2013年5月19日日曜日

「医者に殺されない47の心得」

【このテーマの目的・ねらい】
目的
 健康法について研究いただく。
 「常識」に対する疑問意識を持っていただく。
 有効な健康法を見つけていただく。
 ご自分の健康法に自信を持っていただく。

ねらい
 健康を維持・強化していただく。

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このブログでは、健康法に関連したテーマを、
以下のように取りあげてきました。

 病は「気」で治る
 (2012年2月27日)
 
 野村監督のお母様も「気」でガンに克った!
 
 
 (2012年5月1日)
 病は「気」で治るの例ーその3
 (2012年6月19日)
  「大往生したけりゃ医療とかかわるな」ですって??
  (2013年年1月30日)
 1日1食が健康・美容・長寿の基ですって!!
 (2013年1月31日)

ですが、この著書は以下のように、
そのたぐいではかなりの本格版です。

1)慶応大学の現役の先生が書いておられる。
  近藤誠 慶応大学医学部放射線科講師
  (さすがに教授ではないのです)

2)多くの項目は世界のどこかで
  実証データの示されたものである。
  自分の体験談や事例の紹介とは異なり、
  客観性があり説得力がある。

3)2012年菊池寛賞受賞
 
  様々な文化分野において業績をあげた
  個人や団体に贈られるこの賞を、
  曾野綾子、高倉健、東京新聞「原発事故取材班」、 
  伊調馨と吉田沙保里、新潟県佐渡トキ保護センター
  に交じって受賞された。
  














ビックリすることが多かったのですが、
その中から10か条を選んでご紹介します。
ご関心のある方は是非原著をお読みください。

先生の主張は、
「がんの9割は、治療するほど命を縮める、放置がいちばん」
など、興味深いものが多いのですが、
10か条は、実証データが示されているものに限定しました。

1.血圧130で病気なんてありえない

 大人になると動脈も老化して硬くなり、
 血液を先に送る力が衰えます。
 そこで体は年をとるほど血圧を上げようとします、
 脳や手足のすみずみまで血液を送り続けるため。

 それを薬で下げたらボケたりふらついたりしてしまいます。
 
 
 

 フィンランドで、75歳から85歳までの
 「降圧剤を飲まない」男女521人の経過を見た調査では、
 80歳以上のグループでは、
 最高血圧が180以上の人たちの生存率が最も高く、
 最高血圧140を切った人たちの生存率はガクンと下がっています。

2.血糖値は薬で下げても無意味で、副作用がひどい

 血糖値が高いと
 血管がもろくなり心筋梗塞や脳梗塞のリスクが高まり、
 失明、腎症、神経障害など
 重い合併症を引き起こしやすいことは事実。

 しかし薬で血糖値を下げるのはもっと危険。
 

 1990年代にイギリスで大々的な試験が行われている。

 被験者は2型糖尿病で自覚症状がなく、
 血糖値が110~270mg/dlまでの3800人。
 くじ引きで2群に分け,
 

 A群は食事療法をメインにして
 血糖値が270を超えた時だけ薬物療法を実施。
 
 
 
 

 B群は血圧降下剤を使って
 血糖値が常に110未満に留まるようにした。

 そして10年観察した結果は
 「死亡、腎不全、失明に統計的有意差なし。
 B群は低血糖による発作がA群の3倍に上った」

 血糖降下薬は合併症の予防や延命には効果がないのに、
 副作用が大きい。

 血糖値は、歩く、自転車、水泳、ストレッチ
 などの有酸素運動で下がる。

3.「早期発見」はラッキーではない
 
 

 欧米では肺がん、大腸がん、乳がんのくじ引き試験が多数行われ、
 「検診をしてもしなくても、死亡率は同じ」ことが実証されている。
 
 
 

 肺がんでは、アメリカのメイヨークリニックで
 9千人のヘビースモーカーを11年間、
 旧チェッコスロバキアでは喫煙男性6300人を3年間
 くじ引き試験で追跡したら
 いずれも検診群の死者の方が高かった。

 日本でも1989年に「がん検診をやめた村」信州の㤗阜村で
 胃がんなどの集団検診をやめたら
 胃がんの死亡率が半分以下になった。

 先生は、
 がんは有効な治療法がなく、かえって副作用などの方が大きい
 と解釈しておられます。

4.医者の健康指導は心臓病を招く
 
 

 フィンランドで15年がかりの調査結果は、
 「きちんと定期検診を受け、
 病気や異常が見つかったらライフスタイルを改善し、
 それでも検査値に問題があったら医者から薬をもらう」

 という生活を5年間行った医者介入群と
 何もせずに放置していた群のくじ引き調査結果をした。

 その後は自由にした10年後、
 介入群の心臓死は放置群の倍以上高く、
 自殺、事故、総死亡者数とも
 すべて医者の指導に従った方が多かった。
 (先生の推定は、医者からアドバイスや薬をもらい続けることが
 ストレスになったのではないか)
 
 

 ただがん死だけは介入群の方が少なかった。
 (先生の推定では禁煙の効果)

5.体重・コレステロールを減らさない健康法を選ぶ

 食事療法はたいてい「摂取カロリーを減らす」
 「肉を食べない」 「玄米と野菜した食べない」などを行う。
 そうすると一気にやせてしまう。
 痩せると体の抵抗力が落ちて病気になる。

 
 アメリカの国立老化研究所の
 23年に及ぶサルのダイエットの研究結果によると、

 カロリーを20%ほど減らしたグループと
 減らさないグループでは寿命の違いはなかった。

 ミミズやマウスなどの小動物の場合は
 30%カロリーを減らすダイエットで
 寿命が延びるという結果が得られている。

 上野コメント:興味深い状況です。

6.ビンビン100歳への体作りは「毎日タマゴと牛乳」から

 毎日卵と牛乳を摂っていれば、サプリメントはいらない。
 
 

 1972年に東京都老人総合研究所が、
 その時の100歳以上405人のうち100人の食生活を調べたら、
 菜食の人はいなく全員が肉や魚、卵、乳製品などを
 当時の高齢者の平均より多く食べていた。

7.ビールは1日にロング缶2本までなら「100薬の長」

 千葉大学医学部で2000年、
 脳ドックを受診した健康な男女1432人を対象にした調査結果では、
 毎日2合以上の飲酒層のみが脳委縮が大きく、
 他の3層(全く飲まない層、少し飲む層など)では差がなかった。

   ということから先生は「2本」説を言っておられます。
 

 私は、最近飲むときは「なんでも合計3杯まで」を励行しています。

8.コンブやワカメを食べ過ぎるとがんになる

 1990年代にフィンランドで大規模な栄養介入試験が実施された。
 

 男性喫煙者2万9千人を、
 合成ベータカロチンを与える群と
 プラセボ(偽薬)群に分けて
 5―8年に肺がんになる人を追跡した。

 ベータカロチン群はプラセボ群より肺がんの発生率が18%多く、
 肺がんと心臓病の死者も増え、総死亡率が8%多くなった。

 そこでこの調査は中止された。

 福島原発事故の後、 
 「ヨウ素で放射線の害を防げる」という「デマ」で
 コンブやワカメを毎日食べる人が増えた。

 しかし国立がん研究センターは、2012年
 「海藻に含まれるヨウ素は
 摂り過ぎると甲状腺がん発生の原因となる可能性がある」
 と発表している。

9.「高血圧に塩はダメ」はウソ。

 1988年発表の32か国52地域1万人対象の国際共同調査では、
 食塩の摂取量と高血圧症との関係は認められなかった。

 
 アメリカのアルダーマン博士が
 25―75歳の21万人を対象にした聞き取り調査では、
 塩分の摂取が最も少ないグループが最も短命。
 最も多いグループがいちばん長寿。
 塩分摂取量の多い日本が世界最長寿であると言っている。

 上野コメント:これは因果関係なのでしょうか?

 
10.コーヒーは、がん、糖尿病、脳卒中、ボケ、胆石、
   しわを遠ざける

 日本の国立がん研究センターを中心にした研究班の、
 40-69歳の男女9万人対象の10年間の追跡調査では、
 「1日に5杯以上コーヒーを飲む人の肝臓がんの発症率は
 飲まない人の4分の1」となっていた。

 コーヒーの抗酸化・抗炎症成分がC型肝炎の進行を抑え
 肝臓がんへの進行を食い止めているのではないか
 と推測されている。

 岐阜大学グループが1992年から8年間の
 35歳以上の地域住民3万人の追跡調査結果では、
 コーヒーを1日2杯以上飲む人は飲まない人に比べて
 大腸がんの発症率が男性で2割減、女性で6割減だった。

その他多数のコーヒーが有効な調査結果が紹介されています。
 
コーヒー好きには朗報ですね。
 

近藤先生の説「医者によく行く人ほど早死にする」は、
  医者に行ったから早死にしたのではなく、
  もともと病弱だから医者に行ったとも考えられる
など我田引水的なところもありますが、

常識に対する多くの問題提起をされている点では
たいへん参考になります。
是非一度研究なさってみてください。

2 件のコメント:

匿名 さんのコメント...

さっぽろのかなみちゃんです
読みました。 心臓はいかが゜ですか。いつもかなみちゃんがお世話になりまして有難うこざいます。とても面白く読ませていただきました。また拝見させていただます。

Kumagorow さんのコメント...

近藤先生の本は、一度読んでみたいと思っていました。
現在82歳の義母と一緒に住んでいて、参考になることがたくさんありました。ありがとうございました。