2019年6月27日木曜日

「今すぐソーシャルメディアのアカウントを削除すべき10の理由」

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 猛威をふるっているソーシャルメディアの支配から脱する
 にはどうしたらよいかをご研究いただきます。
 猛威についても再認識いただきます。
ねらい:
 良さそうな「誘導」に負けないように意識いたしましょう。
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GAFAの情報独占が
社会的・世界的問題となっている昨今ですが、
その問題に真正面から取り組んだ警世の書です。


著者ジャロン・ラニアーは、第3者・評論家ではなく、
VR(仮想現実)という領域を作りだした
シリコンバレーの先進ビジネスリーダです。


序章に非常に分かりやすい喩え話が載っていますので、
ご紹介いたします。
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まずは猫の話から始めよう。
オンラインには猫があふれている。
可愛らしい猫の動画は他のどんな動画よりも拡散されやすい。


なぜ犬ではなく猫なのか?
犬は、人類の祖先のところに出向いて
一緒に暮らしたいと申し出たわけではなかった。
我々人類が犬を飼い馴らした。
犬は人の言うことをきくように育てられた。


おとなしく訓練を受け、突飛な真似はしない。
犬は人間のために働く。
といっても犬を否定しているわけではない。
忠実に頼りになる彼らは素晴らしい。


しかし猫は違う。
猫は人類の祖先のもとにひょっこり現れ、
ある意味自分の意思で人と暮らし始めた。
その行動は予測不可能。


人気の犬の動画はしつけの良さを自慢するものが多いが、
大人気の猫の動画は、
クールで驚きに満ちたその行動をとらえたものだ。


猫は頭のいい動物だが、
あなたが確実に飼い馴らせる動物を望んでいるなら
猫はお勧めではない。


猫のサーカスの動画を観てみればよい。
覚えた芸当を披露するかしないか、
客席での観客サービスをするかしないかを決めているのが、
明らかに猫自身であることに感動させられる。


猫は不可能と思われることを成し遂げた。
つまり、自分らしさを保ったかま、
現代のハイテクな暮らしに溶け込んだ。


主導権は相変わらず彼らの手中にある。
悪意をもった正体不明の独裁者に金で買われたアルゴリズムが
密かに作り出すミーム
(インターネット上で人から人へと拡散するテキストや画像)に、
あなたの猫が支配される心配はない。
あなたの猫は誰の指図も受けない。
あなたのも、誰のも。


私たち人間についてもそう言い切れたらどんなにいいだろう!
オンラインの猫の姿は、
インターネットの世界の人類の未来についての
我々コンピューターテクノロジストの夢でアリ希望のの姿なのだ。


一方、犬は好きでも、
犬のようになりたいとは思わない。
少なくとも人間と犬の力関係は真似したくないもので、
フェイスブックなどのソーシャルメディアが
人々を犬に変えてしまうことを我々は恐れている。


オンラインでは些細なことで悪意のスイッチが入りやすいが、
それを「犬笛」に誘われると呼ぶのがいいかもしれない。
犬笛の音は犬にしか届かない。
すでにひそかに支配が始まっているのではないかと
我々は心配している。


この本には、猫になる方法が書かれている。
四六時中監視され、人々を操縦することを唯一の収入源として
莫大な利益を上げるいくつかの企業が運営する
アルゴリズムによって、常に行動を促されて続ける世界で、
どうすれば自律的に生きられるのか?
そんな世界で猫として生きる方法は?


本書のタイトルに嘘はない。
ここには、
今すぐすべてのソーシャルメディア・アカウントを削除すべき
10の理由が書かれている。


本書があなたの役に立つことを願っているが、
10に理由すべてに納得できたとしても、
あなたはいくつかのアカウントを残そうと決めるかもしれない。
それはあなたの自由であり、猫として生きることだ。


10の理由のすべてについての説明の中で、
あなたが自分にとって何がベストなのかを決断するために
役立ちそうないくつかの考え方を述べるつもりだ。
しかし答えを出すのはあなただ。


著者による追記 2018年3月
本書は主として2017年の末に執筆したものだが、
2018年に起きた出来事が
本書と大いに関わりがあることが明らかになった。


原稿は完成していた、すっかり完全に
ー印刷所に届けられようとしたいたー
そんなときにケンブリッジ・アナリティカのスキャンダル
(ビッグデータ分析を行うケンブリッジ・アナリティカが、
フェイスブック上で自己診断テストを受けた
ユーザーとその友人の個人情報を入手し、
そのデータが2016年のアメリカ大統領選挙で利用された)
が暴露され、
フェイスブックのアカウントを削除する草の根運動が
またたく間に社会に広がったのだ。
(以下省略)
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これで著者の意図は大体お分かりいただけたと思います。


著者の意図が、本当に警世なのか、
成功者たち(Facebook,Google)に対する妬みからくる
嫌がらせなのかは不明です。
皆様がどう考えるかです。


著者の言われる10の理由はこうなっています。


理由1 ソーシャルメディアは自由意志を奪うから
理由2 ソーシャルメディアをやめることが、
     現代の狂気に侵されないための最適な方法だから
理由3 ソーシャルメディアはあなたを最低の人間にするから


理由4 ソーシャルメディアは真実を歪めるから
理由5 ソーシャルメディアは
     あなたの言葉を意味のないものにするから
理由6 ソーシャルメディアは共感力を低下させるから


理由7 ソーシャルメディアはあなたを不幸にするから
理由8 ソーシャルメディアはあなたの経済的安定を脅かすから
理由9 ソーシャルメディアは政治を歪めるから
理由10 ソーシャルメディアはあなたの心を嫌っているから


ソーシャルメディアはあなたの選択や考え・行動を分析して
あなたに便利なガイドを提供しているようで、
結果的には、ソーシャルメディアに乗っかっているスポンサーの
思うところに誘導されている、
それが高じれば、あなたの自由意志はなくなります、
というようなことです。


アカウントを削除すると、
どうやって社会と関わるのかという点について
著者はこう言っています。


1)メールで連絡を取る。
 ただしgmailはダメ。情報をとられる可能性がある。
2)ニュースサイトに直接アクセスして情報を得る。
3)その他のサイトにも自分で探してアクセスする。


著者はそれを実践して支障がない、と述べています。
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この本を読んでいましたら、
たまたま日経新聞にこういう特集記事が載りました。


記者が3週間、GAFA断ちの実験をしました。
スマホは使わず、連絡手段はガラケー、
情報収集は図書館、です。


そうしたらとてつもなく不便で、余計な時間もかかり、
ガラケーからの連絡では仲間からも相手にしてもらえなかった、
ところが、夜中の頭痛から解放され、
家族とのコミュニケーション時間が多くとれるようになった、
というのです。


一長一短とも言えますが、
GAFA断ち、スマホ断ちは現実的でない、という結論になりました。


私は、Facebook、Googleのアカウントを持っていますが、
一切お勧めを利用したことはありません。
YahooやGoogleのお勧めニュースもほとんど見ません。


Amazonの図書購入にしてもそうです。
注文する時に参考表示される図書を買ったことは、
門外漢の世界の図書を買った1回だけです。
したがって、ソーシャルメディアの影響はほとんど受けていない、
と言えます。


利用するのがいけないのではなく、
影響を受けるのがよくないのですから、
これで問題ないと思います。


自分の関係のないところでGAFAが、
どう自分のデータを利用しようが知ったことではありません。
自分が一切GAFAからの影響を受けなければいいのです。
そうではありませんか?



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