目的:
今話題のAIの活用状況がどうなっているのか
を知っていただきます。
ねらい:
詳細をお知りになりたければ、
私にお問い合わせください。
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最近は、AIがずいぶん話題になっています。
日経新聞では,AIのネタがない日はほとんどない状態です。
そこでシステム企画研修社では、
AI事例を解析した「AI解析事例集」を作成しています。
この事例集は、AI以外のデジタル化の事例を集めた
デジタル化事例集(現在230件)のサブセットです。
これがその事例集の一部です(クリックすると全体が表示されます)。
1件ごとにその出典情報が付いています。
左端をクリックすると表示されます。
AIの事例が100件になりましたので、
その内容を分析してみました。
この事例情報の基は、以下の5種類です。
日経新聞
日経コンピュータ誌
野村総研編集「ITロードマップ」2019年版他
経済産業省「攻めのIT経営銘柄」2018年版他
他出版物
事例収集方針は、特に絞り込むことはせずに、
新しい動向であると考えられるものを対象としています。
特別な偏りはないと考えます。
この事例集収録の事例は次の4つの切り口で分類しています。
1)AI適用のねらいーーどういう効果を期待するのか
2)AIの適用目的ーーAIに基本的に何をさせるのか
3)AIの適用機能ーーAIが何の機能を担うのか
4)AIの実施手法ーーどういうAI手法を使うのか
以下、この切り口で
100件の事例がどうなっているかを見ていただきます。
表1 AI適用のねらい
#
|
項目
|
件数
|
1
|
納期・時間短縮
|
40
|
2
|
成果増大
|
46
|
3
|
精度向上
|
19
|
4
|
信頼性・安全性強化
|
15
|
5
|
利便性向上
|
38
|
6
|
苦痛削減、楽しさ・満足度向上
|
22
|
7
|
健康維持・強化
|
13
|
8
|
環境改善
|
5
|
9
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最適・正解の導出
|
15
|
10
|
工数・コスト削減
|
62
|
この表の数値は、重複選択です。
最大は10番の「工数・コスト削減」です。
ということは現在人手でやっていることをAIで代替するということです。
非常にベーシックなねらいです。
次は,AIを活用することで、
売上の増大を期待するなどの「成果増大」です。
ターゲットマーケティングなどがその例です。
これも基本的ニーズでしょう。
その次に、迅速に自動応答するなどの「納期・時間短縮」です。
11/15の日経新聞にも、多くの自治体で市民からの問い合わせに
自動応答を使っているという報道がありました。
市民からは「たらい回し」されないと評価は高いようでした。
ほしいものがすぐに得られるとか、言わないでも分かってくれる、
などの「利便性向上」も上位です。
クイズや囲碁将棋に勝つなどの「最適・正解の導出」も
人間を上回るようになってきています。
「精度向上」「信頼性・安全性強化」
「苦痛削減、楽しさ・満足度向上」などもAIは得意です。
「健康維持・強化」や「環境改善」なども挙がっています。
そのニーズを持っている法人が取り組んでいます。
表2 AIの適用目的
#
|
項目
|
件数
|
1
|
検索
|
6
|
2
|
判断
|
93
|
3
|
処理
|
27
|
4
|
発見
|
6
|
5
|
創造
|
1
|
次は,AIに基本的に何をさせるかです。
この数値も重複選択です。
93%の事例が,AIに「判断」させています。
AI=人工知能ですから当然でしょうね。
「処理」は,AIが翻訳をする、回答をする、などです。
「検索」は得意技ですが、
膨大な事実を解析してほしい解を「発見」する、や
絵画や音楽を「創造」する試みも始まっています。
人間も負けそうです。
表3 AIの適用機能
#
|
項目
|
件数
|
1
|
画像解析
|
31
|
2
|
音声解析・生成
|
10
|
3
|
センサー/GPS情報解析
|
24
|
4
|
事例解析
|
53
|
5
|
行動解析
|
16
|
6
|
情報検索
|
8
|
7
|
関係解析
|
2
|
8
|
最適解探求
|
7
|
「AIでは何をするか」です。
1位の「事例解析」は、
大量の文献情報あるいは蓄積データの事例を解析して、
望む答えを得ようとするものです。
それに対して「行動解析」は、当人の過去の選択や行動を分析して
その人に合った提示を行うものです。
「あなた、これお望みでしょう?」のスタイルです。
2位の「画像解析」の技術は、後掲の深層学習の手法等を活用して
日進月歩の状態です。
中国の顔認証の進展は恐ろしいほどです。
「センサー/GPS情報解析」は、
センサーで集めた情報から、水道管の摩耗の状態を
推定する、などです。
「関係解析」は膨大なゲノム情報と疾病の関係を解析して
原因となるゲノムの状態を突き止めるものなどです。
「最適解探求」は、碁将棋に勝つとか、
物流の最適解を求める、などです。
検討している人たちは楽しいでしょうね。
表4 AIの適用手法
#
|
手法
|
件数
|
1
|
機械学習一般
|
77
|
2
|
深層学習
|
11
|
3
|
強化学習
|
1
|
4
|
深層強化学習
|
1
|
5
|
転移学習
|
1
|
6
|
GAN(敵対的生成ネットワーク
|
1
|
7
|
好奇心持つAI
|
1
|
8
|
少量データ分析
|
1
|
9
|
スパースモデリング
|
2
|
10
|
エッジAi
|
3
|
11
|
蒸留技術
|
1
|
AIでは、基本的にはすべて「機械学習」をしています。
1位の「機械学習一般」は、それ以外の特殊な手法は使っていない、
少なくとも使っていると報道されていないものです。
77%はそうなのです。
それ以外の特殊な手法は、その後出てきたものです。
AI(機械)が自分でデータから学んでいく手法が深層学習
(ディープ・ラーニング)です。
Youtubeの画像をAIに1週間見せ続けたら
猫の画像に反応するようになったというのが有名な事例です。
AIに何も教えていないというのです。
AIは、どうして猫に関心持つようになったのでしょう?
「強化学習」は、崩れやすい食品のピッキングをロボットにさせたら
試行錯誤して次第にできるようになったというような事例です。
自分の行動で自己学習するものです。
「転移学習」は、汎用的な能力を持ったAIに、
専門的なデータを少し付け加えるだけで、
専門能力のあるAIを作る手法です。
転移=移植です。
AI=大量データの分析というイメージがありますが、
「少量データ分析」「スパースモデリング」は少量のデータから
ほしい結論を得る方法です。
事例としては、新材料開発があります。
データは少なくても、新材料の条件とかを詳しく教え込むのです。
6番目の「GAN」は、AIの中でAI同士に対戦させて
「勝つ」案を作らせるのです。
写真からそれをイラスト化する例などが紹介されています。
「エッジAI」や「蒸留技術」は高性能マシンで開発したAIを
能力の小さなPC屋ウェアラブル端末にインストールして
動かすシステムです。
これらは、AI自体の手法ではなく、AIの活用の手法です。
というような数値的なAI活用の状況が分かりました。
こういうデータは他にはありません。
ご覧になったことはないでしょう?
ご参考までにご紹介いたしました。
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