2022年5月17日火曜日

人はどうして自殺するのでしょうか?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 日本の自殺の状況はどうなっているのでしょうか。
 自殺を助けることはできないのか検討してみました。
ねらい:
 いじめの場合は、何としても助けてあげたいですね。
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最近、お二人のタレントの自死が続きました。
昨年の暮れには神田沙也加さんが35歳で亡くなっています。
お二人は、俳優66歳とお笑いタレント61歳です。
お二人とも現役で活躍中です。
俳優の方は自律神経失調症だったそうです。
お笑いタレントの方は最近、コロナもあり
本来の仕事が減ってきていたようです。

なぜ人は死ぬのでしょうか。
かたや石原慎太郎さんのように、
生きたい、生きたいという人もいるのに。

警察庁の自殺者に関する発表データはこうなっています。















これは令和3年のデータですが、死因が分かっている者の
複数選択結果の集計です。
 健康問題    9,860人
 経済・生活問題 3,376人
 家庭問題    3,200人
 勤務問題    1,935人
 男女問題     797人
 学校問題     370人
となっています。
今回の2人はどこに分類されるのでしょうか。

年代別で見ると、
家庭問題は 40代、50代がピーク
健康問題は 40代から80代まで幅広いですが、70代がピーク
経済・生活問題は 40代、50代がピーク
勤務問題は 40代がピーク
男女問題は 20代がピークですが、80代まで存在します
学校問題は 10代がピークで20代も結構あります。
納得のいく状況です。
 
自殺者の令和3年の総数は21,007人
(男性13,939人、女性7,068人)です。
男性の方が倍近くいるのはどう考えますか?
新型コロナによる死亡者数は2年間で約3万人ですから
それよりも多い人数が自殺をしているのです。

WHOの2015年前後のデータで世界を見ると、
10万人当り自殺者数は、以下のようになっています。
日本18.5人、フランス・米国13.8人、ドイツ12.3人、カナダ11.5人、
英国7.5人、イタリア6.6人、韓国26.5人
フィンランドなども高く、寒さゆえのアルコール依存症が多いせいだと
言われています。
いずれにしても国民性を反映しているようです。

お二人はなぜ死んだのか、それを避けることはできなかったのか、
が問題提起されていますので、私なりに分析してみました。









クリックして拡大してご覧ください。
以下、この分析図で、右上に✖が付いている問題点は、
それがうまく機能すれば、自殺を救うことができるが
そうならないと死に至る、というものを示します。

自殺に至るような悩み事は以下のような状況で進展すると思われます。
真ん中のラインが自分の心の動きです。
初めに、何かのきっかけで将来不安が発生します。
状況が大きく好転しないとそれがどんどん進んでしまいます。

下は自らが誰かにその悩みを相談するラインです。
これは、本当の初期段階でしか発生しません。
それを越すと自分の心の中に閉じこもってしまって
自ら人に相談することは起きません。

上のラインは、周囲の人間が気づいて、よい方向に導くものです。
導くのですから、
親、教師、上司、マネージャーなどでないとできません。
部下が上司の悩みの相談に乗るというのはおこがましいですからね。

そのような指導的立場の人がいれば、
「何か悩み事があるの?」と聞きます。
おそらく「いや別に」と答えるでしょう。それでも、
「そんなことはない。顔に書いてあるよ。言ってごらん」
と畳み込みます。
それでもすんなりいかないこともあるでしょう。
でも、追究するうちに、ボチボチ話し始めます。
そこで、親身になって相談に乗ります。
カウンセリングの原則で、すぐに結論が出なくてもいいのです。
少しずつ進展するでしょう。

親の場合でも、こういう対応ができないと、
子どもを死に追いやってしまいます。
親の教育が必要です。

上島さんの場合、周りで気がついていた人もいたようですが、
指導的立場ではないので、介入できなかったのです。

「指導的立場の人」に夫婦が入るかどうかは、
日ごろの夫婦関係によります。
関白亭主の場合は、もちろんダメですし、
変にお互いの立場を尊重している場合もダメです。
本人の気性としては、プライドが高い人もダメです。
他人の心配を拒否します。
亡くなられたお二人の夫婦関係がどうだったのかは分かりませんが、
結果からみるといい状況ではなかったのです。
上のラインのブレーキがかからないと、真ん中のラインは止まることなく
つき進んでしまいます。

こういう分析から見ると、以下のような相談ホットラインは
ほとんど機能しない、と考えられます。
ある程度進んでしまいますと、
自ら相談するということはないのですからね。
#いのちSOS
(特定非営利活動法人 自殺対策支援センターライフリンク)

「死にたい」「消えたい」「生きることに疲れた」など、

あなたのそんな気持ちを専門の相談員が受け止め、

あなたの状況を一緒に整理し、必要な支援策などについて一緒に考えます。


そこで、他の自殺原因の場合も、同じように分析してみました。
そうすると、上のラインの周囲の気づき・対応が有効な場合は、
「いじめ」でした。




木村花さんの場合や多くの生徒の場合が該当します。

それに準じて、経済・生活問題(生活困窮)の場合にも、
福祉事務所等が生活保護申請者等を対象に、
この気づき機能が期待されます。



経済・生活問題の内訳は、失業、就職失敗、事業不振、
生活苦、などです。
経済問題で死ぬ人は、将来に対する大きな不安
(いいことがない、悪いことがある)がある場合に
それを避けるために死ぬのです。
食事をするお金がなくなって今食べられない人は、
自殺ではなくて餓死するでしょう。
餓死者の統計はありません。

このほかの、「家庭問題」「男女問題」は
周囲の気づきではなく、周囲に相談できる人がいるかどうかが、
問題回避の決め手になるようです。





「健康問題」の場合は、相談相手の有無の問題ではなく、
生き甲斐となるものがあるかどうかが分かれ目です。


生き甲斐となるものがある場合は、
「病気に負けてたまるか」と生を希求します。
石原慎太郎さんの場合も、
病いに冒されながらあくまで生を希求していました。

ただし、健康問題の内訳は、
病気の悩み・影響(うつ病)、病気の悩み・影響(統合失調症)
病気の悩み・影響(その他の精神疾患)が、
病気の悩み(身体の病気)よりも多いようですから、
その場合は「気で治る」のは、難しいかもしれません。

今回のお二人の場合は、「自信喪失」「希望喪失」なのですから、
生き甲斐がなくなってしまっています。
この改善は並大抵ではできないのです。

特殊なケースですが、がん等による病気の激痛は、
誰にも助けることはできません。


この場合の「指導的立場にある人」は宗教家等でしょうが、それでもなかなか助けられないでしょうね。

大ざっぱな分析ですが、こんなことが分かったのです。

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