2023年11月21日火曜日

「和のための和を以て尊しとせず!」生田正治氏

[このテーマの目的・ねらい]
目的:
 生田正治氏の死を悼みます。
 氏の名言を確認いたします。
ねらい:
 無目的の和はやめましょう。
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生田正治氏が11月13日、
88歳で老衰のために亡くなられました。
謹んでご冥福をお祈りいたします。

氏の経歴はこうなっています。
1957年 三井船舶に入社
1994年 同社社長
1999年 ナビックスラインとの合併実現
2000年 経済同友会副代表幹事就任
2003年 商船三井船舶の会長を辞し
      小泉純一郎首相の要請で
      日本郵政公社の初代総裁に就任
2007年 同公社退任

2023年11月21日の日経新聞には
以下の「評伝」が書かれています。
その評伝の内容をご紹介します。
「彼こそ、顔の見える経営者だ」(小林陽太郎氏)
日本国内の規制を動かし、国際競争力を以下に回復させるのか。
生田正治氏は最後まで有数の論客だった。

その氏は、ナビックスラインとの合併に際し、
全社員に示した3原則の冒頭はこうだった。
「和のための和をもって尊しとせず、
自由闊達に議論せよ。
その中から真の和は生まれる」
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和の目的が、和のためである(つまり目的がない)ではダメで
何のために和が必要なのかを考えろということでもあります。

和のための和では、ただの仲良しクラブになってしまいます。

和は協調性とほぼ同義ですが、
協調性について、以下のブログで取りあげています。
このブログは、
村上宣寛教授が過去の性格に関する諸研究を調べてまとめられた
「性格のパワー」という書籍の紹介です。
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性格は、外向性、協調性、良識性、情緒安定性、知的好奇心が
ビッグファイブと言われて、基本である、とされているそうです。
そのビッグファイブについて、
以下のように、いろいろな事象との関係を整理されています。

1)寿命との関係
 良識性、外向性、情緒安定性の強い人は
 寿命が長い傾向がある。
 協調性との関係はないようです。
 知的好奇心との関係は不明です。

2)離婚との関係
 協調性、情緒安定性、良識性の強い人は
 離婚が少ない。(これは常識的結論)

3)職業上の成功との関係
 良識性、外向性、情緒安定性は
 成功との関係が強い。
 協調性が高いと成功にマイナスの影響を与える!!
 経営者・販売員は外向性との相関が高い。

4)児童期の性格特性と成人後の内的成功(満足感)との関係
 良識性のみが相関がある。
 (良識性を強化しておくと、
 幸せな人生を送ることができる)

5)児童期の性格特性と成人後の外的成功(年収・昇進等)との関係
 良識性、外向性、情緒安定性と相関がある。
 協調性はやはりマイナス効果である。

全体を通して、
協調性はあまりプラス効果がない
ということが意外でした。

いずれの関係も、相関関係がある、ということで
なぜそうなのかは、類推するしかありません。
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協調性は、職業上の成功とはマイナスの関係であるということなのです。
ためにする協調性(和)は意味がないという
生田氏の発言はまさにそのとおりなのです。
生田氏はやはり偉人でした。

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