2018年6月15日金曜日

塀のない受刑者収容施設の今後の方針


【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 「塀のない刑務所」の今後の方向について確認していただきます。
 目的重視の適切な判断がされたことをご認識いただきます。
ねらい:
 日本社会が目的重視の思考を強化していくことを
  期待いたしましょう。


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日本社会の現状または今後の展開に少し安心した記事でした。
6月7日の日経新聞の記事です。


塀のない開放的矯正施設の松山刑務所大井造船作業場からの
脱走犯が世間を騒がせました。


塀のない施設などやめてしまえという意見も出て
行く末を心配していました。


ところがこうなったのです。
日本の良識健在なり、というところです。


法務省の検討委員会の結論です。


受刑者が寝泊まりする寮にセンサーを設置して
監視を強化するとともに、
面接などで心情把握に努めるのが柱で
作業場は存続させる。


GPSを使った装置を受刑者に付ける案は、
「受刑者の信頼性を前提に、普通の生活に近い処遇で
社会への適応力を育成する」
という開放的施設の意義と相いれないとして見送られました。


具体的な対応策は
寮の外壁に赤外線センサー、周辺にセンサー付きカメラを設置し
寮の出入り口には電子錠を導入。
寮の窓を人が通り抜けられない幅にした上で、
ガラスを割れにくくする防犯フイルムを貼る。


心情把握については、
受刑者ごとの担当を決めて
職員が面接し、心理技官も専門的見地から助言する。


作業場では、
受刑者が役割を分担する「自治会」制度があったが、
上下関係の意識を生みだしていたとして、
新たに係活動の形に変え職員も関与する、ようにする。


以上の案は、
もともとの開放的矯正施設の設置目的から判断した
本質的問題解決策です。


「そんな施設やめてしまえ」「塀を作れ」などの
短絡的問題解決にならなかったのは
たいへん良かったと思います。


別項の「運動会は負担がたいへんだから午前で終りにする」
とは真反対のアプローチです。


なぜ真反対の方向性が示されるのでしょうか。
それは誰の意見か、ということです。
運動会の方は、
一部の偏った「大衆」の意見に振り回されているのです。


こちらは、良識ある法務省の委員会です。


ただし、これから先の不安もあります。
この委員会の意見は、「べき論」理想論です。


実際にこれを実現するとなると、
コストの負担だけでなく、施設の職員の負担も増えます。
現実にこの案どおり実現できるかどうかは未知数です。


でも先ずは、方向性を誤らなかったのは、
一安心でした。
今後に期待しましょう!!

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