2018年6月15日金曜日

運動会が時短ですって!!!


【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 運動会の「時短」について考えていただきます。
 負担は意義・効用(目的・ねらい)とのバランスで考えるべき
 という事例としてご研究いただきます。


ねらい:
 一方的判断で事を動かすのはやめてほしいですね。


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6月5日の日経新聞社会面のトップに
大きく以下の記事が載っていました。


運動会「午前だけ」急増 小学校で時短化
   入場行進なし/種目数少なく
    授業数確保や共働き配慮


急増と言うので、どれほどか?と思い読んでみました。


全国的なデータは示されてなく、
札幌市  201校のうち82校が午前のみ、午前だけは昨年の3倍になった。
愛知県安城市  21校のうち9校が午前中で切り上げた。
の例が示されていただけです。


運動会の時短化は全国的な傾向。
特に今年度は午前中だけの開催が目立った。
ということは書かれていましたが、全国的な状況は分かりません。
(日経新聞の意図はどこにあるのでしょうか)


時短化のための工夫として、以下が紹介されています。
 開会式の入場行進をなくす。
 玉入れはなくす。
 競技の入退場の時間を減らす。
 徒競争のコースを5から6へ増やす。
 徒競争を低学年だけにする。


なぜ、時短化かというと、学校側の言い分はこうです。


20年度実施の新学習指導要領で、
「外国語活動」の導入などで授業の負担が増し、
運動会の準備に避ける時間が減る。
今から試行しないと2年後に間に合わない。
(ある札幌市の小学校の教頭の意見)


安城市ではホームページで
「共働きの夫婦、母子・父子家庭などの負担に配慮し、
弁当の必要のない午前中だけの運動会をお願いします」
という保護者の意見を公表しました。


保護者から
「弁当作りや場所取りなど負担が大きい」という意見が
寄せられていたという。


かたや、
楽しみにしていた競技や種目が削られることを
残念がる児童もいる。
安城市の教育委員会では、
「多くの声を聞きながら、一番良い形を模索していく」と話す。
となっています。


結びの教育評論家の尾木直樹氏の意見はこうなっています。


「運動会はみんなで持てる力を出して成果を得る
という重要な役割がある」
練習も含めて時間を削るなら
「競うだけでなく、運営も児童が担うなど、
運動会のかたちを見直すことも必要」


ここから私の意見です。
尾木さんの言われるとおりで、
運動会は何のために行うのかの意義・目的が重要です。


その意義・目的と実施のための負担をバランスにかけて
判断すべきで、
一方的に主催側の負担を減らすという方向は
いかがなものでしょうか。


クレーム的な意見があるとすぐにそれに従うのは、
日本の、特に地方行政レベルの弱点です。
モンスター・ペアレンツはごく一部なのです。
その意見に従うのは、多くの人の満足を奪うことになります。


「弁当の負担がたいへん」などは、論外です。
母子だろうが父子だろうが、
大事なイベントでの自分の子どものための
労を厭うことがあってはならないでしょう。


その発想だと、
先日の目黒の幼児虐待死事件につながってしまいます。


むしろ、生活保護者とかで
まともな弁当を作ってあげられない家庭もあります。
それだとその子どもはかわいそうですので、
残念ですが、弁当はやめて給食にするとかすればよいのです。


実際にそうしているところもあるようです。
なぜか、最近弁当方式が復活してきているようですが。


「弁当のために運動会が午前で終り」
などは考え方として論外でしょう!!


負担は
得られる効用・価値とのバランスで考えるべきものです!!


因みに、運動会の準備の負担がたいへんなら、
そのやり方の改善もありますが、
むしろ授業時間を減らせばよいと思います。
運動会の練習時間はそのくらい価値があるものです。


あるいは、練習時間のことを考えて
年間の授業時間を設定すればよいのです
(おそらくそうなっているのだと思いますが)。


  
  

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