2020年1月30日木曜日

アドラー心理学解説書「嫌われる勇気」

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 アドラーの心理学紹介書「嫌われる勇気」をご紹介します。 
ねらい:
 ご関心ある方はぜひ本書をご覧ください。
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たいへんお世話になっている社長様に
岸見一郎・古賀史健氏共著の「嫌われる勇気」(2013年刊)
を教えていただきました。


お恥ずかしながら、
フロイト、ユングと並ぶ3大心理学者と言われる
アドラー(1870年~1937年、オーストリー)を知りませんでした。


そこで早速読んでみました。
この本は、アドラーの学説を体系的に解説しているのではなく、
アドラー心理学をまったく理解しない若者が
アドラー心理学の伝道師に疑問を次々に提示していくやりとりの
形式で書かれています。


したがって、問題点・特異点が分かりやすくなっていまして、
帯にあるように「史上初6年連続ベストセラートップ5入り」
なのでしょう。


私なりにこの本の主張の骨子を整理してみました。
とてもこんな軽い内容ではありませんので、
ご関心を持たれましたら、ぜひ本書をお読みください。


総括的には、アドラーの心理学は、主観重視であり、
フロイトとかの心理学は客観重視であると思いました。
フロイトでは、今を起こしているのは何か原因があり
それを除去しなければ治らないというスタンスです。
それに対して、アドラーは、事実は変えられないので、
自分がどう思うかが大事である、というスタンスです。


心理療法としては一長一短なのでしょうが、
アドラーのアプローチの方が
真剣に取り組めば有効性が高いのではないでしょうか。


以下、太字はこの本の記述です。
それ以外は、私のコメントです。


1.人の悩みはすべて人間関係の悩みである。
 「えーーっつ、そうですか」と一瞬考えます。
 心理学の先生は、人の悩みを解決してあげるのが仕事ですから、
 悩みの定義は重要です。
 悩みとは、どうしようかと思い悩み、簡単に答えが出ないことであって、
 「どうしようかを検討する」課題とは一線を画します。


 そう考えると、たしかに悩みはすべて人間関係のことかもしれません。
 人間関係以外は、どうするかを考えるか、放置すればいいのですが、
 付き合わなければならない人間関係で何かがあれば悩みは続きます。


2.「課題の分離」をする
 それは自分のことなのか、相手のことなのかを考え、
 相手がなんとかしなければならないこと(相手の課題)であれば、
 「介入」しない。


 親が子どもに「勉強しろ」という例:
 勉強をすること、勉強の結果を受けとめるのは子どもである。
 したがって、親は子に「勉強する意義を教える」ことはしても
 「勉強しろ」という「介入」はしない。


 勉強しろと言われてしている勉強は、
 「自分のためではなく親のためにしている」という意識になる。
 何かあれば「親のせいだ」となる。


 相手の行為で腹が立つことがあっても、その人のことであれば
 その前提で客観視する。


3.「自己受容」する
 現在の自分をそのまま受け入れる。
 良く見せかけようとしない。
 「自分がこういうことができない」という悩みも、
 誰かの目を意識するからである。
 不足があるのなら、
 これからそれを補って進むようにする。


 嫌われることも恐れるな。
 ごまかしていても何も良い結果は生まない。


4.「いま、ここ」を大事にする
 過去を振り返って、自分の不足を嘆いても始まらない。
 原因追究しても解決には結びつかない。
  「自分がこうなのは、あれのせいだ」と言い訳をして、
  前進をしようとしない


 未来のゴール(何かの合格とか)を人生の目標にしない。
 そうすると達成しないと挫折するし、
 達成すると目標を失う。


 大事なのは、今。
 「いま、ここ」を重視して生きれば、
 人生がいつ終わっても悔いはない。


5.後ろ向きの原因論でなく前向きの目的論で考える。
 
 何が悪かったのかではなく、
  これからどうすればよいかを考える。
 過去は変えられない。
  過去に対する考え方を変えることはできる。


6.「他者信頼」をして仲間を作る。
 信頼とは、
 他者を信じるに当っていっさいの条件をつけないこと。
 仲間とは、信頼できる相手のことである。

 信頼していない相手では、相手もこちらを評価せず、
 安心できる人間関係とはならない。
 どうしても信頼できない相手との関係は切る。


7.「他者貢献」をする。
 仲間である他者に対して、
 なんらかの働きかけをしていくこと。
 貢献しようとすること。


 「他者に貢献するのだ」

 という導きの星さえ見失わなければ

 人生で迷うことはないし、なにをしてもいい。

 嫌われる人には嫌われ、自由に生きてかまわない。

8.「共同体感覚」
 真の仲間意識を持つこと。

 真の仲間とは、他者の幸せを心から祝福できるし、
 他者の幸せのために積極的な貢献ができる。
 その人が困難に陥った時援助しようと思える他者。

 こういう世界で生活できれば、幸せを実感できるでしょうね。
 
 「それはあなたの考え方次第で実現できるのですよ」
 といいうのがアドラー先生のご意見です。




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