【このテーマの目的・ねらい】
目的:
悲惨な事件、幼少女虐待死の撲滅対策を検討します。
ねらい:
児童相談所の経営改善が必要です。
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もう1年前のことになってしまいました
栗原心愛(みあ)さんの虐待死事件に関する
千葉市の検証報告書が1月24日に発表されました。
それによりますと(以下は1月24日日経新聞夕刊によります)、
2017年11月7日、県柏児童相談所は
父の勇一郎被告(42)からの暴力を訴えた心愛さんを一時保護したが、
12月27日に祖父母宅での生活を条件に解除。
この際、野田市は児相から
「父とは一定期間、絶対に会わせない条件になった」
と連絡を受けたとしたが、
児相記録では「2人きりでは会わせない」となっていた。
検証委員は情報を突き合わせる作業を怠ったためと指摘。
児相の認識について
「父は祖父母宅に滞在することが可能。
かなり危険性が高く、その条件自体が問題」と批判した。
実際に勇一郎被告は18年2月26日、
心愛さんが暮らす祖父母宅を訪れ、児相職員に「連れて帰る」と迫り、
児相は帰宅を認めた。
一方で市から連絡を受けた小学校は
「絶対に会わせない」という認識でいたが、
3月10日、勇一郎被告が心愛さんを迎えに来たため混乱。
児相に問い合わせると「引き渡しはやむを得ない」と回答があり、
「律義に守っていたのは意味のないことだったのか」
と疑念を抱いた職員もいた。
報告書は市に対し、
「この段階で心愛さんの安全を守ることができないと判断し、
結束して児相に相対する姿勢を整えるべきだった」とまとめた。
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この検証報告での意見は、
市の対応にも不備があったと指摘していますが、
より大きな問題は児相の対応です。
私は以前から、
「児相の対応が児童相談員(児童福祉士等)任せになっていて、
組織としての対応になっていない。
そのため、児童相談員の未熟さがそのまま結果に表れてしまう。
この体制のままではいくら相談員を増強してもダメだ」
と主張しています。
組織としての対応とは、
重要な事案(一時保護の決定、その解除等)については、
形式的な上司の承認ではなく(これさえしていないのかも?)、
必ず担当と上司が面談で相談して決定する、
ようにすることです。
さらに今回の報告書で判明したことは、
マネジメントシステムの不備です。
市と児相が協議した際の「認識のずれ」があったという点です。
民間のビジネスでは、他社と会議等を行った場合には
議事録で確認をする習慣が確立しています。
昔は日本の伝統である「阿吽の呼吸」方式もまかり通っていましたが、
もめごとが起きた経験を踏まえて議事録の習慣が成立しました。
おそらく、「認識のずれ」があったということは、
議事録などなかったのでしょう。
官の世界のマネジメントは民間に対して周回遅れです。
今風の言葉でいえば「ガバナンスが効いていない」のです。
こういう点からすると、
早急に民間の有識者の力を借りて、
児相関連業務のガバナンスの整備をすべきです。
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