【このテーマの目的・ねらい】
目的:
ボーイング787の過去の悪行を暴く。
納期を守ることにシビアそうな米国の会社でも
案外いい加減だという事例を思いだしていただく。
競争優位の価値目標条件「早い、うまい、安い」
の事例を知っていただく。
今回のトラブルの行く末に関心を持っていただく。
ねらい:
今回のトラブルの結末から何かを学んでいただく。
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ボーイング787がトラブルを多発して、
日米の監督官庁から運航停止命令を受けてしまいました。
原因は、リチウムイオン電池方式のバッテリだということです。
この787は、現時点では全日空と日航が大半の購入利用者です。
このバッテリの製造者は日本のGSユアサ社だというので、
まさにひとごとではありません。
全日空・日航とも代替機の手当ては不能ということですから、
かなりの営業収入減になります。
この損失を保険で賄えずボーイング社が負担することになれば、
原因次第では,GSユアサの存亡にも関わりかねません。
原因調査は「長期化の恐れ」と報じられていました。
その後、追加報道がないので「調査中」ということなのでしょう。
ところで、この787は曰くつきなのです。
ボーイング社は2003年に次世代機種の発表をして、
欧州のエアバス社と受注競争を繰り広げました。
その勝者はボーイング社でした。
燃費の経済性もあったと思いますが、
短納期もウリでした。
日本の三菱重工、川崎重工、富士重工の3社が、
機体のかなりの部分を分担製造していますj。
日本で製造した機体のコンポーネントを運ぶ
専用飛行機を作って、
それでアメリカに持っていって組み立てるということをしました。
そこまで納期短縮をするのか、と感心しました。
そこで、システム企画研修㈱が実施する研修で
以下のように利用していました。
「早い、うまい、安い」が、お客様の望む競争優位条件です。
このご時世では早いが一番です」と述べ、
その事例としてこの787の例を話していたのです。
ところがです。
全日空への第1号機の引き渡しは2008年5月のはずが
なんと7回も納期変更して2011年9月になりました。
納期遅延による全日空の損失は
かなりのものだったのではないかと思われます。
ペナルティ要求はどうなったのでしょうか。
私の知る限りその報道はなされませんでした。
最初から「受注してしまえばこっちのもの」という考えで
ボーイング社が動いていたとは思いたくないですが、
エアバス社としてはさぞや腹立たしい思いをしたことでしょうね。
そう言えばシステム業界の開発のコンペでも
受注してから、条件変更をしているケースもよく聞きます。
「受注してしまえばこちらのもの」
という考えは止めてほしいものです。
それには発注者側の評価能力も必要です。
そうして今回の件です。
航空会社が
製造会社に大きなクレームをしている様子はありません。
何か怪しい関係の業界ですね。
3 件のコメント:
いわゆる「buy-in」戦術ですね。IT調達でもよく見られました。
電池自体に欠陥があったのか、それとつないだ電気系統の問題なのか、今後とも注目していきたいですね。ひょっとしてGSユアサ社
が倒産、などという事態はあるのでしょうか。
この問題については、私は、某紙に載っていた航空業界に詳しいという識者の「営業飛行を続ける中で初期不良を解消していくものなのですがね云々」という言葉が気にかかってならなりません。
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