2018年8月18日土曜日

「業務の分かるSE」って??

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 「業務の分かるSE」について知っていただきます。
 その能力強化方法について知っていただきます。
ねらい:
 引き続きご研究ください。
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今、「業務の分かるSE」が強く求められています。
SEとはシステムエンジニアのことで、
システムの設計をする人です。


システムの対象はいろいろあって、
プラントなどの設備の自動制御のシステムもあれば、
交通網の制御システムもあります。


量的に多いのは、ビジネスの情報システムで、
最近はエンタプライズ系システムと言ったりしているものです。


この場合は対象がビジネスですから、
対象の業務がよく分からないと、いいシステムが設計できません。
ですから、優秀なビジネス系SEは、業務が分からないといけないのです。


現実には、ビジネス業務を経験しているSEはほとんどいませんから、
「業務の分かるSEが必要である」と言われてしまうのです。


最近はさらに「業務の分かるSE」の必要性が高まっています。
それは、ビジネスのデジタル化ーー
デジタルトランスフォーメーションと言われていますーーからの要請です。


AIやIoT,ビッグデータ、SNS、スマホなどのモバイル、クラウドなどの
新しいITの技術を使ってビジネスを変えていく動きのことです。


この技術を取り込んで、自社のビジネスを変えていく構想を立てるには
やはり業務が分からないとダメなのです。
したがって現在は、構想を立てるのはシステムではなく業務の人間です。


しかしこの人たちは技術に強くありません。
技術に強いシステム側の人間が、
業務が分かって構想に参画してくれるとよい、ということになるのです。


そこで、もともと経理出身で「業務の分かるSE」であった私が、
「業務の分かるSE」の育成法を整理してみました。


こういうことになりました。
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そもそも「業務が分かる」とは何でしょうか。
単に業務知識があることではありません。 
そうではなくて、業務の担当者とのやり取りを通じて、


「システム利用者のシステムニーズを的確に把握することができること」

が、業務の分かるSEに期待されていることです。


その能力を分解するとこうなります。



 
 ・システム利用者と対話ができること  
 ・システム利用者の言っている言葉とその背景が分かること

 ・システム利用者の意図が分かること

 ・システム利用者の真のニーズを引き出すことができること

 ・それを的確に整理することができること

 

 そのために必要な能力はこうなります。






必要な目的能力

必要な手段能力

1)システム利用者と対話ができる

 

インタビュ能力

2)システム利用者の言っている言葉とその背景が分かる

一般的業務知識

 

対象業務の知識 

3)システム利用者の意図が分かる

 

対象業務の知識

業務体系・業務プロセスの理解

4)システム利用者の真のニーズを引き出すことができる

業務体系・業務プロセスの理解

「目的・ねらい」の探求手法

5)それを的確に整理することができる

「目的・ねらい」の整理手法
必要な手段能力の具体的な習得方法(研修等)について分析し、
従来の研修を多少アレンジして、
その育成体系を作り上げました。

例えば、一般的業務知識」獲得方法は、
「SE知識データベース」の自習です。
「SE知識データベース」は、システム企画研修株式会社が
これまでに開発したもので、以下のようなものです。

(1)SE知識データベースの内容


業務基礎知識の領域

説明

例示

(1)経営機能に関する基礎知識

経営の基本問題に対する視点を持っている必要があります。

責任と権限の問題点

権限委譲の本質

組織連携の重要性

(2)経営組織に関する基礎知識

組織編成方法によって、対象組織の機能が制約を受けます。

組織階層の必要性と問題点

社外取締役の長所・短所

カンパニ制の長所・短所

(3)会計知識に関する基礎知識

情報処理にとってデータの根幹をなす会計知識は必須です。

仕訳

取引記録

国際財務報告基準(IFRS)

(4)業務領域に関する基礎知識

生産・営業等の各業務の本質を理解しておく必要があります。

経営企画

総務

資金・財務

(5)業種に関する基礎知識

相手企業の業種の状況を知っておく必要があります。

量産型製造業

卸売

銀行

(6)マネジメント手法に関する基礎知識

例示のような手法等も情報処理の前提条件となります。

ISO9000

BPO

ISMS

(7)一般的法・規制に関する基礎知識

労働関係法規、個人情報保護法等、情報処理の前提条件です。

不正競争防止法

労働基準法の規制

個人情報保護法
 
(2)SE知識データベースの例示

「対象業務の知識」は、整理フレームを用意しておいて、
情報が得られたつど、そこに収録していくのですが、
それ以外の手段能力の獲得は以下の研修によります。

インタビュ手法研修(自習を含む)
業務分析手法研修(自習を含む)
目的・ねらい探求手法研修(自習を含む)

ご関心ある方は、まずはこれをご覧ください。

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