私は、鳩山前首相の就任直後に
鳩山氏の欠点を指摘させていただきました。
結局、その欠点である(自分に確たる信念がないために)
他人の意見に影響を受けやすいという点が
引責の原因になったことはご承知のとおりです。
「確たる信念がない」は言い過ぎで
唯一の確たる信念は「友愛」でした。
この軸がぶれることがなかったと思います。
ですが、「友愛」では「抑止力」にならなかったのです。
友愛で抑止力が必要ない世界は理想ですね。
それでは、菅首相はどうなのでしょうか。
かみそりと異名をとった後藤田正晴元官房長官が
10年ほど前に
「日本の指導者候補として有望なのは、
自民党の加藤紘一氏、自由党(当時)の小沢一郎氏、
そして民主党の菅直人氏」と言われたそうです
(6月5日の日経新聞)。
それほど有能な面をお持ちなことは確かでしょう。
地道な努力をしてここまで来られた方のようですし。
菅首相の基本特性は「機を見るに敏」です。
私がこのブログをすぐに出さなかったために
今では多くの人がそう言いだしています。
皆様ご存じの事例を挙げましょう。
郵政改革法案で国民新党と明確な合意をしながら、
早期選挙が、民主党にとっても、
自分の立場としても有利となったら、
あっさりその約束を反古にしました。
小沢一郎氏を遠ざけるについても
それが、国民が強く望んでいることだと察知して
行動に出たのです。
その言動は、「自分たち」にとって有利になる願ってもない
絶好のチャンスだったのです。
まさに「機を見るに敏」の真骨頂です。
消費税増税は、あれほど民主党が避けてきたテーマなのに、
世論が増税に対して案外前向きなことを察知すると、
自民党を仲間に引き込んで「10%を目安に検討したい」
と言い出しました。
悪くても共倒れという思惑のようです。
今は、国民の意向を気にしなければならない状況ですから
つまり選挙を控えているから、
国民の意向を気にしているのです。
前首相と違って空気が読めないKYな方ではありません。
国民の意向を気にしなければならない状況が続けば、
菅首相は国民の意向を忖度してくださるのでしょう。
その点からすれば、民主党圧勝にしてはいけません。
さあ、参院選が始まります。
参院選はどうなるのでしょう。
私は4月号で参院選の予想をしました。
そのときの内容は以下のようでした。
前提:①現時点の政党支持率を前提とする。
(その時点の概数を使用。民主党25%、自民党その他25%、無党派50%)
②政党支持派の投票率は8割、無党派層の投票率は5割とみる。
これで全体の投票率は65%で参議院選挙単独では最高の投票率です。
無党派層の投票率が下がると当然ながら全体の投票率が下がり、
民主党の当選者数は増えます。
選挙区投票 改選数73人に対する予想当選者数(詳細算出方法省略)
民主党 37人
自民党・その他の党 36人
民主党は、組織で戦い支持層(全体の20%強)以上に獲得する。
自民党・その他の党は、
選挙区選挙では無党派の少数党への投票が死に玉となる場合が多い。
比例区投票 改選数48人に対する予想当選者数
民主党 19人
自民党・その他の党 29人
無党派の支持は現在の支持率に比例して当選者数になる、と見る。
合計
民主党 56人
自民党・その他の党 65人
民主党は、改選議席数53人は上回るが、
非改選62人と合わせて118人で過半数121に到達しない。
ということでした。
それでは、現時点ではどうでしょうか。
6月11日時点の時事通信の調査では、政党支持率はこうなっています。
民主党 20.0%
自民党 13.2%
その他の党 11.9%
無党派 54.9%
この数字を使用して、前回と同じ計算方法で算出すると
選挙区 比例区 合計
民主党 32人 21人 53人
その他 41人 27人 68人
民主党の53人という数字は、
民主党が目標にしている54人を下回り、
非改選の62人を合わせても115人で過半数に達しない、
という結果です。
6月11日の後に、各党のマニフェストが発表になり、
菅首相が消費税10%目標を発表したことで
民主党の支持率は、各種調査とも下がっています。
ですが、
読売新聞の調査(6月21日発表)による民主党支持率は35%で
これを基に計算すると、民主党の当選は68人になります。
ずい分開きがあります。
私のこの予想の後、6月26日の2紙に予想が載りました。
朝日新聞は、民主過半数微妙、50議席台前半か、でした。
日経新聞は、民主「改選54」上回る勢い、となっています。
どちらも、予想数字自体はそれほど違わないのですが、
ニュアンスがずい分違いますね。
まさに、どうなるか「微妙」です。
このような予想記事が投票に影響を与える可能性もありますし。
この際は、やはり権威のある時事通信を頼りにしておきましょう。
この数字なら、
菅首相は「国民の機微」を見てくれるものと期待できます。
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