2010年4月29日木曜日

配偶者殺人、殺人事件の状況

ある友人から教えてもらいました。
殺人では、配偶者に殺されるのが一番多いのだと。
えーっ!ですね。
親子など含めた家族全般ではないのか?と聞き返しましたが、
配偶者なのだそうです。

これは怖い話です。
そう言えば、保険金殺人など、時々新聞を賑わせています。
可愛さ余って憎さ百倍と言います。

そこでデータを調べてみました。
警察庁が出している犯罪白書「平成18年の犯罪情勢」です。
平成19年版も出ているようです。

それによると、こういうことでした。

平成18年の全殺人事件認知件数  1,309件
 被疑者と被害者の関係(以下は検挙件数)
  被害者が親   154件
      子    143件
      配偶者  179件
      兄弟    38件
      知人友人 290件
      職場関係  71件
      その他  114件
      面識なし 132件

私は知りませんでしたが、
殺人事件件数には、既遂だけでなく、未遂や
殺人を意図して準備をする殺人予備罪も含まれているようです。

このデータによると、配偶者は、親族の中ではトップということです。
確認しないで「配偶者がトップである」とお伝えしたら
間違ったことをお伝えすることになるところでした。

通り魔や強盗のような「面識なし」はそんなに多くないのですね。

殺人事件はこのくらいしかないから
ニュースになるのでしょう。
 
配偶者殺人の被害者の年代別のデータも出ていましたが、
64歳までが130人で減少傾向なのに、
65歳以上は49人で、増加ないしは横ばい傾向でした。
嘱託殺人などの気の毒なケースも多いのではないでしょうか。

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なお、日本の殺人事件率は先進国の中では、
アイルランドと並んで最も低いのだそうです
(Wikipediaによる)。

高い準で並べると(ICPO 2002年の調査)
 人口10万人当たりの発生件数
  ロシア    22.21    
  イギリス   18.51
  スイス    18.45
  アメリカ    5.61
  イタリア    3.75
  フランス    3.64
  オーストラリア 3.62
  ドイツ     3.08
  スウェーデン  1.87
  日本      1.10
イギリスやアメリカの順位が不思議ですね。

このWikipediaにこんなことが書いてありました。

「日本の殺人認知件数は毎年減少傾向にあり、
1958年(昭和33年)には2,683件だったが、
2009年には戦後最低の1,097件を記録した。
(上野注:社会が安定してきたのですね)」

「他の先進国に比べて低いとされる日本の殺人発生率は、
殺人発生率の増加を恐れる警察が、不審な死であっても
解剖に回さず自殺や事故にしたがるため、
殺人が見逃された結果であるという説がある」

たしかに、鳥取県で起きた元スナック従業員女性による
睡眠導入剤を使用した連続殺人事件は
発生時には事故死と認定されていました。

その中には、浅い川で溺れて死んでいたケースもありました。
これなどは、どう見てもおかしいですね。
前掲のような疑いが持たれても仕方のない面がありそうです。

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当社システム企画研修株式会社で実施している研修のモチーフの一つに
「問題とは(何か)」というのがあります。

答えは「目標または期待と現状の差」です。
ちなみに、この設問に対して正解を出す方は1割以下です。
分かっているようで的確に理解している方は多くないのです。

この設問での指導は、以下の内容です。

「目標がなければ問題はないのです。
目標をはっきりさせることが問題解決のスタートです。
目標を明確にしましょう。
問題意識を持ちなさいとよく言いますが、
正しくは目標意識を持ちなさい、です。
問題意識は後ろ向きです。
問題意識は必ずしも前向きの改善に結び付きません。
下手をすると「これはいかん。それはいかん」となって、
評論家になり、挙げ句の果ては「不平不満居士」となって
最後は窓際族です。
前向きの目標意識に切り替えましょう」

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少し脱線しました。
配偶者殺人はなぜ多いのか、に話を戻します。

「問題とは」のフレームで考えると、
相手に対する不満がある(問題意識がある)ということは、
相手に対する「こうあってほしい」という期待があるからです。

人間は個性の塊ですから、
自分の期待するようになるわけがないのです。
期待や要求が大きければ、不満も大きくなります。
毎日一緒にいるのですから、
そういう「期待・要求→不満→期待・要求→不満」という循環に入ると、
どんどんエスカレートしてしまうのです。

私は、先程の研修のときには、
「夫婦関係では、目標を下げなさい。
そうすれば問題はなくなります」
と申しあげています。
 
そのようなコントロールの効かない方が破局に至るのでしょうね。

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先日ある会で、佐々木毅氏(元東大学長)の講演を聞きました。
その中で氏はこういうことを言われました。
 
「評価には事実に基づく評価と、期待に対する評価がある。
事実は変えられないので、評価は限定される。
これからのことは不確定であり、期待に基づく評価が自由にできる」

これは、前回の衆議院選挙にからめて言われたのです。

自民党の状況は事実として見えて、これは駄目だと引導を渡した。
しかし民主党については、これからということで期待ができた。
それで多くの国民が民主党に期待票として投票したのである。

ところが段々に事実が出てくると、
国民も事実に基づく評価ができるようになった。
期待のベールが剥がれて支持率の急降下ということになったのだ、
というのです。(後半は私の解釈が混じっています)

これも「目標と現状の差」モデルで説明できますね。

1 件のコメント:

  1. ああ、そういう、日本では配偶者殺人とか家庭内殺人が多いというのは基本的に錯覚です。
    日本では「殺人事件の総数」という分母が圧倒的に少ないわけですから、
    外国と比べて家庭内殺人や配偶者殺人の割合が多いという比較は無意味なのわけです。
    下のURLを参考にしてください。

    http://pandaman.iza.ne.jp/blog/entry/515564/ http://pandaman.iza.ne.jp/blog/entry/515559/

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