2016年10月26日水曜日

「早い、うまい、安い」の変化

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 時代に相応した
  吉野家の訴求価値の変遷を知っていただきます。
 「早い、うまい、安い」が
  当社の研修で重要な役割を果たしていることを
  知っていただきます。
 
ねらい:
 「これは何のためにするのだろう?」と思うときには
 「早い、うまい、安い」で考えてみてください。
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2016年10月の日経新聞「私の履歴書」は
吉野家の安部修仁会長がご担当でした。


波乱万丈・毀誉褒貶の吉野家の歴史、特に、
品質にこだわり米国の特定スペックの牛肉でなければ使わないと
一時は牛丼をやめていたことなどが
あらためてご本人の口から興味深く描かれていました。
(私はもともと吉野家ファンです)

その中にこういう記述がありました。

「外食デフレ一段と」「モーレツ低価格競争」と騒がれた
2001年夏に始めた並盛280円時代について、こう書かれています。

消費が極度に冷え込み、大衆の感覚に答える必要があったから、
「安さ」を打ち出した。
このため提供する価値の優先順位を「うまい、はやい、やすい」から
「うまい、やすい、はやい」に変えた。

創業地の築地は「はやい、うまい」の順番。
素早く牛丼を提供し、おいしさを実感してもらうためだった。

1970年代に「はやい、うまい、やすい」となったのは
多店舗化を進める際に、
誰でも利用しやすい「安さ」が価値の重要要素に加わったからだ。

時代と共に消費者が求める価値に変化があり
それに適応するメッセージだ。


時代順に並べると、こういう変化ということになります。
創業時   「はやい、うまい」        築地で「早さ」が要求された。
1970年代  「はやい、うまい、やすい」  安いが加わった。
        「うまい、はやい、やすい」  うまいに自信ができた。
2001年   「うまい、やすい、はやい」  再び「安い」の重視。

たいへん興味深いですね。

因みに、当社が提供する「価値目標思考研修」では、
企業が求める価値をQCDと言わずに
吉野家さんに倣って「早い、うまい、安い」としています。

私は、
吉野家はQCDを知っていて、
その代わりに「早い、うまい、安い」と言っているのだと思っていました。
実はQCDを意識していたのではなく、しかもその変遷があったのです。

当社の研修での解説はこうです。

現在の企業が求められる価値は「早い、うまい、安い」です。
まずは早くないとダメ、競争の土俵に上がれない。
新製品競争の世界だけでなく、
ほとんどすべての市場が「早い者勝ち」の様相を呈しています。

次いでうまいですが、これが難しい、
お客様が求めるうまい(品質)が何かを見極めなければならない。

早い、うまいで差別化できないと「安い」競争になってしまう。
こうなった世界では誰も勝者になれない。
3番手以降だったらその消耗戦から撤退した方がよい。

この時、引用するたとえ話が、
日産のゴーン社長が社内で言われていたことです。

「値引きをして売ろうとするな。
まけろ、と言われるということは、
お客様が当社のクルマの価値を認めていないということだ。
まず、当社のクルマの良さをアピールせよ!!」

(「それでも、認めない相手には売らなくてもよい」と
ゴーンさんが言ったかどうかは定かでありません)

「早い、うまい、安い」は、
システム開発や問題解決でその目的を明確にするための
ワークシートである「目的・ねらい記述書」の
記述フレームとして用いているくらいの肩入れです。


何か検討されるときに、
「早い、うまい、安い」だとどうなるか、と考えられることをお勧めします。

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