2011年8月29日月曜日

「日本経済が何をやってもダメな本当の理由」??ユーグレナ頑張れ!

櫨 浩一さんというニッセイ基礎研究所研究理事が
書かれたこの本を読んでみました。

この方は、東大の理学系大学院修士課程を80年に出て
経済企画庁、国土庁、内閣官房などを経て
90年に現在の研究所に入られた異色の人材です。

この本は6月10日に出たのですが、
題名がセンセーショナルなせいもあってか、
しばらく売り切れ状態でした。

ようやく最近入手して読んでみました。

結論は、
この20年間の日本経済の停滞原因は、
生産等の供給力に対する需要(消費)不足ではなく、
消費者が本当に欲しいものが供給されない
供給不足である、

その代表例は、医療、介護、保育などである、
これらは内需型のサービスであり、
これらをどうすれば国民が望む形で拡大できるかを
検討すべきである。
製造業の輸出拡大のみにあくせくするな、
という主張のようです。

こういうサービスが
これからの高齢化社会では重要だということは、
ほぼ日本中の常識になっているかと思います。

それがきちんとできなかったことが日本の停滞原因で、
日本の製造業の競争力が落ちたことが
日本の停滞原因ではない、
というところに主張の意義があるのでしょう。

しかし、腑に落ちない所があります。
国際収支は、どこかの国が黒字になれば、
どこかの国は赤字になる、
これはゼロサム(合計すれば0)という至極当たり前の論理である、
赤字の国は引き締めにかかるので、
いつまでも黒字を続けるわけにはいかない、
という説明があります。
他でもゼロサムの思考法がたびたび登場します。

そうでしょうか。
静的に見ればそうかもしれませんが、
現在内モンゴルでは石炭の採掘が盛んです。
そのために掘削機械を輸入します。
これは国際収支の赤字原因になりますが、
採れた石炭を輸出すれば黒字になります。

輸入国が輸入品を浪費に費やしてしまえば
将来の見返りは期待できませんが、
古典経済学で言うところの、このような
産業革命以来の「迂回生産の原理」を実現すれば、
全体のパイが大きくなる成長発展が可能です。
これは経済学の常識です。

ゼロサム原理はいただけません。

それはともかくとして、
日本が高齢化先進国として、
医療・介護分野の産業を強化して
国内需要を満たすとともに、
輸出産業にもなっていけば、
櫨 浩一さんの主張にも合うのではないでしょうか。

その代表例が、
先日もご紹介したユーグレナです。
ユーグレナは製品名であると同時にその製品の供給元である
会社名でもあります。

ユーグレナは、
驚異的な栄養成分構成を持つサプリメントで、
特に高齢者や慢性病で悩んでいる方に
卓効があるようです。

ユーグレナ社は、
製品ユーグレナを開発した東大発ベンチャー第1号です。
2005年創業ですが、
すでに60社近くが販売者になっています。
売上も150億円になっているようですから、
頼もしい日本発ビジネスです。

今のところ製法特許は取っていませんが、
逆に製法が漏れることもなく、
近隣のコピー大国に真似されることもないそうです。

素晴らしいビジネスモデルです。

GoogleやFaebookのような
大企業に成長してほしいものです。
頑張れユーグレナ!!

 http://www.euglena.jp/

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