2024年2月21日水曜日

仏教のカレンダーで教えと英語の勉強をしましょう!

【このテーマの目的・ねらい】
目的
 仏教のカレンダーで教えと英語の勉強をします。
ねらい
 何かを身につけたいですね。
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このカレンダーの表紙です。

今年も、近所のお寺の和尚様に
公益財団法人「仏教伝道協会」発行の
日めくりカレンダーをいただきました。

昨年に引き続いて、これを基に、
仏教の教えと英語の勉強をさせていただきました。

いろいろと改めての勉強になりました。

 

日本語

英語

上野コメント

1

一華を見て春を推せよ

(開目抄 日蓮の代表著作で五大部の一つ

Imagine the coming of spring by seeing a single flower.

「先を見なさい」という教えでしょうが、直訳です。

2

無常迅速

(景徳伝灯録 中国の禅宗史書の一つ

The world is rapidly changing.

 

無常迅速の主語を、worldと解釈しています。

3

人の違(たが)うを怒らざれ(17条憲法)

Do not resent the differences between you and someone else.

直訳です。

Resentは「憤慨する」

4

善の根を植えよう

(仏教聖典)

Cultivate the roots of virtue.

 

善をVirtue美徳として、説く相手の行動感を強くしています。

5

油断大敵

(ことわざ)

Overconfidence is the greatest enemy.

油断は自信過剰からくると明示しています。

Overconfidenceは「自信過剰」

6

草木国土悉皆成仏

(大乗玄論 中国隋代の仏教書

Even plants and soil can attain Buddhahood.

成仏をBuddhahood(悟りの境地)に達することができるという分かりやすい表現にしています。

 

7

 

欲をおさえしずめる

(仏教聖典)

Control and pacify your worldly desires.

原文の意図を解釈して、欲のすべてではなくWorldly(世俗的な)欲に限定しています。

Pacifyは「しずめる」

 

今なすべきことを努力してなせ

(中部経典  ブッダの教えの「経蔵」のひとつのお経が中くらいの長さのもの。

Do what needs to be done now.

 

「努力して」の修飾語は省略されていますが、Do whatで十分その意図は表現されています。

9

恩を思う心と慈悲の心

(仏教聖典)

Keep your heart filled with gratitude and compassion.

原文の名詞句だけを、その意図を解釈して、Keep your heartと命令形にしています。

Compassionは「哀れみ」

10

他人の過去を見るなかれ

(ウダーナヴァルガ   サンスクリット経典)

Do not look at other people’s pasts.

 

直訳ですが、見るはSeeの方がよいでしょう。look atは物理的に見るイメージの言葉です。

11

仏には色もなく形もない

(仏教聖典)

Buddhas have no shapes or colors.

原文は「色や形がない」と言っていますので、英訳は妥当です。モノの形状を示すのに形と色しかないのであれば、shapes and colorsとなるのでしょう。

12

心の垢を取り去る

(仏教聖典)

Remove the defilements of your mind.

原文の意図を組んで命令形にしています。

defilementsは「汚れ」

13

世の中は三日見ぬ間の桜かな(ことわざ)

The world changes as quickly as cherry blossoms falling in three days.

丁寧な英訳です。

その心は、英米人に分かるのでしょうか。

14

忍をもって鎧となす

(大智度論 大乗仏教の初期の論書の一つであり、大品般若経を逐条的に解釈した注釈書である

Wear the protective armor of forbearance.

鎧にprotective(保護用、防御用)の修飾語を付けて意図を明示していますが、ほぼ直訳の名訳です。

Armorは「鎧」

Forbearanceは「我慢」

15

苦は楽の種

(ことわざ)

Suffering can be a seed of happiness.

意図を組んだ名訳です。

16

人の悪きことはよくよく見ゆるなり

(蓮如上人一代記聞書)

We tend to see only the shortcomings of others.

よくよく見えるを、see onlyとしました。名案です。

Shortcomingsは「短所」

17

啐啄(そったく)同時

(碧巖録 中国の仏教書であり禅宗の語録)

Teachers and students should be in resonance with each other.

意図を解釈した分かりやすい訳です。名分にはなっていません。

Resonanceは反響・共鳴

18

怠らず張りつめず

(仏教聖典)

Don’t be too tight or too loose.

怠ってもいかん、張りつめてもいかん、といっているので、orでつないでいます。tooを入れているのは名案です。

19

遭い難くして今遭うことを得たり

(顕浄土真実教行証文類 6巻からなる浄土真宗の根本聖典

It is difficult to meet thebut now we have encountered him.

原文の意図も逢う相手はBuddhaなのでしょうが、それだとあまりこの句は一般に使えません。

相手が他の人の方がいいです。

encounterは遭遇する

20

常に相手を思いやる

(仏教聖典)

Always take care of people.

英訳は「相手」をpeople全般に広げています。訳者の心が広いのですね。

 20日の分に入っている写真です。他の日にもついています。


21

道は古今たがわず

(人となる道 江戸後期の仏教書

The path has not changed from the past to the present.

原文は「道」が何の道かは暗黙の了解で明示していないのを、英訳もそのままTheを付けて特定の道であることを示すだけです。名案です。

22

迷いの海を渡らせる

(仏教聖典)

Let cross over the ocean of delusion.

原文の「渡らせる」の意図がこれだけでは分からないのですが、英訳のような意味なのかもしれません。そうだとすれば、よい言葉ですね。

delusionは「欺き・空想」

23

一味和合

(性霊集 空海(弘法大師)の漢詩文集

Be together in harmony.

原文の意図は、この言葉だけでは分かりません。

一味和合は「僧の団結」を示す言葉のようです。英訳はそれを一般人の世界に広げています。

24

知足は第一の冨なり

(仏教聖典)

The greatest wealth is contentment with what we have.

知足は「足るを知る」ですから適切な英訳です。

Contentmentは満足

25

人の心もとより善悪なし

(正法眼蔵随聞記 禅僧で曹洞宗開祖道元禅師の2歳年長の弟子で、永平寺2世である孤雲懐奘が記した曹洞禅の語録書。

Originally there is no good or evil in people’s hearts.

ほぼ直訳です。心をheartsと訳していますが、善悪を考えるのならmindの方がよいのではないでしょうか。

26

落ちれば同じ谷川の水

(ことわざ)

Falling water becomes the same water in a river.

直訳ですが、「出自違えどみな平等」ということを言っているのでしょうか。

「富士の高嶺に降る雪も、京都先斗町に降る雪も、解けて流れりゃ皆同じ」と同じことを言っているのでしょう。

27

大いなるかな心や

(興禅護国論 鎌倉時代初期、日本に臨済宗を伝え広めた栄西による仏教書

Our mind is something great.

 

名訳です。

28

慢心を除く

(仏教聖典)

Eradicate the self-conceited mind.

直訳です。

Eradicateは「根絶する」

self-conceitedは「うぬぼれの強い」

29

会者定離

(遺教経ゆいきょうぎょうは釈尊が臨終に当たって、戒法を守り、早くさとりを開くべきことを説いた情景を描く経典

Every meeting ends in parting.

原文の意図を表現しています。「会うは別れの始まり」です。

Partingは別れ

30

偏見を離れよう(仏教聖典)

Keep away from prejudice.

原文が文章になっていますので、そのままを訳しています。

Prejudiceは偏見

31

他人の得たものを羨むな

(法句経 釈尊が語った四二三編の詩句を、二世紀のインドの仏教学者が選集したもので、釈尊のことばが比較的原初的な形で伝承された経典

Do not envy what other people have.

原文は「得たもの」となっているので、haveでななくgetとすべきです。これは誤訳です。

 


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