【このテーマの目的・ねらい】
目的:
ビジネスライフ成功の秘訣の解説書があることを
知っていただきます。
これだけのことを書ける個人がいるものだということを
知っていただきます。
ねらい:
まだビジネスライフで昇りたい方はぜひ本書をお読みください。
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これは、松本利明氏の著書名です。
日経新聞の書評ではなく、新聞の広告を見て購入しました。
受け狙いのタイトルで、
「どうせいい加減な内容だろう。
でも我々が推奨する価値目標では「はやい」が一番なので、
どんなことを言っているのか見てみよう」
と思って買ってみたのです。
ところがビックリ!
氏の主張は、5章56項目に亘っているのですが、
ほとんどどの一つをとっても、非常に本質を突いたことが述べられています。
松本氏は、外資系コンサル会社のいくつかを経験されています。
年齢不詳ですが、
ビジネスライフの限られた年数でこれだけの真理を掴むのは
並大抵ではないと脱帽です。
56項目の中から、
多くのかたに有効であろうと思われる一つをご紹介します。
43 仕事のできない3タイプにはこう対応する
横の根回しで一番のポイントは、
全体の中でやり直しが発生しそうな人を特定し、
抑え込むことです。
どんな仕事でも1人で完結するものはごくわずか。
あなたの仕事が完璧でも、
その前か後の工程で差し戻しになると、仕事は滞ります。
「仕事のできない人」は必ずいます。
避けては通れません。
この仕事のできない人はいつも同じパターンでミスを繰り返します。
でも大丈夫。
仕事のできないタイプは3種類しかなく(上野注:この看破はスゴイ!)、
それに応じた対応をすればいいのです。
①そもそも仕事が遅い(自分の作業スピード、段取りが悪くいつも遅れる)
②抱え込んで自爆する(仕事の目的とゴールを確認せず、質問せず抱え込む)
③間違えても気にしない(細かい確認に興味がなく、間違えたまま仕事を進める)
大前提として、仕事ができない人には決定的な特徴が一つだけあります。
「プライドは高いが、自分に自信がなく、ガラスのハートを持っている」
ガラスのハートだから報告・相談ができず、
自分のミスを認められません。
自分は悪くない、指示が悪いなど人のせいにします。
加えて、もっとほめてほしい、認めてほしいと思っているのです。
そのため、仕事のできない人を責めるのは逆効果と言えます。
「よくがんばっているね」と存在を認めてあげることが先決なのです。
そうすると、味方と思ってくれますし、心理的な抵抗を抑えられます。
仕事のできない人には「細かいフィードバック」ではなく、
仕事を進めるプロセスと声かけを工夫することで、
やり直しを抑え込みましょう。
ツールやフォーマットを用意し、指示の仕方を変え、
相手が細かくチェックをせざるをえないようにするのです。
ポイントは、「苦手なことは相手の頭で考えさせない」です。
3つのタイプ別に見ていきましょう。
①そもそも仕事が遅い
このタイプは自分なりに仕事を一生懸命やっているので、
「仕事ができない」という自覚がありません。
むしろ
「ちゃんとやっています。夜中まで頑張っているんです。
ほめてください」と思っています。
自分で考えさせたり、工夫させたりしようとするのはムダです。
ツールやフォーマットに沿って作業を指示します。
任せて後で大きな損害を被るより
入り口で抑え込むのが一番。
このタイプは
オペレーションに正しく乗って作業をすることは得意なので
作業に徹すればハイパフォーマーに化けることもあります。
②抱え込んで自爆する
このタイプは理解できたかどうか相手の口で言ってもらうことです。
「分かった」と言っても、
自分の口で話させると何を理解しているかが浮き彫りになるので、
要所の確認ができます。
③間違えても気にしない
このタイプは一番簡単です。
仕事を任せ、確認するプロセスを細かくすればよいのです。
自分では間違えた自覚がないので、放置するとドンドン進めてしまいます。
このタイプは自分のペースで進めることが好きなので
「間違える可能性があるから細かくチェックする」
と伝えるとかえって報告しません。
ですから「重要なことだから教えてほしい」と言って
相手が喜んで報告するように仕向けるのです。
いずれにしても
「仕事のできない人には期待しないが、バカにもしない」
というスタンスで接することです。
がんばっていると感じられるところを認めながら、
確認するプロセスを細かくしていくことが最善です。
「できない人」ではなく「成長途中の人」と割り切りましょう。
これは他部署の人でも同様です。
「部署間を越えた確認プロセスを設定する」
「考えずに、作業に集中できるツールを渡す」
などで、被害は最小限に抑えられます。
できない人たちの反乱に注意!
一番怖いのは仕事ができない人の反乱です。
重大なミスを抱え込んで大爆発させたり、
パワハラ、メンタル問題で会社を訴えてきたり、
外部に社内情報をリークするなど、
自爆テロを仕掛けてくる人を私は数多く見てきました。
人は感情の動物です。
相手のレベルと心理状態に合わせた大人の対応が、
最終的にあなたの仕事をラクして速く進めることにつながります。
「性善説で接し、性悪説で細かく確認し、性弱説で包み込む」
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(上野) この項は、全面的に同意します。
こういう人たちに
うまく仕事をしてもらうのは本当にたいへんなことです。
他の項目にどんなものがあるかご紹介しましょう。
まだこれから上を目指す方は参考になさるとよいと思います。
第1章 一発で決める
01 「長い1回」ではなく、「短い10回」をスピーディに
02 100点を目指すより[60点の出来」で突っ込ませる
03 ロジカルに話すより、「重要なことは何ですか?」と聞く
04 報連相でばなく「ソラ、アメ、カサ」で確認する
07 論理的に分析するより、逆張りで考える
第2章 スパッと割り切る
14 「やりたい仕事」を捨て、「勝てる仕事」に注力する
15 仕事は「緊急度」より「成果が出る」を優先
16 60分を超える会議には出席せず、重要アポを入れて堂々と出ていく
17 うまくやるコツより、「普通の人と一番違うポイント」をきく
19 一生懸命やるより、先にしっかりゴールを描く
20 「落としどころ」よりもあえて「理想の姿」を追い求める
21 仕事の依頼時は「作業」より「作戦」を伝える
22 「形容詞・動詞」より[名詞・数字]をどんどん使う。
第3章 抱え込まない
26 苦手な仕事より、得意な仕事を人に振る
27 どんなにイヤな仕事でも、まず「分かりました」と言う
30 昇る人は仕事一筋ではなく、ムダを愛する
33 「水戸黄門作戦」で上司の横やりに対処する
34 打合せはメモよりホワイトボードにまとめる
第4章 組織の「壁」を利用する
36 「壁」を壊すより、安全地帯として利用する
39 根回しはccメールではなく、直接送る
40 仕事は「巻き込み」より「共通の敵探し」でうまくいく
41 「これでよろしいでしょうか?」より
「こうしましょう!」とはっきり言う
42 根回しは「縦」だけでなく「横」もある
第5章 自分でできるようになる
47 実力より先に「できる人」という認知をつくる
48 実績を積み上げる前に、「虎の威」を借りる
49 やさしい人ではなく、気難しい人をメンターにする
52 月曜ではなく、水曜の昼にスケジュールを練る
53 上司に確認する前に、「SL理論」を思い出す
54 教わるのではなく、モノマネをする
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最後に一言、どの提言も素晴らしいのですが、
再々「6000人の幹部を見てきた」という表現が出てきます。
その実績がバックになっている、ということでしょうが、
反ってウソ臭く思えてしまいます。
20年としても年間300人です、
1日1人のペースです。
一度に何人にも接するということがるでしょうが
密度としては同じことです。
とてもそんなペースで
人の癖・個性を見抜くことはできないでしょう。
量より質です。
6000人をひけらかせなくても十分に説得力があります。
ご関心ある方はぜひ本書をお読みください。
必ずや成果が得られると思います。
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