「このテーマの目的・ねらい」
目的:
日本の人事制度の変革の遅さを再確認していただきます。
日本社会の変革の遅さも同様です。
ねらい:
これからはダッシュしないと日本沈没です。
世界の進歩についていけません。
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11月3日の日経新聞に以下の見出しの記事が載りました。
入社10年で課長に
三菱商事、人事制度を刷新
若手抜てきしやすく
「三菱商事は2022年3月期までの中期経営戦略を発表した。
約20年ぶりに人事制度を刷新し、
入社10年程度の若手を抜てきしやすくする仕組みを導入する。
デジタル化など経営環境の変化に対応し、
年齢にかかわらず最適な人材が事業を指揮できるようにする。
これまで子会社のトップや本社の課長級になるには、
早くても入社から20年程度かかっていた」
「入社10年で課長」には強い思い出があります。
私がT社に入社した動機の一つは、
その当時、入社試験を仕切っておられた人事課長が
まさに入社10年目だったのです。
「10年で課長」は非常に魅力的に感じました。
それで私は、
「この会社は若手が活躍できる会社だ」
と思って入社を決めたのです。
T社は、当時合繊事業が当たって急成長していました。
そのため私が入社した数年前からは大量採用が始まっていました。
入社後少し落ち着いた頃に、状況を把握してみました。、
昇進はほとんど完全に年功序列でした。
年功序列で昇進するとすれば、われわれ年次はいつになったら
課長になるか計算しました。
単純計算ですぐに分かります。
そこで私は、おこがましくも人事部門宛に「建白書」を出しました。
「現在のような年功序列方式では、優秀な人材も
いつまでも役職者になって力を発揮することはできない。
実力主義の制度に改めるべきである」
当時人事部門にいた1年後輩が
「上野さん、本当に実現してほしいなら言い方を変えた方がよい」
と忠告してくれたほどの直言だったようです。
私は、「すぐに実力主義に変わるわけはない」と判断して
実力主義の世界へ転職しました。
どちらかと言えば「結論ありき」の行動だったのです。
実は就職活動時に、その会社が「良いか悪いか」に関わりなく
5年で転職しようと思っていました。
「アメリカでは転職の繰り返しが当たり前、日本もいずれそうなる」
と思っていたからです。
ところがそうはいかなかったということです。
日本では国でも企業でも
基本になる制度が変わるには時間がかかるとは思っていますが、
今回あらためて、それが50年なのだと認識させられました。
このペースですもの、
しがらみなしで変革ができるのは至難の国ですね。
それを破れる異端児が、
辛うじて日本の維持をしてきているのです。
たとえば、著名な実業家です。
松下幸之助さん、本田宗一郎さん、ソニーのお二人、
日本電産の永守社長、ヤマトの小倉昌男さん、などなどです。
ソフトバンク孫社長は、
トヨタの豊田章男社長に「その行動に着目して学んでいる」
と言わしめるほどの剛腕です。
余談ですが、トヨタがカーシェアリング事業に乗り出すなど
普通ではとても考えられないことですが、
そういう「学び」の結果なのですね。
脱線しましたが、
「入社10年で課長」の思い出話・慨嘆話をさせていただきました。
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