目的:
AIは「作るから使う」時代になったことをご理解いただきます。
その時代には、AIをどう使うか考える人材が重要である
ことを確認いただきます。
当社のAIコーディネータ養成プログラムについてもご紹介します。
ねらい:
AIを専門家任せにしないで自ら取り組みましょう。
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「文系AI人材になる」は、2020年1月に発刊された
ZOZOグループ取締役野口竜司氏の著書名です。
自身も文系の学部出身で,AIビジネス推進等で活躍されています。
「文系AI人材」のコンセプトは、
私が提案している「AIコーディネータ」と共通点があります。
まともなAIのシステムやビジネスを作るには、
発案者とAIの専門技術者だけではダメで、
間をつなぐコーディネータが必要だというのが私の主張です。
野口氏の主張はこうです。
ほんの少し前までのAIの世界は、
理数系や技術系の「理系AI人材」が引っ張っていました。
しかし、
AI技術が一般化し誰もがAIを気軽に扱えるようになった今、
「AIをどう作るか?」よりも、「AIをどう使いこなすのか?」の方が
大きな課題になりつつあります。
そこで重要になるのが、
ビジネスの現場も知っている文系AI人材なのです。
AIの活用には,AIの専門技術者以外が必要だ、
という点が共通です。
この著書に
「作るから使うへ」というキャッチフレーズが登場します。
まさにそういうことで、
本書には「使う」ためのHowtoがたくさん詰まっています。
350頁ほどの大著ですが、
読む人の立場になって解説されており
説明の仕方もたいへん分かりやすくなっています。
本書の内容をマスタしていれば、
立派なAIコーディネータになれます。
AIコーディネータのバイブルとしてお勧めの1冊です。
因みに、
「作るから使うへ」が一般のビジネスソフトの世界で実現したのは
ERPソフトパッケージが一般化した1990年代ですから
「作る」が始まった1960年から30年以上たっています。
AIの世界では、それが3年で実現した、という感じです。
AI時代の技術進歩の速さを実感いたします。
本書の内容を目次でご紹介します。
第1章 AI社会で職を失わないために
「AI失職」を恐れず「AI職」に就く準備を
(AIを無視すると仕事を失いますよという警告です)
「AIとの共働き」スキルを身につけよう
5つの「共働きスタイル」
(まったくAIを活用しない型から全面AI型までを5分類)
第2章 文系のためのAIキャリア
AIは「作る」から「使う」へ
上手に活用する「文系AI人材」が重要に
「文系AI人材」の仕事内容とは?
「文系AI人材」になるための4つのステップ
(キホン、作り方、企画力、事例の習得)
第3章 AIのキホンは丸暗記で済ます
AI/機械学習/ディープラーニングの違い
学習方式の3分類――教師あり/教師なし/強化学習
活用タイプ別AIは4×2=8分類
「識別系AI」はこう使う
「予測系AI」はこう使う
「会話系AI」はこう使う
「実行系AI」はこう使う
出る順でAI基礎用語を丸暗記する
第4章 AIの作り方をザックリ理解する
AIは特徴づかみの名人
「予測系AI」の作り方を理解する
「識別系AI」の作り方を理解する
「会話系AI」の作り方を理解する
「実行系AI」の作り方を理解する
第5章 AI企画力を磨く
AI企画の「100本ノック」
「変化量と実現性」を担保する
AI企画の「解像度を上げる5W1H」
第6章 AI事例をトコトン知る
業種別×活用タイプ別の45事例
第7章 文系AI人材が社会を変える
AIによる「消費者、会社、働き手」への変化
AI社会を牽引するアマゾン
(中立的な解説です)
AI×各業界で変革を作るソフトバンク
日本の銀行で起きているAIによる変化
文系AI人材が社会をリードする
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私のAIコーディネータ(AIC)養成法との共通点は、
企画の重視、
(企画書の項目立てとしては、野口氏の5W1Hより
当社の5W2Hの方が優れています?)
多くの事例の研究(AIC用の事例集は100事例超収録)
活用法の体系化
です。
AICでの活用法の分類はこうなっています。
AIの適用目的
AI手法を適用しようとするときの適用目的(AIに何を期待するか)
を整理すると以下のようになります。
|
適用目的
|
その内容
|
1
|
検索
|
ほしいものを探す。
人間よりも広範囲に大量のデータを検索できる。
|
2
|
判断
|
判断材料を分析してほしい答えを得る。
非常に多くの判断材料を総合的に考慮して判断することもできる。
現在のところ、要求条件があいまいだと的確な答えは出せない。
|
3
|
処理
|
判断に基づいて必要な処理を行う。
翻訳や自動応答などかなりの精度になってきている。
|
4
|
発見
|
データ・情報を分析して真理を見つけだす。
非常に大量のデータ・情報を分析対象とすることができる。
|
5
|
創造
|
新たなものを創りだす。
絵画・音楽・ストーリなど、Aiではまだ始まったばかりである。
|
AIの適用機能
AIの適用機能(AIで何ができるか)を整理すると以下のようになります。
|
AIの適用機能
(「AI事例解析集」
における呼称)
|
その内容
|
1
|
画像解析
|
その画像が何であるかを解析します。
|
2
|
音声解析・生成
|
声を聞いてその言葉を理解します。
言うべきことを発声するのが生成です。
|
3
|
文章解析・生成
|
文章を読み、その意味を理解します。
翻訳や要約の作成をします。
|
4
|
センサー・
GPS情報解析
|
センサーやGPS(スマホ含む)の察知する情報を分析し、必要なアクションにつなげます。
|
5
|
事例解析
|
過去の文献・各種データの内容を解析します。
|
6
|
行動解析
|
個人または法人等の過去の行動実績(購買実績等)を分析し、その人の嗜好・思考等を推定します。
|
7
|
情報検索
|
キーワードでの文章検索だけでなく、意図していることの文章を検索することまで含みます。
|
8
|
関係解析
|
膨大なゲノム情報と他の要因(疾病等)の因果関係の究明等、膨大な有限情報と結果との因果関係の解明をします。
|
9
|
最適解探求
|
囲碁・将棋等のゲームで良い結果(勝利等)を得る方法です。ゲームでなくても明確なルールがある場合に適用できます。
|
10
|
学習
(内訳は「AIの適用手法」で示す)
|
多数のデータからルールや知識を自ら学び、解答(と思われるもの)を提示します。
正解データを与えずに、自らが正解を探す学習も可能となってきています。
|
野口流の優れているのは
実践してこられた方の経験に基づく解説で
分かりやすくポイントをついています。
私としてもたいへん参考になりました。
野口氏はAIの活用タイプを以下の4種類に分けています。
識別系 画像認識、分類、など
予測系 需要予測、顧客行動予測、異常の検出、など
会話系 音声案内、音声対応、対話音声のテキスト化、など
実行系 自動運転、自動操作、ロボット、など
私はこの4分類以外に、「文書解析」が
ビジネス上では重要な領域ですので
別分野とすべきと思います。
文書の要約や意味解釈をするのです。
比較的新しい領域なので、
野口氏は会話系の中で少し触れているだけです。
ビジネスでは、口頭でのコミュニケーションも多いのですが、
昨今はメール等を含め文書でのコミュニケーションが
多くなっております。
そうすると、部下の日報や週報を要約して上司に報告するとか、
どういうことが問題になっているのかをまとめるとか、
が必要です。これができたらいいですね。
こういうことも実現できています。
文書作成者の感情(怒り、不満、満足等)を分析するのです。
音声解析では比較的容易ですが、文書でも可能なのです。
当社のAIコーディネータ養成プログラムでは、
おそらく日本で最も進んでいる文書解析ソフト提供者である
Insight Tech社に協力をいただいて同社の「アイタス」を使用した
「使う]AI開発の演習をするようになっています。
Googleが開発したBERTという文書解析AIソフトは
オープンソースソフトとして公開されていて
それをベースにした文書解析手法がどんどん開発されています。
Google自身もGoogle検索で利用しているようです。
単に検索で用いられている単語から関連資料を検索する
のではなく、
検索の文言の意図を解釈して関連の資料を表示するのです。
どんどん進化するAIです。
これからもビジネスの世界で活動される方は、
早くその世界に仲間入りしましょう!!
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