2015年2月14日土曜日

「100年予測は可能なのか」 日本どうなる?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 100年先を読むことを考えてみましょう。
 100年先を読んでみましょう。
 日本・中国・米国はどうなっているのでしょう。

ねらい:
 これからも先のことを考えるようにしましょう。

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このテーマ名は、東大経済学部の同窓会誌「経友」の
191号(2015.2)に新井淳一氏(日本経済新聞社元副社長)
が書かれた寄稿文のタイトルです。

氏は昨年刊行されたジョージ・フリードマン氏
(影のCIAと言われるらしい米国情報機関ストラトフォーの創業者)の
「100年予測」を読まれてこの寄稿をされています。

氏には、100年先を考える機会を与えてくださったことに感謝します。
氏の寄稿から主な内容をご紹介します。

1.フリードマン氏の21世紀予測
1)盛衰はあるが、基本的には世紀を通じて米国の時代が続く。
  米国の海軍が世界中のすべての海を支配している。

2)米国とイスラムとの間の戦争は近く終局を迎える。

3)勢力を回復したロシアは米国と第2の冷戦を引き起こす。
 20世紀の冷戦と比べればはるかに小規模で、
 前回同様、ロシアの崩壊で終結する。

4)米国支配への次の挑戦者は中国ではない。
 中国は本質的に不安定だ。
 沿岸部が豊かになっても内陸部は貧困のまま。
 国内で緊張・対立が深まる。
 加えて中国は海軍国ではない。

 (上野注:現在中国が海軍力を鋭意強化中なのは
  どう評価するのか)

5)今後、力を蓄えていき傑出する国になるのは、
 日本、トルコ、ポーランドである。

6)軍国主義の歴史を背負う日本が
 平和主義的な2流の大国のままで満足するはずがない。

 (新井氏・上野注:人口減で国家滅亡の危機。そんな余裕はない)

7)バルカン、コーカサス、アラブはどこも混とんで不安定だ。
 その中でトルコは混沌の中心であり、今後影響力を高める。

8)ポーランドの台頭の裏側にはドイツの衰退が絡む。
 ドイツは人口が急激に減り、外交的にはロシアに接近する。
 米国と一緒にロシアとの冷戦を戦う欧州の同盟国の盟主は
 ポーランドだ。

9)今世紀半ばには、新たな世界大戦が起きる。
 トルコ・ポーランド・日本が組み、米国連合と戦う。

 米国が3国の台頭を抑えようとして圧力をかけ、
 どの国も欲しないのに戦争になる。
 日米戦は宇宙戦争だ。結局は米国の勝利に終わる。

 (上野注:そこまで日本が軍事力を強化できるとは思えない。)
 今の日本の骨抜き精神で誰がそんな勇ましいことを考えるのか?)

10)大戦の勝利で米国は黄金の60年代を迎える。

11)世紀の終わりにはメキシコが台頭し米国と争う。
 米国南部地域で、
 人口バランスが崩れメキシコ人の比率が圧倒的な高さに。
 その結果、両国関係が悪化、戦争に至る。


2.新井氏の掲げる過去の長期予測の当った例
1)1952年に連載の始まった手塚治虫氏の「鉄腕アトム」
 主人公のアトムは2003年生まれとなっていた。
 鉄腕アトムの世界は2003年の日本でほとんど実現できていた。

2)レオナルド・ダ・ビンチは1505年に飛行機の予測をした。
 「鳥の飛翔について」という論文で
 「鳥は科学的な法則に従って動いている機械であり、
 人間もこの機械と同じものを作ることができるようになる」 
 と述べている。
 実現したのは400年後である。

3)トルストイの1886年作「イワンの馬鹿」
 30年後の現実の世界戦争のような空中戦争を描いている。
 飛行機が戦争で本格的に使われたのは第1次大戦である。

フリードマン氏は
「世紀を作る奔流」を掴んでいれば長期予測はできる、
と言っている、そうです。

3.新井氏の掲げる「奔流」
1)米国は経済、軍事、政治のいずれをとっても世界最強の国であり、
 そのパワーに本当の意味で挑戦できる国はない。

 しかし、21世紀も米国の挑戦する国もでてきて、
 20世紀よりさらに多くの戦争が起きる。
 戦争はたいてい偶発で起きる。

2)人口爆発の終焉が起こる。
 2050年になれば、先進国の人口は劇的に減少、 
 2100年までには途上国も総じて人口は横ばいになる。
 人口の増減が国の盛衰につながることがますます明確になり、
 世紀の半ばから先進国では現在と反対に移民の争奪戦が起きる。

3)国内に対立・不安が多くそれを克服できない国は
 発展しても限りがある。
 民族・宗教・文化の対立は20世紀と同様に国の命運を左右する。

4)宇宙を支配する技術、エネルギー技術の長じた国が力を付ける。

5)国と国の関係を地政学の観点から見る必要が
 従来にも増して重要になる。

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さて、100年予測といいますが、技術問題と政治・社会問題では
予測の難易度が異なると思われます。

前掲の当った3例はいずれも科学技術問題です。

政治・社会問題は多くの要因が絡むので予測は簡単ではなさそうです。

別稿の「日本国危うし!!歴史から学ぶ『国が滅びる時』!!」で
解説されたように歴史を参考にするしかなさそうです。

その点からすると、国が滅びる要因は、日本が最も大きく、、
米国は滅びる要因が少ないということが言えそうです。

◎:危険水準、〇:該当している、△:やや該当している、―:問題なし
国の滅びる要因
日本
中国
米国
工業社会への過剰適応
―注1
安全保障の軽視
移民による民族性の喪失(注2)
人口減少
経済至上主義
富の不平等(注3)

注1:米国は金融・IT・サービス産業化して
    いち早く脱工業社会となっている。

注2:移民による民族性の喪失については、
  各国とも直接これに該当することはなく、
  単に民族性の喪失として評価しています。

  日本:敗戦と戦後の占領軍施策により民族の誇りを喪失した。
  中国:多民族・少数民族との争いが起きている。
  米国:移民による多民族のるつぼ・混淆状態を力にしている。

注3:富の不平等を示すジニ係数(4.0が危機ライン)は、
  日本2.7(低い)、中国6.1、米国4近い

この分析が正しいとすると、フリードマン氏の予測は、
アメリカが勝つ(強い)という点は当っているようですが、
日本の予測については外れですね。
「何か天変地異・奇跡が起きない限り」

さあどうなるのでしょうか!!

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