2018年7月23日月曜日

うなぎはスゴイ!!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 ウナギについてもう少し知っていただきます。
 ウナギを研究している人が
 (世界中に)たくさんいることを知っていただきます。
ねらい:
 ウナギをもっと大事にいただきましょう。
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7月19日は土用の丑の日でした。
ウナギのことを勉強してみました。


私が知らないことがたくさんありました。
ウナギについて誰も知らないことが、
たくさんあることも分かりました。


ウナギの卵は誰も見たことがなく、
あの天才科学者アリストテレスもこう言ったそうです。
「ウナギは泥の中から自然発生する」


ウナギの卵は見つからないのに、
毎年ウナギの子ども(シラスウナギ)が河川に現れることを
説明できなかったのです。


こういう本を見ました。
塚本勝巳東大名誉教授の「うなぎ 一億年の謎を追う」
海部健三東京大学特任助教の「わたしのウナギ研究」
内山りゅう著「ウナギのいる川 いない川」
 (写真やイラスト中心で分かりやすい最新情報集です)


私が分かったことは、こういう点です。


1.ヨーロッパを含めて多くの研究者が、
 ウナギの謎を追っています。
 研究者を引き付ける謎の多い生き物なのです。


2.ウナギは、たいへん大規模な回遊魚で
 ニホンウナギは、
 太平洋岸からグアム近くの西マリアナ海嶺まで回遊する。
 ヨーロッパウナギもほぼ同様の遠距離回遊をしている。


3.はじめて、産卵場所近くで親ウナギが捕れたのは、
 2008年6月4日でした。


4.はじめて、ウナギの卵を捕獲できたのは、
 長い間の探索結果の2009年5月24日でした。


5.ニホンウナギは、グアム近辺の海底で誕生すると、
 海流に乗って西へ進み、その後黒潮にのり替えて
 日本にやってくる。
 
 日本にやってくるウナギの回遊ルート 
 出典:うなぎ 1億年の謎を追う







6.その後、川上り(ウナギ登り)をして川に住む。
 川上りしないで河口近くの汽水で生活するものもいる。


7.多少の時間なら空気中でも生きられる。
 それは、ウナギが皮膚の外側の特別に多い粘液を使って
 皮膚呼吸をするからである。


8.ウナギの川上りの際は、岩をよじ登ることもできる。
 粘液を活かしている。


9.川では狭い岩穴の中で暮らしている。
 岩で擦れないためにも粘液は役だっている。


10.ウナギは、淡水でも海水でも生活できる珍しい魚類である。


11.ウナギは数年以上生きる。


12.養殖ウナギは、ウナギの子(シラスウナギ)を捕獲して
 いけすで養殖したものである。


13、最近完全養殖(卵を産ませて育てる)が実現したが、
 実験段階で、高コストのため商用にはならない。


14.ウナギは1億年の歴史を持っている。
 世界に19種類のウナギがいるが、
 遺伝子分析の結果、インドネシアのボルネオ島のボルネンシスが
 起源と判明した。
 熱帯のその地から東西南北に広がっていった。
 その一つがニホンウナギである。


15.アナゴとの違い
 どちらも「ウナギ目(木)」に属する海水生まれの回遊魚である。
 どちらも、夜に同じ餌(アナジャコ)を食べる。
 しかし、競合していないらしい。


 汽水の児島湾での観察では、
 アナゴの方が小さく小さなアナジャコを食べる。
 ウナギは淡水の川で数年過ごしてから下って来ているので体も大きく
 大きなアナジャコを食べる。
 アナゴはこの後、海へ移動していく。
 海水で生活しているのであろう。


ウナギ目の仲間
出典:ウナギのいる川 いない川






16.研究方法も進化している。その1 耳石の分析
 ウナギの耳に耳石があり、これが重要な働きをしているのだが、
 年輪があり年齢が分かる。
 
 ウナギの耳石
 出典:わたしのウナギ研究
それだけでなく、いつ海で暮らしいつ川で暮らしたかが分かる。
 なぜかというと、
 耳石の構成物質はカルシウムとストロンチウムなのだが、
 ストロンチウムは海水が淡水の100倍ほどある。
 そのため耳石の構成物質を分析すると、
 いつ頃どこにいたかが分かる。


17.研究方法の進化 その2 DNA分析
 姿が違っていてもDNA分析すると種が分かる。
 ウナギの卵がウナギだと分かるのです。


18.これは推定ですが、ウナギが遠距離を回遊すること、
 淡水、汽水、海水に生きられることは、
 競合種に対抗して、生き延びるために本能が導いたものであろう。


19.残されている最大の謎
 ニホンウナギはどうやって、生まれ故郷へ戻れるのか、
 この謎はどうやって調べるのでしょうか。
 興味シンシンです。


20.2013年2月に環境省は、
 ニホンウナギを絶滅危惧種に指定した。
 2014年6月に国際自然保護連合が、
 ニホンウナギとボルネオウナギを絶滅危惧種に指定した。


   しかし、その生息実態の全貌が明らかになっていないので、
 具体的な対策はとられていない。
 ウナギの放流(養殖場から若いウナギを川に放つ)
 が行われているが、その効果はまったく分かっていない。


生態系全体の実態はほとんど分かっていないのです。
呑気に「ウナギは美味しい食べ物だ」
などと見ているだけでは、ダメですね。







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