2018年11月26日月曜日

「公立校教員における上限規制なき長時間労働」

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 公立校教員の勤務時間について考えてみます。
 本当に、超超過勤務なのでしょうか?
ねらい:
 もっと客観的・公平な主張を聞きたいですね。
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本項は、學士會会報2018-Ⅵ号掲載の
名古屋大学大学院教育発達科学研究科准教授内田良氏の寄稿の
ご紹介です。


その主張点は以下のとおりです。


1.公立校の教員は、時間外労働時間規制の対象外である。
 この6月に成立した働き方改革関連法案として改正された労働基準法では
 時間外労働の時間数に上限が設けられたが、
 公立校教員の時間外労働の規制は適用除外となっている。


2.公立小中学校の教員の労働時間は非常に長い。
 2016年度に文部科学省の調査では、
 平日の平均労働時間(持ち帰り仕事の時間を含まない)は、
 小学校が11時間15分
 中学校が11時間32分 である。


 厚生労働省が定める「過労死ライン」(時間外労働が月80時間以上)
 を超える教員が、
 小学校で33.5%
 中学校で57.6% を占めている。


3.文部科学省の解釈は「残業は教員の自発的行為」であるとしている。
 所定労働時間を超えた実労働時間について
 そもそも残業時間としてカウントされない仕組みとなっている。
 
 公立校教員に適用される「給特法」では、給料月額の4%分を
 「教職調整額」として支給されている(固定残業代の位置づけ)。
 
 「給特法」では、
 「超勤4項目」の場合には時間外労働が認められることになっている。
 その4項目は、
  校外実習などの実習
  修学旅行などの学校行事
  職員会議
  非常災害 である。


 ところが、大半の残業時間はそれ以外である。


4.部活動指導の時間が増加している。
 2006年調査と2016年調査を比較すると
 小学校の平日で43分増、土日で49分増
 中学校の平日で32分増、土日で109分増、となっている。
 特に、中学校の土日の部活動指導が突出して増加している。


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ところが、内田准教授の指摘には多くの不明点があります。


1)超勤4項目の場合は残業代が支払われるのか。
 その比率はどうなっているのか。
 その手続きはどうなっているのか。


2)そんなに過酷な残業をしているにも拘らず、
 なぜ教員はクレームをつけないのか。


3)教員には夏休み・冬休み期間があるが
 その間の労働はどうなっているのか。
 年間を通して見ても労働時間は一般の「労働者」より大きいのか。


私は、夏休みなどの長期休暇があるので、
それ以外の期間は頑張っていられるのではないかと思います。
そのことに触れないのは一方的な議論で、
簡単には受け入れられませんね。


皆様はどう思われますか?

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