2018年6月15日金曜日

所有者不明の土地が九州の広さほどあるのですって!!


【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 広大な所有者が不明な土地の状況を知っていただきます。
 それはなぜ問題でどうすればよいのかを考えていただきます。


ねらい:
 今後の推移を見守りましょう。 


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これは6月7日の日経新聞の記事です。


所有者が分からない土地の利活用を促す特別措置法が、
6日の参院本会議で成立した。


都道府県知事の判断で最長10年間の「利用権」を設定し、
公園や仮設道路、文化施設など公共目的で
利用できるようになる。


ただこうした土地の面積は
九州本土よりも広いと推計されており、
公益目的の利用だけでは問題の根本的な解消に遠い。


民間による利用拡大を進める施策などが必要になりそうだ。


スゴイことですね。
国土が狭い人口過密の日本で、
そんなに所有者不明の土地があるのですか。
分けてもらいたいですね。


利用権を設置できるのは、
建築物がなく反対する権利者もいない土地。
持ち主が現れた場合は
期間終了後に原状回復して返すことになる。
のだそうです。


そもそも、所有者不明の土地はなぜまずいのでしょうか、
逆にいえば、不明の土地を無くする目的は何かです。


1)行政側から言えば、固定資産税の払い手がいないこと。
2)地域から見ると、権利者が不明のため
 再開発や地域活性化の障害になる、ということでしょう。


そこで、第2段の2020年めどの法改正で


・登記官に所有者を特定する調査権限を与える、
・自治体が把握できる所有者の死亡情報と
 国が管理している登記情報を結びつけ、
 誰が現在の所有者なのか迅速に調べられるようにする。


のだそうです。


そもそも土地の所有者は、
調べれば絶対に分かるはずです。


明治の時代に土地はすべて国・自治体を含め
誰かの所有になったのですから。
そこから相続で転々としているだけです。


因みに現在の法では、
相続した場合の登記は任意なのだそうです。
なぜ、任意なのでしょうか?不思議です。
それを義務化するそうです。
当然でしょうね。


戸籍謄本を調べれば所有者に対する相続権者は分かります。
関連する住民票などと突き合わせていけば、
それらしき人が分かるでしょう。


そういう人がいなければ、これは本当の意味で所有者不明です。
収用してもいいのでしょう。


この調査には手間暇がかかります。
そのコストを誰が負担するのか、が問題です。


この記事でも、こう述べられています。


放棄された土地を誰が管理するのか、
管理する費用を誰が負担するのかなど
具体的な制度設計を巡る調整は難航することが予想される。


所有者不明の土地を無くすことが目的ではなく、
前掲の2点が目的のはずですから、
その必要性を感じる主体が負担すればよいのです。


さっさと進めればいいのに、と思います。


付言
実は今回の特別措置法には、
所有者不明の土地対策だけでなく、
以下のような、道路建設のために立ち退きを要求されている
私個人としては非常に気になる条項が含まれています。


道路や町づくりなど公共工事の妨げになっている土地について、
都道府県の収用委員会の審理を経ずに取得できる。

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