2014年7月16日水曜日

不当な都道拡張工事糾弾(つづき)

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 行政の不条理を糾弾する。
 行政のご都合主義・自己保全主義の実例を知っていただく。

ねらい:
 何とか行政の改革ができるように、各人が努力しましょう。

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6月22日に品川区のホームページにある
「区長へのメール 区政に関するご意見」
に以下の投稿をしました。

1000文字以内という制約がありましたので

2014年6月18日の当ブログ

「目的不明の都道拡幅工事、税金の無駄使いは止めろ!」


の内容を要約しました。

そのため、
そのブログで用いたまとめの表も利用しませんでした。

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件名:都道補助29号線の拡幅工事について

濱田区長様

いつもながらの積極的な施策の推進、
敬服・感謝申しあげます。


しかし、本件はなぜ区長が承認されているか甚だ疑問です。
それは、この道路拡幅の大義も意義もないからです。

先刻ご承知かと思いますが
以下にその根拠をご説明申しあげますので
ご配慮いただければ幸甚でございます。
 
なお、この詳細は以下の「上野 則男のブログ」で
開陳いたしておりますので
ご参照いただければ幸甚でございます。

http://uenorio.blogspot.jp/2014/06/blog-post_18.html
 

都から国土交通省への申請では、
この工事の必要性を以下のように述べています。


「本整備により、交通の円滑化が図られるとともに、
安全で快適な歩行空間が確保される。
また主要延焼遮断帯である同区間の整備により
地域の防災が向上する。」


ところが、以下のようにその根拠はまったくありません。


交通の円滑化:

近くを同じ方向に走る第2京浜国道の混雑度は
1.0以下で混雑はしていません。
今後とも車の交通量が増える要素はありません。


 安全で快適な歩行空間の確保:

現在の幅ほぼ4メートル道路は
時間帯によってスクールゾーンになったり、
お買物道路になったりで安全で快適です。

20メートル道路の歩道が
それ以上に安全で快適とは考えられません。


地域の防災:

区長様達のご尽力ご努力で
至るところに防災公園があり、避難できます。
避難に大きな道路は不要です。

地震に備えるのであれば
耐震化の補助の強化をしていただいた方がよい。

火災の類焼防止は唯一必要性の認められる点です。

しかしこれについては、何年もかかって道路を作るより、
消防団の強化など
地域の防火・消化能力を高める方策をとった方が
費用対効果が高い、と考えられます。


何よりこの道路により地域のコミュニティ社会が分断されることが、
何にも代えがたいマイナス点です。

ぜひご高配いただけますようによろしくお願いいたします。

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これに対して、7月7日付、品川区都市環境事業部長名で
以下の郵便が届きました。

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日頃より品川区都市計画行政にご配慮いただき、
誠にありがとうございます。

品川区は、都内においても木造建物が密集した地域が広く分布し、
地震火災などによる大きな被害が想定される地域となっています。

東京都の木密不燃化10年プロジェクトに位置付けられた
特定整備路線である都市計画道路補助29号線は、延焼遮断帯を形成し
地域の区民の安全な暮らしを守るために必要な道路であり、
ライフラインとしても重要な役割を持っています。

区が進める不燃化特区制度や沿道のまちづくりとともに、
都と区が連携し事業を推進しています。

補助29号線は、都市計画道路として良好な都市を形成するために
必要な根幹的施設であり、計画的に配置された道路ですので、
交通の円滑化も目標の一つです。

交通の円滑化とは、近隣の幹線道路の混雑の緩和だけではなく、
緊急車両の通過を可能とする十分な幅員の確保や、
電線類地中化等のバリアフリーの整備、避難路としての機能など
人と車が円滑に通行できる環境のことをいいます。

補助29号線計画線付近には狭嗌な道路が多く、
防災上の観点からも、十分な幅を持った避難路として、
安全で快適な歩行空間の確保が必要です。

また、補助29号線整備により、地域コミュニティの分断が
もたらされることのないよう歩車道の環境整備とともに、
沿道との一体化に配慮したまちづくりを進めて参ります。

また耐震化補助や消防団支援などの区の施策は、
特定整備路線の整備と合わせ、今後も続けて参ります。

 ご理解とご協力の程、よろしくお願いいたします。


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この回答は、当方の意見に対して
通り一遍のはぐらかし意見を述べているだけで
回答になっていません。

以下にその評価をいたします。

1.交通の円滑化について
回答では、以下のことを言うとしています。
1)緊急車両の通過を可能とする十分な幅員の確保
2)電線地中化等のバリアフリーの整備
3)避難路としての機能

まず1)について
現在の4メートル道路でも緊急車両は通行可能です。
しかもこの地域は碁盤目のように
4メートル道路が張り巡らされています。

右左折の際に多少時間がかかるかもしれませんが、
どこにでも到達できるようになっています。

20メートル道路ができると、
その間だけは早く走れるかもしれませんが
現場に行くには旧来の4メートル道路を利用することになり、
右左折問題は同じです。

ほんの一部の改善に600億円を投ずる理由とはなりません。

2)について
地中線は太い道路の場合、共同講を作ってそこに
すべての現在地上に貼りめぐらされている電線類を収める
のですが、
その道路沿いが地中線化の対象になるだけです。
従来道路では何も変わりません。

太い道路を作る場合には、
その際地中線化をするのであって
地中線化のために太い道路を作るのではありません。
これは本末転倒の意見です。

今の4メートル道路は完全バリアフリーです。
バリアフリーは太い道路を作る理由にはまったくなりません。

3)避難路としての機能
これは私の最初の問題提起にも書きましたように、
この地域は避難先が近くに十分あります。
何もその道路を使って避難する必要はありません。

「補助29号線付近には狭隘な道路が多く、
防災上の観点からも、
十分な幅を持った避難路として、
安全で快適な歩行空間の確保が必要です。」

この文章は何を言っていますか。
「狭隘な道路が多い」から、「十分な幅を持った避難路」
が必要と言っているのですか?

これは狭い道路は広い方がよい
という一般論を述べているにすぎません。

現実論では、私が上の3)で述べたとおりです。

さらにこの文章の後段で
避難路として「安全で快適な歩行空間の確保が必要」
というのはおかしくないですか?

避難路が「快適」ということはないでしょう!!
支離滅裂です。

2.地域コミュニティの分断回避
「分断がもたらされることのないよう歩車道の環境整備とともに
沿道との一体化に配慮した街づくりを進めてまいります」

歩車道を整備しても
多くの前例を見るまでもなく
20メートル道路の対岸は別世界になります。
「川向う」なのです。
そんなことはすぐ分かることでしょうが!

「沿道との一体化に配慮した街づくり」が
どういうものか分かりませんが、
これは行政の施策だけでできるものではありません。

ごまかしを言っているにすぎません。

3.耐震化補助や消防団支援など
これらに対する区の施策は今後も続ける、ということですが、
それと本論との関係が述べられていませんので、
何の足しにもなりません。

4.延焼遮断帯としての機能
「木造建物が密集した地域が広く分布し」
「延焼遮断帯として必要である」としています。

延焼防止対策が必要なことは認められます。
「交通の円滑化」などと抱き合わせるので、
検討がおかしくなるのです。

「交通の円滑化」は必要ないとなった時に、
類焼防止対策としては何が有効かということを
費用対効果を考えて検討すべきです。

地域消防機能(消防団と地下貯水槽)の強化とか、
「地震が来たらすぐに火器を止める」ことの徹底などの
ソフト面の対策の方が有効ではないですか。

道路というハード面に依存する考えは古すぎます。
古い頭の行政が
古い頭の業者とつるんでの対策としか思えません。

この回答の根幹に見え隠れするのは、
「決めたことだからやる」お役所発想です。
住民無視のとんでもない考えです。

おそらく反対しても
行政側はごり押しで通すのでしょうね。

そんな行政だから
行政の抜本的改革、「根幹から作りなおす」(橋下大阪市長 )
が必要なのです。

1 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

市民の声が届くことを祈念します。