2022年2月17日木曜日

「なぜか うまくいく人の気遣い100の習慣」

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 「気遣い」のガイド本をご紹介します。
ねらい:
 素晴らしい著作物です。
 ぜひ現物をご覧ください。
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著者の藤本梨恵子梨恵子さんは、年齢不詳ですが、こういう方です。
 カラーと脳の心理学をミックスさせた手法で、より良いコミュニケーションを伝授するカラーセラピスト。 カラーを通してのモチベーションアップ、人との良好なコミュニケーション法など、実践的セミナーが好評。 自称「芸人になりたかったセラピスト」として、楽しくユーモアに溢れた話術も人気。




気遣いのような、誰にも身近なテーマについて、
これだけのことを書けるのは素晴らしい、どうやって習得したのだろう?
と感心しました。
本書の構成はこうなっています。
第1章 気遣いの基本 1~12
第2章 話し方、聞き方 13~27
第3章 職場・仕事 28~44
第4章 ちょっとした気遣い 45~60
第5章 気遣いの心得 61~77
第6章 利休7則 78~85
第7章 気遣いの高め方 86~100

これを分類するとこうなります。
方針・原則論 第1章
心得     第5章 第6章
上位心得   第7章
ガイド    第2章 第3章 第4章

私は、気遣いのようなことは、学んでできるものではない、
気がつくかどうか、気が利くかどうかは、
考えることではなく感じることだから
「ニブイ人」「KYな人」には、教えてもムダだと思っていました。

しかし本書を読んで、
「気遣い」は「気がつく」とは別のものだという面もあることが
分かりました。
特に、上記の「方針・原則」はまさにそうですし、
(例:「気遣いは相手のためではなく自分のため」)
心得も頭で理解することができるものです。
(例:「気遣いは出し惜しみ厳禁」
   「降らずとも雨の用意」
なるほどそうか、と思えば改善も可能でしょう。
しかし、ガイドの習得は、なかなか難しそうです。
(例:「『はい、でも』ゲームをしない」
   「相手が言いにくいことを察する」
   「謝れる人になる」

私のこの「ご説」の利用方法のお勧めはこうです。
読んで「そうか」で終わりではなく
上記、方針・原則⇒心得⇒ガイドの順に、一つか二つずつを書き出して
頭において生活をします。
それが体得できたら、次の二つに進みます。

終るには何年もかかるでしょう。
でも、そのくらいの覚悟でやらなければ、
気遣いはできるようになりませんね。
ベストセラーだと言いますが、
何人が多少なりとも習得できるのでしょうか?
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それはともかく、100項目は一つずつが素晴らしい内容で、
よくこれだけ上手に書けるな、と感心します。
100番目の内容をそのままご紹介します。  

100 最後の気遣い
私には父との記憶が2つしかありません。
一つは、2歳の頃、
飼っていた柴犬にお水を私と一緒にあげたときの背の高い父。
もう一つは、死の間際の記憶です。
2歳のときに両親が離婚して、父が兄を、母が私を引き取りました。

そして私が高校生のとき、死期が迫った父と再会しました。
父は癌におかされ、病室のベッドに横たわって点滴をしていました。
180センチ近い長身の父はガリガリに痩せ、おむつをしていました。
私が病室に入ると開口一番、父は
「俺に恨みつらみがあったら、何でも言って見ろ」と言いました。
そのとき私は、首を振りながら泣いてしまいました。
自分の病気の心配だけをすればいい状況で、
私のことを気にかけてくれたからです。

もしかしたら、本当は
「なぜ、お兄ちゃんだけ引き取って、私を引き取らなかったの?」
など、多少の恨みつらみはあったかもしれません。
でも、父が死の間際に私を気遣った一言で、
今まで抱いていた思いはすべて消えて、
何もかにも許せていました。
だから、私にはもう優しい父の記憶しかありません。

病床で父は、「水が飲みたい」と言っていました。
でも氷しか口に含ませることができませんでした。
治療の影響で、水を飲むとあとから吐いたり、
結局、患者自身が苦しくなるからです。
私が病室を訪れて数日後、父はこの世を去りました。

数十年後、私も癌に倒れました。
そのとき、
体に不調があるときに誰かを思いやることの難しさを痛感しました。
私の病室の隣のベッドの人は、
抗癌剤の治療でかなり苦しまれていました。
だから、お見舞いに来る家族にも、看護師さんにも、
当たり散らしていました。
病院の廊下をリハビリで歩くおばあちゃんにも
「うるさい!」と怒るほどでした。
でも、健康な細胞さえ攻撃する抗癌剤の治療で、
死ぬほど苦しんでいるのだから仕方ないと私は思いました。

だからこそ、父が病に冒され苦しい状態で私を気遣って見せたことが、
尊いことだと感じるのです。
私もこの世を去るときがきたら、
周りを気遣い、感謝して旅立ちたいと思っています。

上野:素晴らしい心構え(気遣い)ですね!!

2 件のコメント:

大畑 さんのコメント...

上野さんのねらいどおり、読みたくなりました。
早速この本を購入して読んでみます!

上野 則男 さんのコメント...

大畑さん
早速の反応ありがとうございます。
読んでいただいて感想を入れていただければなお嬉しいです。
よろしくお願いいたします。