2018年4月23日月曜日

日本の労働生産性が低いわけ、やはりそうでした

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 日本の労働生産性の低い理由を再考します。
 高める有望な方法はないようです。


ねらい:
 何とかしなければなりませんね。
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私は「『なぜ、残業はなくならないのか 
 なぜ日本の労働生産性は低いのか?
それぞれが労働生産性を高めましょう! 」等で、
以下のように日本の労働生産性が低い原因は、
サービス産業従事者と中小企業製造業従事者が多いことだと
主張してきました。


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私の見るところでは日本の労働生産性が低い原因は、
分母よりむしろ分子つまり稼ぎの方にあるのです。

儲かる産業が少ないということです。

米国の金融業/IT産業を見てください。
労働生産性世界一のルクセンブルグも金融で稼いでいるのです。

日本の労働者が従事している産業は、
サービス業ーーー超過当競争で儲かりません、
製造業-ーー中小企業が多く儲かりません。

労働者の働き方が悪いのではなく、
儲かる産業に従事している者が少ないことが、
日本の労働生産性が低い原因なのです。
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日経新聞4月8日号に以下のような記事が載っていました。

生産性高まらぬ雇用増ーー低賃金のサービス業集中

内閣府の国民経済計算年次推計によると、
2012年から16年までに就業者は168万人増、
増えた労働者の94%分は65歳以上、82%は女性。

製造業は28万人減。
製造業・建設業から付加価値の低いサービス業への
労働力シフトが起きている。

厚生労働省の賃金構造基本統計調査から年収を推計すると、
製造業は平均503万円
宿泊・飲食業は349万円
介護は348万円、である。
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ということなのです。

つまり、もともと家族経営等で
付加価値の低い事業の従事者が多かったところに
追い打ちをかけて、付加価値の低い方に労働力がシフトして
日本の労働生産性は低くなっている、のです。

ではどうすれば、日本の労働生産性は上がるのでしょうか。

サービス業の生産性を上げるには、
介護などのサービスの対価を上げることが一番ですが、
支払う側の能力からしてそれは無理でしょう。


国の補助を増やせば見かけの生産性は高まりますが、
限界があるでしょう。

中小商店や製造業の対価を高めることも無理でしょう。

残念ですが、高齢化等によって
これらのサービス提供者が市場から退出していくことしか
低生産性労働を削減する方法はないようです。

現にそのことはどんどん起きてきています。
中小小売店は、コンビニやECの影響で廃業が進んでいます。
私の近所の商店街も、この30年ほどで半分になっています。

農業もそうでしょう。
現在の農業従事者の平均年齢は2016年で66.8歳です。
こうなった責任は置いておいて、
間もなく従来型の農業従事者はほとんどいなくなる状況です。

低生産性業務従事者の市場からの退出以外に
労働生産性向上策はないのでしょうか?

それは、上記の労働生産性の低い方向への労働力移動ではなく、
逆の労働生産性の高い方向への労働力移動を実現することです。

当ブログでも、2012年4月23日に”これは凄い!「成熟日本への進路」”
(2010年著)でご紹介したように、その著者波頭亮氏は、
当時日本が強い有望な産業として以下を挙げておられました。


1.太陽光発電
2、原子力発電
3.水処理技術
4.EV


たった6年しか経っていませんが、
1.は中国にやられてしまって儲からない産業になってしまい、
2.は皮肉なことに
  当書の出版直後に福島原発事故が起きて状況がさま変わり、
4.も日本勢安泰ではありません。

なかなか一筋縄ではいきませんね。


別項で波頭さんの最近の著書をご紹介していますが、
産業論はありません。
波頭さんに今時点でこのテーマを論じてほしいと思います。


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