このご報告の目的は、
「こんな数字は忘れましょう」
ということです。
この数字をご記憶の方も多いでしょう。
1月23日に東大地震研究所が
「4年以内にM7クラスの
首都直下型地震が起きる可能性は70%」
と発表したのです。
この数字は一人歩きして
首都圏住民は「どうしよう!」
と恐れ慄きました。
地震予知がこれだけ不確かで失敗ばかりしている時に
どうやってそんな正確そうな予想ができるのだろう?
と、多少は統計学を学んだ私としては
疑問に思ったものでした。
案の定、各方面からこの「予想」に対して
異論が出ました。
その一例は、
2月9日号の週刊新潮に載った以下の記事です。
東大大学院教授(地震学)ロバート・ゲラー氏の意見
を紹介しています。
「現代科学の力で地震を予知することはできません。
特に、短い間での発生確率の正確な予測は困難です。
私たちが地震について把握している観測データは
せいぜい100年程度。地球誕生から46億年が
経過していることを踏まえれば、
このデータは「一瞬」に等しい。
要するにサンプル数が少なすぎるのです。
地震研究所のサンプルデータは、
昨年3月11日から半年のもので、
その間は余震も多かった。
そのデータから予測すれば
地震発生の確率は大きく出る」
学者さんもこんなレベルなのです。
常識的におかしな説を
学者の意見だからと真に受けて報道するのは
やはり「マスコミの無責任」ですね。
もっと無責任なのは、その後、
政府の地震調査研究推進本部が、
この地震研の予知数字を採用しないとしたことを
大きく報道しなかったことです。
したがって、3年以内に70%
という数字が頭に残っている方が多いはずです。
因みに、地震調査研究推進本部は、
M7クラスの南関東での地震の
30年以内の発生確率を70%としています。
不安を煽る方だけに加担して
鎮める方は知らん顔なのですかね。
1 件のコメント:
マスコミの一角にいた者として、
<不安を煽る方だけに加担して鎮める方は知らん顔なのですかね>というご指摘には、ただ小さくなるばかりです。
新聞などにおける、誤報、誤記の訂正の扱いが小さ過ぎる、という批判にも通じるマスコミの弊習です。
どう改善すべきか、考えている者はいる、と思いたいです。
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