目的:
以下を認識していただきます。
料理には1次加工と2次加工があること
和食の優秀性・特長
和食の異なる2面性
ねらい:
そういう目で食事を見直してみましょうか。
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そういう目で食事を見直してみましょうか。
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料理研究家土井善春氏の講演記録の抜粋です。
(論旨展開は上野が組み換えています)
1.料理の重要性
生食は、消化に多大なエネルギーと時間を要していた。
それが火を用いて料理するようになると、
消化の負担を大幅に削減した。
その余ったエネルギーが大脳の発達に回った。
(ハーバード大学リチャード・ランガム博士
「火の賜物-ヒト料理で進化した」)
余裕時間も生まれ余暇も生まれた。
(上野意見:余暇の前に信仰が生まれたのではないでしょうか)
2.料理の基本
料理には、一次加工(食べられるようにすること)
と二次加工(味付け)がある。
と二次加工(味付け)がある。
一次加工では食材の選択が重要である。
味付けについては個性がある。
料理を作る人の感性と食べる人の好みである。
昔の家庭料理には味付けがなかった。
卓上に置かれた醬油や塩で各自が味をつけて食べた。
和食が2013年にユネスコの無形文化遺産になったのは
「日本の家庭料理が評価された」のです。
評価ポイントは、次の点でした。
「年中行事との密接な関り」
「自然の美しさや季節の移ろいの表現」(後掲)
「健康的な食生活」
4.和食の特徴
1)食材を尊重する。
すべてのものに神が宿っているという「八百万信仰」から
食材にも神が宿っていますので、
それに触れるには手を洗い清めました。
結果的に衛生が徹底し、安心して刺身なども食べられるのです。
2)素材の持ち味を生かすために和食は油を使用しない。
油と食材の間に幕ができて、
素材の味や匂いが感じられなくなるからです。
3)食材は混ぜることはなく「和える」
食材は自然の産物です。
この個性をのそのまま感じ取るべきなのです。
したがって、ごちゃごちゃに混ぜることはしないのです。
余計な加工を避けます。
4)和食にはレシピはない。
食材と調理法があるだけで料理の名前さえありません。
その土地の旬の食材は決まっています。
人間が献立を決めなくても、自然の摂理によって
その場に相応しい食材と調理法が決まっていたのです。
5.「自然の美しさや季節の移ろいの表現」
日本人は昔から自然と共存してきました。
料理をしようとしたらその季節の食材を選びます。
その食材は、初物、盛り物、食べ納めと移り変わります。
それぞれの味わいは異なり、それで季節の変化も感じ取ります。
6.ハレとケの区別
和食には、ハレとケの区別があります。
日本料理と家庭料理の違いです。
1)ハレの料理
ハレの料理は、人間が神様のために手をかけて作る料理です。徹底してアクを抜き、白くして、きれいにします
栄養価などは無視して、色、姿、味をただ清らかなものにするのです。
たとえば、筍は何時間も湯がき、一晩以上水に晒してアクを抜き、
濃い出し汁を含ませる。芯まで出し汁の味に変えます。
これの延長上に料亭の日本料理があります。
2)ケの料理
2)ケの料理
ケの料理は、日常の家族のための家庭料理です。
素材の持ち味を生かします。
筍であれば、1時間ほど湯がいてさっと出し汁で煮る、
それを味噌などをつけていただきます。
根や皮も捨てずに丸ごといただきます。
家庭料理では、食べる人の健康状態などの状況も考えて作ります。
料亭ではそういうことは基本的にはありません。
3)昔のケの料理
昔の家庭料理は一汁一菜(汁飯香)でした。
漬物は発酵食品なので人間の手で美味しくもまずくもできません。
(上野疑問:このコメントの意義な何か?
美味しい漬物があるではないですか。みその違いや塩加減がある)
この一汁一菜は自然の摂理に適うので、
毎日繰り返しても飽きることなく、
自然と人間が重なり合う心地よい感覚や、
身体が浄化される感覚を得られます。
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