2023年2月17日金曜日

ガンの新療法、ぞくぞく!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 がんの新しい治療法をご研究いただきます。
ねらい:
 (がんの治療法が必要な方)
 これを手掛かりに新療法をご検討いただきます。
 (今は、がんの治療法が必要ない方)
 この表のあることを覚えておきましょう。
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このブログでは、以下の表の1番目を、2022年1月15日に
上野則男のブログ: 「新しいがん治療時代の夜明けーウィルス療法」スバラシイ!! (uenorio.blogspot.com)
でご紹介しました。

その後、ぞくぞくとがんの新療法が紹介されています。
世界で1000万人、日本でも40万人近くの人が、
1年間に亡くなっているのですから、
多くの研究者・製薬企業が必死で取り組んでおられるのです。


この写真の出典:
下表7の日経新聞記事









その新療法を一覧表にまとめてみました。
現在、本人または周りでがんに罹っておられる場合は、
この研究開発動向にご関心が強いでしょう。

そこで、特にどういう癌に有効なのかという点と、
つ実用化されるのか(すでに実用化されているものもあります)
とを示しました。
それを手掛かりにご研究なされたらよろしいかと思います。

がんの新療法

 

療法名

内容

有効な症例

中心推進者

実用化時期

ウィルス療法

出典:「新しいがん治療時代の夜明けーウィルス療法」東京大学医科学研究所藤堂具紀教授(學士會会報2022号)

腫瘍細胞(がん細胞)だけで増えるように改変したウィルスを腫瘍細胞に感染させ、ウィルスそのものが腫瘍細胞を殺しながら腫瘍内で増幅していく。

 

脳腫瘍や白血病など手術が困難ながん

東京大学医科学研究所附属病院 脳腫瘍外科

2021年7月、世界初の脳腫瘍ウィルス療法薬製品名:デリタクトが、悪性神経膠腫の適応で承認された。

ウィルス療法(続き)

出典:023/2/16日経新聞「進化するがん治療3

同上

前立腺がん向けの臨床研究

 

悪性黒色腫(メラノーマ)向け医師主導治験を

杏林大泌尿器科と実施中

 

信州大学医学部と進行中

デリタクトを使用。

動体追跡放射線治療

出典:「癌における動体追跡放射線治療」白土博樹北大教授(学士會会報2023-Ⅰ掲載)

放射線をピンポイントで患部に当てることは、動く臓器等では困難である。それを解決する各種手法が開発されている。

 

呼吸器、消化器など動きが大きい部位のがん

北大が初期の技術開発

1990年代後半から

放射線療法「セラノスティクス」

出典:2023/1/13 日経新聞「放射線新手法「セラノスティクス」実用化進む」

がん細胞にくっつく診断用の放射性医薬品(例:ガンマ線)と、同じ構造の治療用の放射性医薬品(例:ベータ線)を患者に投与する。病巣の場所や状態を可視化してピンポイントで攻撃する。

前立腺がん、転移したがんにも有効。

スイスのノバルティス社などが先行している。

2022年、ノバルティスの医薬品は前立腺がん用で米欧の認可を受けた。

ホウ素中性子捕捉療法(BNCT)

出典:2023/2/14日経新聞「進化するがん治療1」

がん細胞がホウ素を取り込む性質を利用し、ホウ素と中性子の核反応によってがん細胞を破壊する。中性子を発生させるのに原子炉は使用許可が出ないので加速器を使う。

手術がしにくい部位のがん

大阪医科薬科大学BNCT共同臨床研究所(小野公二所長)

 

2001年に実験的に初利用で効果を確認した。

一部府県で保険適用が可能。

ADC(抗体薬物複合体)療法

出典:2023/2/15日経新聞「進化するがん治療2」

特定のタンパク質(HER2)を持つがん細胞に結合する抗体と薬物を組み合わせた薬剤を利用する。

乳がんが中心だったが、肺がんでも治験が進んでいる。

第一三共社

2020年に第一三共から「エンハーツ」名で発売

がんゲノム医療 出典:2023/2/15日経新聞「進化するがん治療4」

血液検査により、がん由来の遺伝子を見つけ出し、早期診断を実現する。同時に、特定のがん由来遺伝子の有無によって、抗癌剤の有効性の判定も可能である。

大腸がんなど。

国立がん研究センター

研究進行中。

mRNAガンワクチン療法

出典:2023/2/11日経新聞「mRNA次は癌治療に」

がんの目印となるたんぱく質「抗原」の断片を生成するmRNAを体内に入れると免疫機能が抗原を覚え、がんを攻撃するようになる。

悪性黒色腫、頭頚部がん、皮膚扁平上皮がんなど

モデルナ、ビオンテック、など

2025年の実用化を目指し治験中。


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