2011年8月17日水曜日

アメリカの目的思考、合目的主義

8月5日の当ブログ「無条件降伏について」で
我が敬愛する茂木弘道氏の論を
ご紹介しました。

それを受けて私の意見を整理してみました。
私は反米でも親米でもありません。
アメリカは「そういう国である」という前提で
その認識を根底に持って付き合えばよいのです。

では「そういう国である」とはどういうことかを
開陳させていただきます。

アメリカはアメリカのためにすべてを行っているのです。
誰しも自分第一、自国第一だと思いますが、
アメリカは自国第一が
最も徹底している国だと認識すべきです。

いくつかの例でアメリカの行動原理を再確認しましょう、
原爆の使用  
 従軍していない一般市民を攻撃対象にしてはいけない
 という国際法違反です。
 
 これからすると、
 軍事施設ではない住宅地域を「大空襲」するのだって
 国際法違反なのです。

 アメリカは国際法よりも、
 早く戦争を終結させる、
 これ以上自国軍隊の被害を拡大させない
 という目的を優先させたのです。

ポツダム宣言の反故化
 ポツダム宣言は1945年7月26日に米英中3国が作成し、
 日本は8月14日にその宣言内容を受諾しました。
 
 しかし、その後の占領軍は、
 ポツダム宣言の公平性を無視して
 強圧的な占領政策を遂行したことはご承知のとおりです。

 これも、ひょっとして日本が復活して
 再び米国に敵対してきたら大変だという恐怖心から、
 つまり自国を守るという目的から
 ポツダム宣言の内容を反故にしたのです。
 
③日米安保条約締結
 当然、これは日本のために
 日本を守ることが目的ではありません。
 ソ連との冷戦の前線基地として意義があったからです。
 自国が冷戦に勝つという目的からの手段です。

④日本の軍事的価値軽視
 ソ連が崩壊して、日本の軍事的価値は低下しました。
 米軍基地の再編成も行われました。
 グアムへの引き揚げなども検討されました。
 日本のことを考えてのことではありません。

⑤日本の軍事的価値見直し 
 ところが、ソ連に代わって中国が脅威になりました。
 日本の軍事的価値は向上します。
 アメリカが世界で負けない目的のための戦略です。

⑥自由主義経済  
 自分たちのビジネスの発展につながるからです。

保護貿易の反対
 これもそうです。

⑧民主主義の普及 
 自分たちに都合のよい価値観の土俵作りのためです。

すべて、アメリカという国の存続発展強化のためという
目的で貫かれています。

致知2011年6月号で、
田母神俊雄さんがこう言っていました。

「アメリカという国は、
自分の国益で敵味方がどんどん変わっていくんですね。
第2次世界大戦の時は日本やドイツは敵で、
ソ連、中国は味方です。

終戦後は日本、ドイツが同盟国となって、
ソ連や中国は敵になります。

そして、冷戦構造が終わり、
1991年のアメリカの戦略計画書には
「これからアメリカにとっての敵は
ソ連の軍事的脅威ではなく、
日本とドイツの経済的脅威だ」
と書き込まれました。
これでまた、同盟国から敵になったわけです。
(その政策のせいで、それから20年間
世界のGDPが2倍になっているときに
日本のGDPはまったく伸びていない)」
正に、目的重視で、
目的のためには手段を選ばないのです。

一番基になる目的のためには、
国際法であろうが、ポツダム宣言であろうが
目的の大義の前に影が薄くなってしまいます。

米国民が血も涙もない非人道的人種だから
原爆を使用したということではないでしょう。

しかし、これ以上自国軍の犠牲者を出したくないという
目的からやったことで
原爆投下を正当化する大義はまったくありません。
広島長崎合わせて30万人が犠牲になっているのです。

このように極端なアメリカの目的思考は
建国の背景に裏付けられています。

人種・宗教・思想・知的レベルの異なる移民が
押し寄せてきて共同で何かをするのです。
歴史とか伝統はまったく存在しません。

自分たちの行動に都合のよいルールを決めて
臨むしかないのです。
自分たちの身の安全を守るために必要だ、となれば
お互いにお金を出して保安官や用心棒を雇いました。

バックグラウンドが異なる人びとが
一緒に何かをするとなれば、
それを束ねるのは共通の目的しかないのです。
目的に人が付いていくという文化です。

それに引き換え日本の国民性は、
その正反対です。
歴史と伝統がありますから

どうしても何かを守ろうという発想が強いのです。

因みに、目的重視か伝統重視かという軸で
国民の思考法を見ると、
アメリカが最右翼、日本が最左翼
(左右はどちらでもよい)
ヨーロッパは中間です。
ヨーロッパにも伝統があります。
この観点では「欧米」と一くくりにするのは
間違いです。

今回の大震災で、
住民たちが暴動や略奪を起こさないで
粛々と現状を受け入れていると
世界から称賛を受けましたが、
「今食べ物を得る」目的よりも
「これまでの生活圏を維持する」
という目的意識が強い結果なのです。

日本で最も伝統を守っている東北だから
こうだったので、
東京が今回のような被害を受けていたら
あのようにはいかなかったでしょう。
暴動略奪もあったでしょうね。

ところで、
一般に言われるプロジェクトの定義は
こうなっています。
 達成すべき明確な目的がある。
 期限が切られている。
 そのための資源がアサインされる。

アメリカという国は、建国の初めから
あらゆることが目的重視で、
プロジェクト的に動く国だったのです。
「目的のために何かをする」という発想は
自然に身についているし、
周りに成功例も多数あります。

「新規事業を起こす」は
プロジェクトで彼らにとっては日常茶飯事です。
こういう国と闘うのですから、
日本のビジネス界はたいへんです。

強いリーダが引っ張らなければ負けてしまいます。
今の日本の産業界はそういう状態ですね。

今回の大震災から復興するのも
一大プロジェクトです。
優れたリーダでなければ全うできません。
特定の社会集団の利益を守ろう
などという政党にはとても無理な難事業でしょう。

誰ならできるのでしょうか?
日本の産業界で成功した革新的なリーダに
お願いしたいものです。

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