【このテーマの目的・ねらい】
目的:
文化庁の日本語の使い方の調査結果を知っていただきます。
日本人が少しずつ自己表現をするようになってきたことを
確認していただきます。
ねらい:
そういう目で、新しい言葉づかいを観察しましょう。
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9月18日の日経新聞は当件名の見出しで
文化庁が実施した2014年度の国語に関する世論調査の結果
を紹介していました。
「微妙」→良しあし判断できぬとき
いいか悪いかの判断がつかないとき、
「微妙」という言い方をすることが「よくある」「時々ある」と
答えた人は計66.2%で、
04年度調査から8ポイント増えた。
20代は97.0%、60代も53.0%が使うと答えた。
「わたし的には」→自分の責任回避
「わたし的にはそう思います」「話とかしてました」
といった表現も全体の2割弱が使っており、
過去の調査と比べていずれも増加した。
「断定避ける風潮」文化庁調査
との小見出しもあり、
「『悪い』『わたしは』というような断定的な表現をせず、
自分の責任を回避できる便利な言葉として浸透しつつある」
という文化庁担当者のコメントが載っていました。
また、本来は不都合であることや危険であることを意味する
「やばい」という言葉を、
「とても素晴らしい」の意味で使うと答えた人は26.9%。
04年度調査と比べてすべての年代で使う割合が高まった。
10代は91.5%、20代は79.1%が使うとしている。
同庁担当者は
「自分の感情を強調するのに便利なのだろう」と分析する。
とありました。
私はこう思いました。
もともと日本人は自分の考え・感情を外に表さない態度が
身についています。
農耕文化で集団の維持「和の重視」を一番にする
ことからきた根深いものです。
それを受けた従来型の表現だと
「ええ」とか「まあ」とか、極めてあいまいで
どう考えているか分からないものでした。
それからすると、
「微妙」も「わたし的には」も
言葉になっているのですから一歩前進だと思います。
「ぼかす」ようになってきたのではなく、
意思表示をするようになってきたと解釈すべきものです。
若い人たちからそうなってきているのです。
当然でしょうね。
伝統や過去に縛られにくいのですから。
日本人は、もっともっと自分なりでよいので、
自己表現をするようになっていくといいと思います。
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