2023年2月24日金曜日

「死は存在しない」田坂広志著 再々論

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 「死は存在しない」仮説をさらに探求します。
 藤井淳吉氏の寄稿です。
ねらい:
 ご関心ある方はご自身で後掲の「参考書」をご研究ください。
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このテーマの再々論です。
今回は、再論の米野氏と同じく
私の帝人時代の同期生である藤井淳吉氏の寄稿です。

「死は存在しない」という仮説自体の探求は、多くの方にとって
あまり関心がないのではないかと思われます。
ところが、今回のレポートは、
この仮説に対する新たな視点を与えてくれました。

それは、
この仮説の中心をなしているゼロポイントフィールドに関しては
すでに、2000年代の初めから主張されていたということです。

私は、「死は存在しない」仮説は、ノーベル賞級の大発見である、
と述べましたが、この大発見(仮説)には先人がおられたのです。
田坂氏は、その仮説を基に、
これまでの宗教哲学や「神秘現象」を解明しただけなのでしょうか。
これも一部は米国ですでに研究されているのです。

米国の研究では、まだ宗教の教えやあらゆる神秘現象にまでは
言及していないようですからそこまで広げたのは田坂氏の成果です。
であれば、それはそれで素晴らしいことですが、
ノーベル賞にはなりませんね。

今回の藤井さんのレポートはゼロポイントフィールド仮説は、
以前からあったことを明らかにしてくださったのです。
以下、そのつもりでご確認ください。
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ブログでこの2月に上野さんが取り上げてくれた本書は、
上野さんのコメントにある通り
1月21日に行われた同志の集まりで、この私が紹介したのです。

本書の題名が、いかにも奇をてらった表現であり、
自分としては躊躇しながらの紹介でだったのですが、
上野さんが早速要約とコメントを掲載してくれたし、
米野さんも技術者としての感想を述べてくれました。

私自身素人ながら、
この数年間、宇宙物理学、量子力学(場の量子論)、
量子生物学まわりの啓蒙書や解説書を
読み漁って楽しんでいたこともあり、
「死は存在しない」に出会ったときには、
書の内容とその重大さをほぼ理解ができましたので、
まずは親しい仲間に読んでもらいたいと思ったのが事の経緯です。

ところで、本書の内容について、上野さんも冒頭で書いていますように、
日常生活の基礎になっている世界観をぶち壊し、
世の中にまさにパラダイムシフトを起こすようなことが述べられています。
したがって、内容についてはしっかり吟味をする必要があると思います。

ただ、話の内容が、宇宙物理、量子力学など一般の方々には
やや近寄りがたく理解しがたい内容がつまっていますので、
わかり難く、評価のしようもない・・という読者も多いと思いますので、
少しでも理解に役立つヒントをご提供したいと考えます。

まず、宇宙を語るときには
日ごろの理に沿わない事象に出会うことが
よくあることを理解してほしいと思います。

その最たるものが、この宇宙の始まりです。
138億年前に誕生したという現在の宇宙の誕生は、
原始真空といわれる真空の一部分に突然、揺らぎが生じ、
そこにトンネル効果で極小の粒子が生じ、
直後にインフレーションとビッグバンという2段階の巨大な爆発が生じ
その勢いで猛烈な速さで膨張しているのが今の宇宙である
…というのが宇宙誕生の定説のようです。

本書で「量子真空」というのは、
この宇宙が生まれる元になった宇宙のことと考えられます。
宇宙を生み出す元となる真空には、
よほど大きなエネルギーを持っていると想定されます。 

138億年前にこの宇宙を生み出した同じ「真空」が、
現在もこの宇宙のあらゆる場面を包み込んでいるというのです。
その真空をこの書籍の中で「量子真空」と呼び、
この「量子真空」の中に「ゼロ・ポイント・フィールド」(以下ZPF)
が影のように存在していると説明しています。

このZPFは総体としては膨大なエネルギーを持って
宇宙全体に広がっているのですが、
この地球上、あるいは私たちの手元においては、
きわめて希薄なエネルギーをもって広がっている
ものと考えられています。

田坂氏の説では、この宇宙のすべて、
太陽や地球、その中に生きる生物・人間の現在・歴史そして未来
までもが、ZPFに隈なく、転写、記録されているというのですが、
どんな理屈で可能となるのか?

量子力学とその発展である「場の量子論」によると、
この世界の中にある物質を刻んで刻んで刻みぬいた最小のものは「量子」
「あるいは「素粒子」といわれており、その典型が電子や光(子)である。

これらの素粒子は、「粒」であると同時に「波動」でもある
…というような不可解な定義がなされています。
しかし、ごく最近の論文(理論物理学者吉田伸夫博士)によると、
素粒子はあくまで「波動」であって、
環境条件によって「粒子」の形をとることもある・・
と表現されるようになったのです。
とすると、この宇宙の中にある万物はミクロの素粒子の状態では、
光のような「波動」であって実体は無いことになります。

波動と波動が並んだ場合、共振又は「共振動」すると言われているように、
同じ波長の波動が並ぶと共振動が起きることは広く知られています。

そこで、実世界の物体がミクロの状況でZPFにそのまま転写される
という理屈なのです。

さらに、田坂氏の著書では、ホログラフィーの理屈で、転写が実現し、
それが、そのまま(現在・過去・未来)
ZPFに記録(記憶)されていくというのです。

ホログラフィーに照射された物体が3次元立体の形で映像を結ぶことは
よく知られていますが、その像が、そのまま、
記録・記憶されて永遠に残るということがどのように可能なのか?
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
ここまで、書き進んだところで、
田坂氏の「死は存在しない」において触れられている
LinneMactagart著作「The Field(2001年出版」と
アーヴィン・ラズロ著作の翻訳「叡智の海・宇宙」(2005年出版)が
手元に届きました。
さっと目を通してみて驚きました。

そこに見出したのは、この世紀の初め以来、世界の科学者たちが、
今でもうまく解釈できていないでいる諸自然現象を
物理的世界と実際の世界のみならず精神と意識の世界までを
一貫した次元でとらえるための研究が大いに進んでいること、でした。

「The Field」リン・マクタガード著作(2004年初版)の内容

著者リン・マクタガードは欧米でよく知られた医療系のトップジャーリスト。
世界各地の最先端科学者、世界有数の大学や研究機関や
米国政府のプロジェクトを渡り歩いて巨大な謎に挑む現代科学をレポートし
欧米にセンセーションを巻き起こした方です。

今回のテーマの関連での本書の内容のポイントはこうなります。

1)スタンフォード大学のレーザー物理学者ハル・パソス
ーーゼロポイントフィールドの主張ーー
ゼロポイントフィールドは、氏がその存在を提唱しはじめ、
種々の議論を呼びながらも現在では、ほぼ、定説となっている。
場の量子論では、宇宙空間の最小のスペースであるヒト駒の「場」において、
絶対温度零度(ゼロ・ポイント)下という超限界時でも存在する極小のエネルギー
(であり波動でもある)は「ゼロ・ポイント・エネルギー」と称される。

これは極めて弱小なエネルギーであるが、
広大な宇宙全体に広がる「場」を考慮すると、無限に近い量となる。
「ゼロ・ポイント・エネルギー」を擁した場の広がりを
「ゼロ・ポイント・フィールド」と称した。

2)
カール・プリブラム博士
 (イエール大学、スタンフォード大学にて脳のホログラフィー理論で有名)
ーーゼロポイントフィールドが膨大な情報の蓄積庫となっていることの主張ーー
ホログラフィー原理により、
暗号化された情報のごく一部分の波動干渉であっても
イメージ全体の情報を含んでいることの発見

3)
リン・マクタガード
ーー遠隔ヒーリング等の実態の調査・報告ーー
日本人の常識では、とても科学であるとは信じられないような現象:
例えば、遠隔ヒーリング、念力、ホメオパシー治療の有効性などについて、
米国で行われている数々の実験、統計学も駆使されているた実証実験
を細かく報告している。

ということは、田坂氏の主張される仮説の基本部分の大半が、
すでに米国では主張され確認されていることだったのです。

たしかに、ゼロ・ポイント・エネルギー(フィールド)は、
マックタガード氏他が述べており、
これ自体がノーベル賞モノと言えるほど重大なのですが、
そのゼロポイントフィールドに、生身の人間も、
叉人類で最大の関心事である死後の世界も具体的に描写するという解説は、
史上初で、説得力を持ち、興味深く感服する次第です。

このテーマにご関心のある方は、
上記2冊の「参考書」、特に「叡智の海・宇宙」(翻訳)を、
直接確認していただければと思います。

「叡智の海・宇宙」は2005年出版であり、
より、新しい時代に哲学者、未来学者が、より分かりやすく記載されています。

                                        
                        以上

藤井淳吉 20232月23日(junkichifujii@gmail.com


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