2014年7月29日火曜日

「東大生に最も向かない職業 僕はなぜ落語家になったのか」

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 東大卒の一流落語家がいることを知っていただく。
 落語界のことを知っていただく。

ねらい:
 この本を読んでみてください。
 昇吉さんのファンになってください。

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これはプロの落語家「二ツ目」の春風亭昇吉さんの著書です。
落語界の格付けは、前座、二ツ目、真打の3階級です。
昇吉さんの真打も近いのではないでしょうか。

この本は昇吉さんのことが分かるだけでなく、
落語界のことが分かる画期的な紹介書だと思います。
























昇吉さんの落語会「昇吉の会」が
7月13日国立演芸場で開かれました。

私も聴きに行ってきましたが、300人の満席でした。
大半はお年寄りでしたがファンが多いのに感心しました。


昇吉さんの噺は聞く人を引き込んでとても面白いのですが、
当日の会場は少し固くて、リラックスして笑っていないようで
少し残念でした。






















       同書から転載


私が昇吉さんを初めて聞いたのは、
大学のOB新年会でした。

小さな会場でしたので、
大声で笑ったり合いの手を入れたりして楽しむことができ
すっかりファンになりました。

後で知りましたが、導入部のアドリブの話は
枕と言うようですが、それが当意即妙で素晴らしいものでした。

昇吉の会の日、
会場で本書を売っていましたので買ってきました。
一緒に行った家内が「面白い」と言ってすぐに読んでしまいました。

「東大生に最も向かない職業」と言う理由は
1人しかいないからだというのです。

この本でずい分勉強になることがありました。
面白い話もずい分ありますが、ご紹介しきれません。

昇吉さんの経歴
 岡山県出身、父上は電気工事やさん。
 岡山大学卒業後、
 23歳で東大に一発で合格、2007年に経済学部卒業。
 
 学生時代「全日本学生落語選手権・策伝大賞」で優勝。
 その功およびその後の施設めぐりのボランティア活動が認められて
 東大総長大賞(年間1人)を受賞。

 2007年4月春風亭昇太(笑点でおなじみ)師匠に弟子入り。
 2010年二ツ目に昇進。
 2012年NHK新人演芸大賞でファイナリストになった。

 2011年気象予報士資格を取得。
 13年4月からフジテレビ「アゲるテレビ」で天気予報担当として出演中。























       同書から転載

昇吉さんの面白いところ

 落語家なのに人づきあいが苦手、1人の時間も好き。
 女性も苦手、師匠譲りで?独身
 猛烈な努力家 
  東大受験勉強は1日15時間集中した。
  策伝大賞優勝の時の落語の稽古は1日16時間行った。

昇吉さんが先輩から習ったこと
 言い訳しない。
  正当な理由があっても言わずに「すみません」と言う。
  師匠たちからどれだけ理不尽なことを言われたとしても、
  「はい」「わかりました」「ありがとうございます」しか言わない。

 破門3カ条(一門の掟)
  1.罪を犯したとき
  2.努力していないとき
  3.師匠を尊敬していないとき
 
  これはビジネスパーソンでも同じですね。
  3番めは、
  「会社のトップが信頼できないとき」ということになるのでしょうか。
  上司が信頼できないときはずい分あるでしょうが、
  これは時間がくれば解決します。  
  トップがダメと言うときは根が深いので諦めた方がよさそうです。

  ところが、こう書いてあります。
  3番めの師匠を尊敬していないとは、どういうときなのか。
  弟子6人で集まって話し合った結果、
  「師匠より先に結婚したときに尊敬してないってことになるんじゃないか」
  「そうだよな、師匠より先に結婚したら失礼だもんな」
  という結論になった。

  落語家たちらしいジョークです。

言い訳しない例
 昇太師匠は焼酎をロックで飲む。
 師匠のグラスが空に近くなってくると、
 (宴席で)そばに座っている人が僕をつつき、
 「ホラ、師匠のグラス、空になりそう。
 作ってあげた方がいいよ」と教えてくれる。

 本当は、
 師匠は飲みきってから新しいロックをつくってほしいと思っているのだ。
 途中でつくってしまったら、
 自分が何杯飲んでいるのかわからなくなる。
 だから、完全に飲みきった段階でそのグラスに
 新しいロックをつくる。
 (上野、私もその考えに賛成)

 だが、僕はそれをお客様に説明しない。
 それをすると口答えになってしまうからだ。

 お客様の中には自分でつくって師匠に持って行こうとする人もいるので、
 僕はそういう場合は、あえて自分でつくって、師匠のグラスを下げに行く。

 すると、すかさず
 「なんだよ、まだ残ってるだろ。
 おれは飲みきってからでいいって、何回言ったらわかるんだよ」と
 師匠がグラスを奪い返す。

 僕が怒られている図をみてもらって、
 お客様に納得してもらうのだ。

 (上野、そこまでやるか!すごいものですね)

センスのご披露
 本書全体を通じて、
 才能のひけらかしという面はほとんど登場しません。
 努力、努力のイメージです。
 
 ただ一つセンスを披露したのはこれです。
 学生時代の高座名は、
 「井の線亭ビリ馬(バ)」でした。
 
 その意味は、大学のあった駒場は井の頭線、
 そこのビリの馬ということですが、
 イノセント・ビリーバとなると
 「無垢な信じる人」という意味になります。
 そういう洒落を楽しんだようです。

修行時代
 前座時代、楽屋での仕事を覚える秘策
  師匠と先輩ごとに、お茶の好みや着物の畳み方、とくに気をつけること、
  出囃子の太鼓などをパソコンに打ち込んだ。
  例:桂歌丸師匠
    座布団は普通、高座で湯呑を使う、歌丸畳み、帯立て褥着羽♪カラドン
  
 生活困窮状態

  前座の給金は1日千円だ。
  バイトをしたくてもそんな時間もないので、
  なんとかその給金だけでやっていかなくてはならない。  
  
  前座になりたてのころ、
  交通費を浮かせるために、
  電車を使わずに歩いて寄席に通っていた。
 
  明大前から新宿まで1時間かけて歩き、
  新宿から神田までは電車に乗り、
  神田から田原町まで歩いた。
  
  そのため真っ黒に日焼けしてしまったほどだ。

  (家での食事は)
  近所のスーパーで5個パック二百円くらいのチキンラーメンを買ってきて、
  1日1個食べていた(昼食は楽屋ででる)。
  近所の畑に収穫後のキャベツの葉っぱが落ちているのを見つけて、
  拾って帰ってチキンラーメンに入れたこともある。

  そんな食生活のためどんどん痩せていった。
  
  (上野)それでも昇吉さんは、
  自分の夢の実現のためにくじけず頑張り続けたのです。

 仕事の獲得
  春風亭は代々放任主義。
  だが自由であればあるほど、楽ができるどころか、かえって厳しい。
  師匠のフォローを期待していてもダメ、
  自分で仕事を探してこないといけないのだ。
 
  それに比べたら、
  ビジネスマンはなかなか恵まれているのではないかと思う。
  仕事でミスをしても、上司がフォローしてくれる。
  食いっぱぐれることもないし、
  盆や正月にまとまった休みもとれる。
  合コンに行き放題なんてまるで天国のような世界ではないか。

  (上野)この評価が世間の常識かもしれませんが、
  現在はそんなに甘くないですね。
  フォローしてくれる上司は珍しいのではないでしょうか。
  でもたしかに全般的にみれば恵まれているのでしょう。
  世の勤め人さん!甘えないで努力してください。
  
  昇吉さんは、太鼓が上手にできると、
  他の師匠からも声がかかると察し、
  太鼓の稽古を一生懸命してその目的を達成しました。
  
  ビジネスの世界で考えれば、
  お客様は何を望んでいるかを考えてその実現に努める
  ということに通じます。
  「考える」ことは重要です。  (ここまで上野)

 修行・稽古
  このように仕事を見つける工夫・努力、
  新作落語を毎月1本つくること、
  新作を試すために勉強会を継続すること、
  などずい分考えて工夫されています。

この調子でいけば、真打はもちろん、
名人と言われるような落語家になれるのではないでしょうか。
期待しましょう。 
 

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