでなく、人間の作業を支援するものも含まれます。

32.自動制御

機器・設備の自動制御を行うものです。

33.自動運転

機器を自動で動かすものです。


個々の案件は、複数の機能を持っているものもあります。

この整理をして見て感じました。
体系化というのはどうしても抽象的になって生々しさに欠けますね。
個々の断片的な事例の方が現実感があり楽しいです。
ものも見方としては、
抽象的・体系的な見方と具体的・実態的見方の両方が必要なのでしょう。
チャットGPTの回答は、この中間的なものでなかなかのものですね。

システム企画研修社では、これまで、「AI事例集」を作成してきました。
今回,AIの機能を上記のように見直しましたので、
「AI事例集」もそれに合わせて更新しました。

その結果、現在その事例集に収録している事例127件について、
この機能分類を当てはめてみると以下のような件数順位となりました。
(該当機能は重複あり、です)
1番、2番、3番は、人間が不得意の領域で、
IT(AI)が活躍しているのです。
下位の方の機能は、新しいものですから件数が少ないのですが、
これからどんどん増えるでしょう。

順位

案件の保有機能

該当件数

1

最適解探求

47

2

画像解析

41

3

センサー/GPS情報解析

37

4

行動解析

17

4

探索

17

4

作業自動化

17

7

自動制御

12

8

音声解析

11

9

文章解析

10

10

自動運転

 7

11

情報解析

3

12

創作

2

13

DNA・ゲノム解析

1


なお、この「AI事例集」の形態は以下のようなものですが、
システム企画研修社が提供する「DXの道具箱」にも収録されています。

以下の図は、拡大してご覧ください。
1番下の行に該当件数が示されています。
1番左の#欄をクリックしますと、原典の資料が表示されます。










ご説明しました「AIの機能」だけですと、
どの領域で使われている機能か分かりませんので、
この事例集では、対象事業の欄で、
以下のような区分をして検索可能となっています。
 農林水産、建設・工事、組立型製造、装置型製造、
 個人向け営業、法人向け営業、運輸、飲食、生活、サービス、
 医療・健康、介護、教育、金融、公共・公益、ICT、
 事業共通として、人事・勤労、研究・開発、アフターサービス

この事例集等にご関心ある方はお問い合わせください。
 mind-pc@newspt.co.jp

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