【このテーマの目的・ねらい】
目的:
北朝鮮の核実験について考えていただく。
核不拡散条約の不条理について考えていただく。
ねらい
世論やマスコミの報道を鵜呑みにしないで、
「おかしいものはおかしい」と
公平・客観的に考えるようにしていただく。
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2月12日の北朝鮮の地下核実験に対して
非難の声が巻き起こっています。
核不拡散条約や国連安全保障理事会決議にも違反する、
と米国等はその不法性を非難しています。
日本初め多くの国もそれに同調しています。
たしかに、核実験はしてほしくないことですし、
国際世論の反対を押し切って強行ということは
嬉しくないことです。
しかし、一方的に北朝鮮を攻められる問題なのでしょうか。
核不拡散条約は、1970年に発効した条約で
2010年6月現在で190カ国が締結しています。
ご承知のように、条約制定時に核保有国であった
米ソ英仏中国以外の核保有を認めないというものです。
この条約の元は、
核兵器廃絶を主張する
我国政府および核兵器廃絶運動団体の活動によって
核兵器廃絶を目的として制定されたものです。
ねらいは、
2度と核兵器による被害者を産みださないことです。
あるいは、どこかの国が核兵器を武器に
国際平和を乱すことがないようにすることです。
したがって、核保有国の核廃絶の努力についても
規定しています。
しかしながら、核軍縮の動きは遅々たるものであり、
核保有国を固定化する不平等条約である
と言われるゆえんとなっています。
そもそも、核兵器による攻撃は
民間人への無差別攻撃を禁じた国際法違反です。
その「国際法」は、1977年に署名された
「1949年8月12日のジュネーブ諸条約の
国際的な武力紛争の犠牲者の保護に関する追加議定書」
が成文化されたものだそうです。
したがって核兵器は、
まともな国家では使用することのできない兵器なのです。
それなのになぜ高い予算を使って保有するのでしょうか、
それはご承知のように「攻撃抑止力」です。
「戦争を仕掛けてくると核で反撃するぞ」との脅しで
攻撃を受けることを防止しています。
持っていることに意味があるのです。
冷戦時代は、その意義が大いにありました。
自由主義圏と共産圏の争いで、陣取り合戦をしていました。
ソ連は中国を支援して核を持たせたのです。
それによって自由主義圏3国と共産主義圏2国で
均衡を保っていました。
戦争抑止力が働いていたと言えるでしょう。
しかし今はどうでしょうか。
現在、核不拡散条約に加盟していないのは
インド、パキスタンとイスラエルです。
北朝鮮もです。
インド、パキスタンは隣国犬猿の仲で
準戦争状態です。
お互いに核兵器が抑止力になります。
イスラエルは周りをアラブに囲まれていますから
通常兵力の戦いでは勝ちめがありません。
北朝鮮は、これだけ孤立していたら、
核を持って対抗するしかないでしょう。
今回は中国もこの核実験を厳しく批判しています。
実は北朝鮮と中国の関係は、
以前のように持ちつ持たれつではありません。
おそらく、北朝鮮の核保持アピールの意図は
中国にも向けられていたと思われます。
場合によっては中国にも打ち込むぞ、ということです。
それによって中国からの支援強化を引き出そうと
いう意図でしょう。
それを察するからこそ中国も強硬姿勢なのです。
(注:この3ブロックの想定部分は上野の想定です)
話を戻せば、
核不拡散条約の趣旨からすれば、
核保有国が直ちに核兵器全量廃棄をするのなら、
他の国に非保有を訴えることが正当化されます。
「おれは持っているけれどお前には持たせない」
こんな理屈は通りませんね。
不条理です。
早く全面核廃絶が実現できなければなりません。
そうしたら、核保有は許されることではなくなりますが、
皆が核保有を止めた時に、
どこかの国がこっそり保有したらどうなるでしょうか。
そう考えるとけっこう難しい問題ではありますが、
北朝鮮だけが100%悪い
ということは言えないのではないでしょうか。
1 件のコメント:
ご貴殿のご意見に賛成。既存の核保有国が自らのことを
棚に上げて、イラン・北朝鮮を責めるのは確かにおかしい。
「われわれも核を廃棄するから、君たちも作るのをやめようよ」
というべきでしょう。
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