目的:
新型コロナウィルスについて
現在までに分かってきていることについて整理いたします。
随時更新してまいります!!
ねらい:
これだけ重大な影響を及ぼしている敵のことについて
正しい認識をしておきましょう。
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以下のような構成となっています。
1、そもそもウィルスとは
2.新型コロナウィルスとは
3.新型コロナウイルス感染症の罹患状態
4.新型コロナウィルスの感染力
5.新型コロナウィルスの脅威
6.新型コロナウィルスに対する免疫
7.新型コロナウィルスの合併症・後遺症
1、そもそもウィルスとは
以下の図出典:大幸薬品ホームページ
ウィルス | 細菌 | 真菌(カビ) | |
---|---|---|---|
大きさ | |||
基本的な構造 | |||
人への感染 | ウイルスは単独では増殖できないので、人の細胞の中に侵入し増殖する | 体内で定着して細胞分裂で自己増殖しながら、人の細胞に侵入するか、毒素を出して細胞を傷害する | 人の細胞に定着し、菌糸が成長と分枝(枝分かれ)によって発育していく 酵母細胞では出芽や分裂によって増殖する |
おもな病原体 | ノロウイルス、ロタウイルス、インフルエンザウイルス、アデノウイルス、コロナウイルス、麻疹ウイルス、風疹ウイルス、肝炎ウイルス、ヘルペスウイルス、HIVなど | ブドウ球菌、大腸菌、サルモネラ菌、緑膿菌、コレラ菌、赤痢菌、炭疽菌、結核菌、ボツリヌス菌、破傷風菌、レンサ球菌など | 白癬菌、カンジダ、アスペルギルスなど |
おもな感染症 | 感染性胃腸炎、インフルエンザ、かぜ症候群、麻疹、風疹、水痘、肝炎(A型、B型、C型など)、帯状疱疹、エイズなど | 感染性胃腸炎、腸管出血性大腸菌(O157)感染症、結核、破傷風、敗血症、外耳炎、中耳炎など | 白癬(水虫)、カンジダ症、アスペルギルス症など |
治療 | ウイルスは細胞膜がなく人の細胞に寄生しているため、治療薬は少ししかなく、開発段階のものが多い 抗ウイルス薬としては、ウイルスに直接作用するものと、免疫機能を調節するものがある ポリオ、麻疹、風疹、おたふくかぜ、日本脳炎などのウイルスに対しては、ワクチンの予防接種で予防するが、さまざまな深刻な感染症のウイルスについてはワクチン開発中若しくはない | 細菌の細胞に作用、あるいは増殖を抑制する抗菌薬が有効な治療薬で、細菌の特性に応じたさまざまなタイプのすぐれた抗生物質と合成抗菌薬がある | 真菌の細胞膜を破壊したり、細胞膜の合成を阻害する抗真菌薬がある |
(1)定義・構造
a.ウイルスの大きさは、数十nm~数百nmで、
一般的な生物の細胞(数〜数十μm)の100〜1000分の1程度。
b.ウイルスの基本構造は、粒子の中心にある核酸と、
それを取り囲む カプシドと呼ばれるタンパク質の殻から
構成された粒子である。
ウイルスによっては、エンベロープと呼ばれる膜成分を持つ。
c.ウイルスの核酸は,DNAかRNAのいずれかしか持たない。
注:DNA:遺伝情報の伝達において機能
RNA:タンパク質合成において機能
DNAウイルス (DNAしか持たないウイルス) は、
増殖の際に一度RNAに変換してから タンパク質を作る 。
RNAウイルス (RNAしか持たないウイルス)は、
RNAが遺伝子の役目を兼務しつつ タンパク質をつくり増殖する 。
(2)種類
・国際ウイルス分類委員会の分類では、
全部で3万種くらいのウイルスが見出されている。
・そのうち、哺乳類と鳥類に感染するウイルスは約650種である。
・1つの種はいくつものタイプに分けられる(100とか)。
(3)増殖法 出典:Wikipediaを基に上野が要約
1)細胞表面への吸着 以下の3.(2)感染の仕組み参照。
2)細胞内への侵入 同上
3)脱殻(だっかく)
細胞内に侵入したウイルスは、そこで一旦カプシドが分解されて
その内部からウイルス核酸が遊離する。
4)部品の合成
カプソマーなどのウイルス独自のタンパク質が大量に生成される
5)部品の集合とウイルス粒子の放出
別々に大量生産されたウイルス核酸とタンパク質は
細胞内で集合する。
細胞内で集合する。
細胞内で集合したウイルスは、細胞から出芽したり、
あるいは感染細胞が死ぬことによって放出されたりする。
(4)変異・ウイルスは、突然変異を日常的に発生させその特性を変化させる。
・そのため、
インフルエンザワクチンもその特性に合わせた対応が
必要になっている。
・新型コロナウイルスの場合は、
1か月に2個のゲノム塩基の変化が起きているという。
2.新型コロナウィルスとは
1)新型ウィルスとは 出典:Wikipedia
・新型インフルエンザ(しんがたインフルエンザ)は
インフルエンザウイルスのうち、
ヒト-ヒト間の伝染能力を新たに有するようになった
(ということは他の動物由来です)インフルエンザウイルス
を病原体とするインフルエンザウイルス感染症である。
・という定義からすると、
新型ウィルスというのは他の動物由来のウィルス
ということのようです。
2)コロナウィルスとは
・お馴染みのこの図です。
・太陽のコロナ(光環)に似ているところから
つけられた名称です。
・コロナだからといって感染力等が強いわけではありません。
コロナウィルスの図(国立感染症研究所の資料による)
3)新型コロナウィルスとは
・新型であるコロナウィルスです。
・既存のコロナウィルスは6種類あります。
SARSコロナウィルス
MERSコロナウィルス
ほかの4種は感染しても軽い風邪程度
・これに今回のコロナウィルスが新型として参加したのです。
3.新型コロナウイルス感染症の罹患状態
以下の表にまとめてみました。
日本の数値は、世界に比べてそんなに良いことはありません。
項目
|
日本
|
世界
|
PCR検査者数
|
8/27 1,397千人
(人口比1.1%)
陽性者数64.7千人
陽性者率 4.6%
|
日本の100万人当たり検査件数は世界で159番目の低位
|
感染者数/感染率
|
8/27 64.8千人
人口比感染率0.05%
(2000人に一人)
無症状者がいるので、実際はもっと多い。
|
8/28 2427万人
人口比感染率0.3%
(日本の6倍)
|
入院治療を要する者
|
8/27 10.4千人
陽性者数比16%
感染者数比16%
|
|
死亡者数/死亡率
|
8/27 1,226人
感染者数比1.9%
(50人に一人)
|
8/28 82.8万人
感染者数比3.4%
(30人に一人)
|
注:日本の感染者数はGoogleとりまとめ数値
それ以外の日本の数値は厚生労働省発表数値
世界の数値は、米国ジョンズ・ホプキング大学の発表数値
「少ない」「少ない」と言われ続けている日本の検査状況です。
日本の人口当たりの検査者数は、世界で159位!!
出典;Yahooニュース
世界各国のコロナ関連の統計を集計している米ウェブサイト
「worldometer」に、衝撃的なデータがある。
感染者数や死亡者数、重症者数などを列挙しているのだが、
注目すべきは100万人あたりの検査件数。
ナント、日本は28日時点で、
世界215の国・地域の中で159位なのだ。
(2)感染者数・感染率
日本の感染者は、人口2,000人に一人ということですが、
これを多いとみるか少ないとみるかです。
世界の感染者率の人口比0.3%は日本の6倍程度で
日本がそれほど低いわけではありません。
(3)入院治療を要する者・重症者数
日本の「入院治療を要する者」の数値は
8/8時点では13千人だったのが
8/27で10,4千人に減少しています。
表には載せていませんが、
8/27時点の重症者数は238人となっています。
死亡者は1,226人となっていますので、
重症にならずに急に死んだ人がいる計算になります??
このあたりのデータは信頼できないようです。
(4)死亡者数・死亡率
日本の1,226人は、
年間500人程度で推移している熱中症の死者数、
通常の季節性インフルエンザの近年の死者数3000人前後
と比較してどうみるかです。
日本の人口比では10万人に一人です。
世界の感染者数比3,4%は、やはり高い感じです。
かかると30人に一人は死ぬのです。
4.新型コロナウィルスの感染力
(1)ウィルスの生存時間
・空中では数時間
・繊維・段ボールに付着 24時間
(その物質の水分吸収性による)
・プラスチック・ステンレスの表面 2-3日
・なぜか銅では4時間
(2)感染の仕組み
図出典;日本経済新聞5月11日
・ウィルス表面にあるスパイクたんぱく質が、
感染する細胞側にあるACE2という受容体と結合する。
・細胞にある分解酵素によりスパイクたんぱく質が切断され、
ウイルスの膜と細胞の膜が融合しウイルスが細胞内に侵入する。
(3)感染・重症化に影響する要因
1)喫煙、高齢、心臓病、糖尿病、呼吸器疾患、高血圧、肥満
2)男性(日本では,ECMO使用の79%が男性)
3)血液型
a.ドイツの約2千人対象の研究では、
呼吸不全の起きる率はA型は平均に対して45%高く、
O型は35%低かった。
b.米国の75万人対象の研究では、
O型の感染率は他の血液型に比較して9-18%低かった。
c.新型コロナ以外では、東大他の研究で
O型の十二指腸潰瘍の発生率は、A型の1.4倍となっていた。
米国の研究では、
ノロウィルスやがん・心筋梗塞と血液型との関連
も指摘されている。
4)その他の遺伝情報
慶応大学、京都大学等では、
日本を含むアジア地域の人口当たり死亡率が低いので、
遺伝的要素があるのではないかと研究がされている。
欧米でもその研究が開始されている。
(4)新型コロナウィルスの変異
新型コロナウィルスも変異をしています。
このウィルスの変異は198か所、
分類でも17種類あるという報告もありますが、
大きく見ると、次の3種です。
a.中国型 原産の型でそれほど強くない。
b.欧州型 中国型がヨーロッパに渡り強毒化した。
これが世界バンデミックの犯人である。
c.米国型 欧州型が米国で変異した。
日本では、1-2月の中国型流入は封じ込めに成功しましたが、
3月以降旅行者から欧州型が広まり全国に感染拡大しました。
5.新型コロナウィルスの脅威
世界大不況を招くほどの影響を与えているのは、次の要因です。
1)感染から発症までの期間が長い(通常5-6日)。
そのため感染に気が付かずに感染を広めてしまう。
これまでのインフルエンザは感染するとすぐに発症した。
2)致死率が高い。
日本の致死率1.9%は、季節型インフルエンザの1桁上で
治療体制が今より悪い1920年の
スペイン風邪の致死率1.6%(死者数39万人)を上回る。
3)ワクチン・治療薬が開発されていない
(著名人の死亡情報が報道され、
罹ったらおしまいだと思ってしまう)
4)完全治癒しないで後遺症がある。
5)これだけ大騒ぎをしているのに、分からないことが多い。
(絶対の権威者がいない。人間は不明なことに恐怖心をいだく)
6.新型コロナウィルスに対する免疫
以下が報告されています。
・新型コロナウィルスの抗体は2-3か月しか持続しない。
(したがって、抗体の有無で感染したかどうかの判断はできない)
・症状の無い感染者の方が抗体が消失する割合が高い。
・しかし、抗体が消失したからといって
免疫力がなくなるわけではない。
(免疫力は抗体による方法とそれ以外とによる方法があるので。
免疫の仕組みの解明はまだ十分できていないようです。
ネットで調べても答えがでてきません)
・新型以外のコロナウィルス感染者が
新型に対する免疫(「交差免疫」という)を持っている人が
かなりいる。
・新型コロナに感染したことのない人の2-5割が
その免疫を持っている可能性があるという研究発表もある。
・その免疫は10年以上持続しているという研究成果もある。
・「交差免疫」の症状は、
他のインフルエンザウィルスなどでも確認されている。
7.新型コロナウィルスの合併症・後遺症
(1)合併症
・多く報告されているのが、血管の目詰まりを起こす血栓症です。
ウイルスが、血管に入り込み血管の内皮細胞を攻撃するのです。
・オランダの研究では,ICUに入った患者184人のうち31%で
血栓の合併症がみられた。
・過剰な免疫反応が起きる「免疫暴走」の症状も発生している。
(2)後遺症
以下のようにかなりの人が完全回復はしていません。
・米国の調査では、感染者640人のうち9割が完全に回復していない。
症状は平均して40日間続いている。
・中国武漢の医師団は、回復した25人の血液を分析したら、。
ほとんどが正常な機能を取り戻していなかった。
・イタリアの呼吸器学会は、
回復した人のうち3割に呼吸器疾患が残ると指摘。
退院患者の9割が発症から2か月過ぎても体の不調を訴えている。
・ドイツの研究チームは回復した人100人の6割で
心臓の炎症が続いている、
感染から数か月過ぎても4割弱が息切れや疲労感が残っている、
と報告。
・イタリアの入院治療後退院した143人の調査では、
その後、以下の症状を訴えた。
3つ以上の症状の人も55%に及んだ。
疲労感53%、呼吸困難43%、関節痛27%、胸痛22%。
・倦怠感や頭痛が残る、という症状は世界中で報告されている。
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