2012年4月23日月曜日

日本経済立ち直りの鍵 介護事業経営者の育成方法

【このテーマの目的・ねらい】

目的:
 やはり国としての経済成長促進策は必要である
          という主張を知っていただく。

日本の経済成長を担わなくてはならない福祉産業の
         振興策上野案を知っていただく。

ねらい:国の施策として取り上げてほしい。 

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「成熟日本への進路」の論の大前提は、
日本ではもう経済成長は期待できない
ということのようです。


しかし、成長を期待する人たちと議論すれば
「ここ10年以上成長できていないことは認めるが
これから成長できない、
ということはどうやって証明できるのか」
ということになるのではないでしょうか。


そこで考えてみました。
どうすれば成長が実現できるのかと。


しかしそもそも、
なぜ成長しなければならないのでしょうか?


 人口が同じでGDPが増えれば
1人当たりGDPは増えます。
豊かになります。

今や1人当たりGDPは、主要先進国中で最低です。
つまり日本人は貧乏なのです。


稼いできた貯蓄があるので貧乏ではないようですが、
現時点の貯蓄率はこれまた最低になっています。
蓄えもいずれ底をつきます。


これから、
年間1%ずつ労働力人口が減っていきますが、
1%以上の経済規模の縮小があると、
1人当たりGDPは減少し、さらに貧乏になります。


 国民が豊かさを取り戻すには、
少なくとも年間1%以上の成長を期待したいものです。
1%以上の成長なら、経済規模の拡大ができます。
とにかく
成長戦略=産業振興政策は必要ではないでしょうか。


ご承知のように、
日本でも高成長をしている企業があるのです。
日本電産、ユニクロ、楽天、ソフトバンク、イオン、
などです。


これらの企業は、
年率2ケタか2ケタ近くの成長をしています。

多くの企業がこの成長率なら、
日本経済自体も高成長になるのです。


これらの企業に共通しているのは何でしょうか。
創業者社長が陣頭指揮で頑張っていることです。

しかも長い間、社長として采配をふるっています。


これらの会社は意思決定が早いのです。


伝統的な日本の産業である電機業界で、
日本の大手は大きな赤字で危機状態であるのに対して
韓国のサムスン,LG電子は
日本を追い越してしまいました。


何が違うのでしょうか。


やはり、意思決定の早さです。
現代自動車もその点で頑張っています。


この技術進歩が急速な時代に
意思決定の遅れは命取りになります。


トップが責任を持って
案件をてきぱき捌かなければ、
競合に遅れをとります。


そこで、
「どうやって自己責任型の経営者を育成するか」
が、日本の成長課題となります。


波頭氏の論でも教育の強化がその対策でした。


そこで、
これから必要な介護サービス事業を対象にして、
その事業家育成策を考えてみます。


もともと日本人の資質は低くないのです。
OECDで実施している各国の知的水準を測定する
PISAという調査では、
2000年時点で、

 数学的リテラシーでは1位
 科学的リテラシーでは2位
 読解力リテラシーでは8位

です。その後はどんどん落ちていますが。


そういうポテンシャルがあるのですから、
的確な教育をして
優秀な経営者を育成するのです。


類似の育成機関に「○○塾」とかがあるようですが、
本案は、介護福祉サービスに特化していることが
特長です。

以下がその育成構想の骨子です。
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介護事業の経営者を育成する教育センタを
全国7か所程度に、国か地方自治体が設けます。

教育は、高等教育修了者を対象にした、
半年程度のコースとします。

言わば、介護事業者向けのビジネススクールです。

入学時点で、厳しく適性検査をします。
積極性、強靭性、明朗性を重視します。
これのない人は、経営者として不適です。

教育内容は、以下の内容を中心にします。

 論理的思考法
  問題解決手法
 業務改善手法
 事業分析手法
 コミュニケーション手法、交渉術
 一般的経営手法・マネジメント手法
 営業手法

介護事業の理解
 関連法規
 介護事業のマネジメント

介護事業のマネジメント部分については、
ケースメソッドも利用し、
経験者・実務者が指導するようにします。

その一環で、
実際の経営で遭遇する問題を検討するチーム演習を
以下のテーマで実施します。

 事業開始企画の立案
 立地の検討
 施設の設計
 施設の構築
 従業員の採用

 サービス運営方針の設定
 入居者募集(営業)
 サービス運営の問題解決(3ケース程度)

資金繰り
 業績把握
 業務改善(経費削減、生産性改善、等)

 施設の拡充

このコース修了者が開業する場合は、
開業資金を融資します。

従業員給与の半分は公的補助とします。
(波頭氏も指摘しておられましたように
介護従事者の給与は
信じられないほど低いのです。
あの重労働で、学卒初任給の6―8割です)

その後、この卒業生を対象にした
フォロ研修や相互交流の場を設けます。
お互いに競合相手ではありますが、
本当の競合相手は、お客様です。

お客様に満足いただける方法を
           一緒に研究するのです。

万一、事業者が破たんする場合は、
そこの入居者等については、
公的機関が責任を持って
      次の施設を斡旋するようにします。

入居者からすれば面倒ですが、
現在入居待ちの不便を味わっている
ことからすれば、ましでしょう。


開業条件を厳しくすれば、
新規参入者は増えません。
廃業のリスクは覚悟すべきではないでしょうか。

以前、大手介護事業者が破たんしました。

それは、
不当な介護保険料の不正請求が発覚したことが、
発端でした。

その原因は、
介護保険料率が低く設定されているために
まともな請求では経営が成り立たないという背景が
あったと思われます。

このようなことが起きないように、
適切な経営が成り立つような制度設計が重要です。


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