2010年6月11日金曜日

鳩山前総理 一世一代の大芝居

 鳩山前総理は
 「引退表明された6月2日の1週間から10日前くらいから
 引退を考え出していた」
 と引退会見で言われました。

 ところが周辺・マスコミは、
 「鳩山総理は辞めないと言って抵抗している」
 と思っていました。

 特に、引退表明前の2日ほどの小沢さんとの会談の際は、
 小沢幹事長が鳩山総理に辞任を勧めているが、
 鳩山総理が抵抗していると誰もが思っていました。
 鳩山総理に辞任の意向があるなどということは
 秘書役の誰一人として思っていなかったようです。
 それだけ、周囲をだまし続けたのです。

 それまで鳩山総理は裏表が無く、
 人を騙すという考えはまったくない方でした。
 結果として裏切りになるということは
 沖縄基地の問題やいくつかのマニフェストなどありますが、
 騙す意図はありませんでした。
 その甘さが引退に結びついたのですが。

 小沢幹事長との会談の最後の日、
 左の親指を出した意味は、
 「とうとう小沢さんの辞任を引き出したぞ」
 というガッツだったのでしょう。
 これを「辞めないぞ」という意思表示だと勘違いして、
 参議院民主党等から大顰蹙だったのです。

 鳩山前総理は、9ヶ月の間、
 小沢幹事長との軋轢に辟易としておられたのでしょう。
 そして、小沢幹事長の言動が民主党の支持率低下に結びついている、
 と苦々しく思っておられたのではないでしょうか。

 そこで、ご自分の引退を覚悟した時に
 小沢幹事長を道連れにして後顧の憂いをなくしようと
 覚悟を決めたのですね。

 その結果は、
 おそらく鳩山前総理の予想以上の好結果を生み、
 ご承知のような民主党と内閣の支持率急上昇を齎したのでした。

 ということで、
 ご自分の考えを周囲に漏らさなかったという点と、
 すべての人を欺いたという点で
 鳩山総理として最後を飾る
 一世一代の大芝居は大成功だったのです。

 私は、鳩山総理の就任直後の昨年9月1日号当メルマガで
 人の意見に左右されやすい「付和雷同性」について
 危険であると予告をしました。
 結局その点が責任を取る根っこの原因となったのですが、
 最後に、他人の意見に左右されることなく
 ご自分の判断を通して総理職を完結されたということです。

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