2019年7月10日水曜日

プラスティックによる海洋汚染どうなる?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 プラスティックごみによる海洋汚染が
 世界中で問題になっていることを再確認いたします。
 プラスティックの使用中止でなく、
 海洋汚染を食い止めることは至難であることを確認していただきます。
ねらい:
 悲観的にはなりたくありませんが、海洋汚染はいつ収まるのでしょうか?
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この2,3年で、急にプラスティックゴミが大きな問題になってきました。
日本だけでなく東南アジアでも、
脱プラスティックの動きが加速しているようです。


以前から海水浴場のオープン前の、流れ着いた大量のゴミの写真が
問題を喚起したりはしていました。


しかし今は、そんなレベルではありません。
プラスティックが小さくなったマイクロプラスティックは魚介類を経由して
人間の体に入りその影響は未知数、という恐ろしいことも言われています。


日経新聞6月26日の記事です。
 タイ政府は2022年までに主要な使い捨てプラ製品の使用を禁止、
 インドネシアは19年末までにスーパーのレジ袋使用を禁じる(検討中)、
 ベトナムではフック首相が企業にプラゴミ削減を求めている。


 アジアではプラごみによる海洋汚染は深刻で、
 漁業や観光業など幅広い経済活動に悪影響を与えている。


東南アジアの国々は海洋国ですから問題は大きいでしょう。
それこそ「キレイゴト」ではなく、実害が大きくなっているのです。
建て前では、国は動きません。


先日のG20会議でも、安倍首相の音頭取りで、
「2050年迄に海洋プラスティックごみをゼロにする」
ことが合意されました。
この合意は、「大阪ブルー・オーシャン・ビジョン」と命名されました。


フランスなど欧州は2030年ゼロを主張しましたが、
中国やサウジアラビアが反対し50年になったそうです。
ずい分大まかです。


しかしこの合意は精神論であって実効性は期待できません。


なぜなら、海洋プラスティック量の測定がされていないからです。
海洋プラスティックの発生源は何で、どこの国から発生しているかも
分かっていません。


その量の測定方法も決められていません。
ましてや2050年という長い先までの中間目標もありません
測定できていないので、
不明な現状かゼロしかなく中間目標の設定のしようがないのです。


レジのポリ袋をやめようとかの対策が動き出していますが、
レジ袋はプラごみ総量の2%にすぎないという説もあります。


プラスティックゴミを海に流さないようにする対策はとれるでしょうが、
それによって現在の海洋汚染が改善されるかは不明です。
海底に沈んでいるプラゴミがどれだけあるかも分かっていませんし、
そのごみのマイクロプラスティック化がどう進展するかも不明です。


各国がこの問題を深刻視し削減に取り組もうという熱意は
結構なのですが、現状では精神論でしかないですね。
測定できないものはコントロールできないのです。


G20各国はこの問題を協議するため、
今秋にはエネルギー・環境相会議を開くことにしたようですが
今後どうなるのでしょうか?


人類が海洋汚染に気がつくのが遅かったのです。
参りましたね。

3 件のコメント:

岩盛 熊悟朗 さんのコメント...

海の浄化力の向上策は、ないのでしょうか?
プラスティックを食べる微生物を増やすとか?

Unknown さんのコメント...

私は現役時代にはプラスチック化(PETボトル)に全力を挙げていましたが、これからは非プラスチック化(金属化?)への展開が必要です。最近、PETボトルを分解する微生物が日本で発見されて話題になっていますが、これも大して役立たないと思います。

上野 則男 さんのコメント...

今は有力な対策は分かっていないようですが、
その内には見つかるのではないでしょうか。
「必要は発明の母」ですからね。
生物絶滅回避に間に合うかどうかが問題ですが。