2011年1月29日土曜日

教育の方法を変えましょう!

 大学卒の3割は就職できない状況となっています。
 そのため、約65万人の短大・四大卒者のうち4%くらいの
 2万5千人が専門学校に入り直しているのだそうです。

 かく言う我が娘も数年前、
 早稲田を出て介護福祉専門学校に入りました。

 就職できない原因はいろいろあるでしょう。

 1.日本の経済が不振で需要が少ない
  定年延長はその傾向に拍車をかける

 2.教育期間中の子供に切迫感がなく
               能力が身についていない。

 3.大卒者のレベルが低い
  20年間で大学進学率は2倍になり
               2人に1人が大学卒となる
 
 3番目のことに関しましては
 東京近県の私立大学の講師をされた方が
 こういう分析をされていました。
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 現在は全入時代で
 大学進学希望者はどこかの大学に入れる。

  その「入れる大学」入学者は全義務教育生徒の25%
  難関大学・有名大学入学者は25%
  短大・専門学校進学者は25%
  就職者は25%

 この「入れる大学」の学生は,以下の傾向を持っている。
  学習習慣不足 
  学力中低位だが潜在意欲はある
  身体は健康
  比較的素直な性格
 なので、
 大学の取り組み次第で考え働く人材の候補になりうる。
 
 しかし、現在の多くの大学の授業は旧態依然としていて、
 学生の学習意欲を引き出すことができていない。
 授業をまじめに聞いていない学生が大半である。
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 つまり、最初にあげました就職できない原因の4番目は

 4.教育・指導方法が悪い

 なのです。

 この先生は、情報子会社の社長をされた方でしたので、
 いろいろ教育方法の開発・工夫をされていました。

 教育方法の改革に関連して
 「イノベーションの知恵」
          (野中郁次郎・勝見明著、日経BP社)
 に以下の解説がありました。

 京都市立堀川高校でのことです。
 前年には
 国公立大学合格者が僅か6人しかいなかったのが、
 2002年には106人に増えたのです。
 奇跡と言われています。

 それは、
 荒瀬校長以下が素晴らしい取り組みをした成果なのです。
 以下、同書から引用してご紹介いたします。
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 「詰め込みの知識教育型か、ゆとりの課題探求型か、
 二律背反のように語られるのは不幸なことでした。

 われわれが始めた探求科ではどちらも互いに補完し合い、
 相乗効果を生んでいます。
 どちらか一方ではなく、“二兎を追う”。
 あらゆる面で、二兎を追う決断をしたことで
 今の堀川高校があるのです」

 二兎の両立は学校生活のあらゆる場面で見られます。
 「勉強と文化祭」も二兎の一つです。
 大学受験を控えた三年生も9月の文化祭で行う
 クラス対抗パフォーマンスの準備に
 夏の2カ月を費やします。

 通常、「夏を制する者が受験を制す」といわれるほど、
 受験生には山場の時期です。
 当然、勉強と両立させるため、
 段取りを工夫しなければなりません。

 それが生徒の“受験力”“を高めると荒瀬氏はいいます。
 「なぜなら、受験も最後は“段取り力”で決まるからです。
 (中略)
 文化祭の後の模擬試験で成績が落ちても、
 受験生たちは段取りを考えながら、
 追い込みで力を発揮し、挽回していくのです」
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 これだけでは十分お分かりにならないかもしれませんが、
 生徒に考える「しつけ」をしているのです。

 しかも、その題材は生徒たちが関心を持てるもので、です。
 興味・関心を持てる対象には
 誰しも真剣に取り組みますね。

 前掲の先生の指摘にありましたように
 「潜在意欲はある」人たちであれば、
 持っていき方一つなのです。

 早くこのような教育方法の改革が進むとよいと思います。
 この点に関する私の主張は、当ブログ2010年5月24日の
 「原っぱが消えた」でご紹介しています。

  http://uenorio.blogspot.com/2010/05/blog-post_741.html

 ところで、この「イノベーションの知恵」は
 野中先生らしい示唆に富んだ内容が満載ですが、
 その中にこういうものがありました。
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 理論的3段論法は、

 「大前提」「小前提」「結論」と展開するが、
 (野中先生たちの推奨する)
 実践的3段論法は、
 
  「目的」「手段」「行動」と展開する。


 「何かを実践する時にはまずその目的をよく詰める」
  (これは私どもの価値目標思考と同じです)
 「その次にその目的を実現するための手段をよく検討する」
  (これも同じですね)
 「その手段を実現するために積極的に行動する」
  (行動をしなければ何も生み出さない。そのとおりです)

 ご関心のある方は、
 是非、当書をお読みください。

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