【このテーマの目的・ねらい】
目的:
日本人と中国人・アングロサクソン民族の違いを
多方面から知っていただく。
日本人の特性を再認識していただく。
ねらい:
今後、中国人・アングロサクソン民族と接する際の
参考にしていただく。
世界の民族・文化に対する理解力を高めていただく。
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先日、ある研究会で
日立製作所役員OBの久野勝邦さんの
「日本文化の特徴(日本人の美点と弱点)
という講演を聞きました。
久野さんは技術屋さんなのですが、
現役時代に30カ国に150回以上出かけたそうです。
その過程で、日本と各国の国民性や文化の違いに関心を持たれ
引退後に、以下のような著書をモノにされました。
進化する世界と和魂の見直し
アングロサクソンと日本人
中国人と日本人
未来を築く「人間の器量」
その時の講演で
いくつかの新鮮な知見が得られましたので
先刻ご承知の方もおられるでしょうが、
そのいくつかを順不同でご紹介します。
1.日本人の思考法には未来という概念が希薄
過去から現在が大事で、先のことは分からない、
と考えている。
古来の日本語には未来形はなかった。
(英語のWILL,SHALLに相当する助動詞がない
ということなのでしょう。詳しくは分かりません)
死んだら終り。死後の世界はない、と考えている。
将来の危険性・可能性を検討するリスク
という言葉・概念が日本語にない。
これは初耳で驚きでした。
確かにリスクの日本語はないですね。
リスク概念がないだけでなく、
リスクを取らないのです。
その例として、
5月27日のフジテレビ新報道2001で
こういうことを言っていました。
日本は石油危機の時のエネルギ確保を
石油輸入の権益確保を第一として、
日本の近海にたくさんある海底資源の探索・獲得は
リスクがあるので
誰も投資しようとしなかったのだそうです。
その技術や実績が十分あれば、
今や世界中の強大国が狙っている
海底資源の獲得競争の先端を切ることができたのです。
(今からでも頑張れば間に合うようですが)
2.日本人のリスク管理の甘さ
「天災は忘れた頃にやってくる」 甘さ
「未必の故意」『何もかも考えるのは無理」 怠慢
「絶対安全」 リスク管理の放棄
「最悪事態まで考えたら何もできない」 放棄
「想定外」 これも放棄
そのとおりで、面白い着眼です。
3.日本の文化と欧米の文化の比較
日本人の感覚
定常・安定した世界観
現状の安住の中で生きる
欧米人の感覚
進化・発展する世界観
将来への挑戦の中に生きる
日本人の意識
母性原理の意識
自然環境の中で進化した
共同体社会(ゲマインシャフト)
調整型リーダ
皆の一体感を重視(水平思考)
関心は内部中心
成り行き任せで誰かが助けてくれるという期待感
集団主義。権威主義の意識
集団の秩序・和を大事にする
性善説を信じようとする
信頼関係を重視(誠意が重要)
平等社会を目指す
草食系
欧米人の意識
父性原理の意識
闘争する民族関係の中で強化された
機能体社会(ゲゼルシャフト)
率先型リーダ
関心は外部中心
上の立場で考える(垂直思考)
情報を把握して、
自分で全力を尽くすという使命感
個人主義・自由主義の意識
個性を尊び、自由に討議する
善悪両面があると理解している
契約関係を重視(論理が重要)
格差を当然視する
肉食系
4.中国、日本、アングロサクソンの思想比較
中国 無神教 利己主義
先祖崇拝、子より親を大事にする。
私益のため、自己の能力を最大限に使う。
アングロサクソン 一神教 個人主義
公益のため、自己の能力を最大限に使う。
日本 多神教 集団主義
あらゆるものに神が宿る。
「捨てる神あれば拾う神あり」
共益のため、周囲との調和に最大限努力する。
私益より共益を大事にする日本の素晴らしさ
子孫・国家の為という公益に対する使命感が課題
5.日本人と中国人の行動原理
中国人:異民族征服
本能と面子の世界、道徳観希薄
「水清くして魚棲まず」
日本人:異民族征服・被征服の経験なし
道徳と道理を重視(周囲へ配慮)
基本特性が狩猟民族と農耕民族と言うことです。
土地に結び付けられている農耕社会では
集団の和がなければ社会が成り立ちません。
日本人は、その面では基本的に「保守」派です。
6.日本語と中国語
中国語:時制がなく、助詞語尾変化もない。
単語間の関係は推量による。
(へーえ!これでは、
自分に都合のよいように解釈できるということですね)
日本語:受身・あいまい表現が多い
(女房が逃げたと言わずに、
「女房に逃げられた」と言う)
上野意見:
ご承知のように日本語では主語がない場合が多い、
責任を明確にしないのですね。
何でも神や集団の責任なのです。
以上雑駁なご紹介で申し訳ありません。
久野さんは、
グローバル時代の「これからの日本」についても
建設的な意見を述べておられます。
関心ある方は、前掲の久野さんの著書をご覧ください。
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