4月6日の朝日新聞朝刊にこういう記事が
載っていました。
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東電、設計の不備指摘
原発事故分析 福島第2と比較
という見出しで、
概略以下の内容が報告されていました。
【1.非常用ディーゼル発電機の損傷】
第1・第2とも14メートル以上の津波に襲われた。
第1では
タービン建屋内の非常用ディーゼル発電機などが冠水し、
使用不能。
これにより、
原子炉の冷却が不能となり放射能漏れを引き起こした。
第2では、
発電機などが機密性が高い原子炉建屋内にあり、
機能を維持した。
【2.冷却用の海水をくみ上げるポンプの損傷】
設備がほぼむき出しになっていた第1のポンプは
すべて運転不能となった。
第2ではポンプ用の建屋内にあった4台のうち1台が
運転可能だった。
上野は早くから、1番目の点については、
これが今回の大事故につながった真の原因だと
指摘してきました。
(3/22「福島原発の状況 これが本当」の
======で囲った部分、
3/31「福島原発事故から学ぶこと」の5.副系統の軽視)
2番目のことは気がつきませんでした。
言われてみればそうですね。
でもそのような報道はなかったように思います。
知らなければ考えようがありません。
ようやく、本当の原因が追及されだしたということですが、
表面上の真の原因はこうですが、
その原因がそのまま現れてしまった2次原因があります。
品質管理・品質保証の世界では、
前者の原因を「発生原因」または「作り込み原因」
後者の原因を「流出原因」と言います。
今回の場合の「流出原因」はこうなります。
福島第1原発ができたのは、1971年から79年までです。
福島第2や柏崎刈羽の一部ができたのは、
82年から87年です。
80年頃に、安全な設計になっているのですから、
その時点でそうなっていない
福島第1を見直すべきだったのです。
それをしなかったのはなぜでしょうか。
その点を今後のために追及しておくべきでしょう。
なお、「発生原因」「流出原因」の次に
「復旧遅延原因」があります。
今回も、ずい分「復旧遅延原因」が目立ちます。
それは、
まったくこのような事故を想定していなかったからです。
緊急時の対策を検討しておくことを
専門家は「コンティンジェンシープラン」と言います。
これが全くできていませんでしたね。
今回の事故は、
今後、品質管理や品質保証の領域で研究材料となる
非常に多くの題材を提供してくれています。
事故で大きな被害を受けられた方のためにも、
この経験を有効活用しなければなりません。
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