2017年12月19日火曜日

「逆説の日本経済論」


【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 これからの日本がどうなっていくのか、どうすべきかを真剣に考えてみましょう。
 特に、高齢化=明るいという点の研究をしていただきます。


ねらい:
 日本国民全員で少しでも将来が明るくなる努力をしましょう!!


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この本は、斎藤史郎氏(日本経済新聞編集局長など歴任)が
編著をされたものです。
副題は「14人の識者が俗論を撃つ」となっています。



これだけの識者の意見を短期間に集められたことは、
驚異的です。
編者の凄腕を感じます。


しかし、インタビュの際にご自分の意見が出すぎて
相手の素直な論の展開を邪魔している
という感じのところが見受けられました。


私から見ると、逆説でなくて正論だと思うものがほとんどで、
俗論に対して正論の主張というとらえ方が
当たっていると思います。
タイトルはマスコミ的です。


1編を除いて、編者のインタビュ形式での著述となっています。


冒頭は、私が大尊敬する永守重信氏です。
私は、2011年9月17日の「哲人永守重信社長」で、
以下のように紹介しています。
その時の原典は雑誌致知での牛尾治朗氏との対談でした。
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これまで赤字会社を30社買収して
どの会社も黒字になった。
(上野注:これは凄いことです。
この偉業を成し遂げた人は他にいないでしょう。
ギネスものです)

1年で過去最高益になった会社もある。

6Sを重視している。
 整理、整頓、清潔、清掃、作法、躾
ダメな会社は士気が落ちていて、
これらがダメになっている。
汚い会社はダメだ。
それは経営者の責任だ。

だから、6Sの徹底から始める。

なぜ儲かるようになるか。
能力の差は2倍からせいぜい5倍どまり。
これに対して「やる気」の差は百倍の結果になる。
「やる気」を出させることがカギだ。

買収した会社では、自分で現場に通う。
伝票を1枚1枚見たりする。
そうして問題を見つけ出す。
経営の問題なら直ちに変えていく。
頑張る人に報いることも迅速に行う。
頑張れば報われるということを見せることが重要だ。

会社がダメになる要因は以下の6つである。
 マンネリ、油断、驕り、妥協、怠慢、諦め
後の3つに陥ったら取り返しがつかない。

いつも社員にこう言っている。
「どんな辛いことがあっても自分の人生はもうダメだ
と決して諦めるな、逆にチャンスと思え」


成功には運気が必要だが、
自分のやっていることに惚れこまなければダメ。
2世経営者が惰性でやっているような会社は
すぐダメになる。

誰よりも朝早く起きて、
気合を入れて会社に行きます。
気合いを忘れると家内が「掛け声!」と言うから、
「おーっ!」と叫んで出てくるのです。

成功には挫折体験が必要である。
そのため、
これという人間には大きなミッションを与えて
失敗させる。
そうして人間は成長していく。

30億円から50億円くらいの失敗は許す
覚悟が必要だ。
5人なら150億円で、そこまで使ってようやく
そこそこましな経営者が出てくるという感じだ。

「人の倍働け」「勝ちにはとことんこだわれ」
「従業員は大切にしろ。
自分の給料はゼロになっても従業員は守れ」

というような考え方は母親から教えられた。

経営者には犠牲の精神、奉仕の精神が必要だ。
日本企業の経営者は
真剣にやったら一番割に合わない。

仕事が一番好きで、
この会社が好きだという人が
経営をしなければならない。

リーダーたる者は
会社が大きくなるにつれて
高い理想、夢を追求していかなければならない。
経営とは夢を形にすることだ。
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今回、追加されていたのは、以下の内容でした。
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【働き方改革について】

永守
 これまで「すぐやる、必ずやる、出来るまでやる」とか、
 「情熱・熱意・執念」と繰り返し言ってきました。

 高い士気のもとで、みんなが力を合わせて
 一生懸命働くのが基本です。


 1人の天才より100人の凡オ。
 1人の100歩より100人の1歩です。


 ところが、従業員が一生懸命働いていることを
 安易に批判する声がある。


 目標を持って研究開発している社員の中には休日出勤してでも
 研究したい人が結構おり、
 自主的に働いているのに、すぐに、働き過ぎじやないかと。

 これは全くおかしい。


 今時、働きたくない人を無理に働かせたら全員辞めますよ。
 優秀な社員なら、いくらでも行くところはあります。


 休め休めとさんざん言われていますが、
 一生懸命に働くことまで否定したら、
 日本からグローバルに通用する強い会社は生まれてこないですよ。


 それで、中国企業とか、韓国企業とかに勝てるのかと。
 そうでしょう。

 だから、我が国の多くの企業が、韓国企業に負け、
 中国企業に負けてリストラの嵐になつてしまっているのです。


 確かに、仕事もないのにダラダラ残るとか、
 残業手当もきっちり払わずに働かせるとか、
 これは絶対にだめです。


 こうした点は正すべきで、働き方の改革をしないといけません。
 例えば、従業員に何故あなたはこの会社の管理職に
 なりたくないのですか、と聞くと、
 管理職になったら遅くまで働かないといけないから、と。

 そういう働き方は間違っているんですよ。


 また、いま日本電産には世界中に、10万人以上の従業員がおり、
 日本には1万人弱、残り9万人以上は外国人です。


 アメリカだったら、時間がきたらパッと帰ってしまうでしょう。

 ヨーロッパだったら一ケ月夏休みを取る国もあるわけです。
 それでも業績はそう悪くない。


 みんな利益を上げているわけです。
 だから、日本でも働き方の改革をしないといけないのです。


 調べてみると、
 OECD加盟諸国の労働生産性で日本は20位そこそこですが、
 上位を占める欧州諸国と比べると約半分しかありません。


 グローバル化が加速度的に進むなか、
 働き方を改革して生産性を現在の2倍にしないと
 グローバルではもはや戦えないのです。


 (注=2016年秋に、永守会長は日本電産グループの
 働き方改革を実行に移したことを宣言。
 1000億円規模の設備投資やシステム投資を伴った
 生産性倍増運動で2020年には残業ゼロを達成し、
 日本一働きやすい会社にすると発表した)


 生産性が2倍になると、
 結果として残業はゼロになるでしょうが、
 社員の評価の仕方も変わります。


 これまで残業といういわば延長戦で結果を残してきた人は、
 時間内で同じ成果を上げなければ評価されなくなります。


 そのためには社員自らが能力開発を行う必要がありますが、
 グローバル研修センターはその学びの場を社員に提供します。


 米国では一般的な社会人向けの大学の夜間コースを
 会社が用意するのです。


 残業が減って浮いた人件費の半分をこの教育投資に振り向けます。

斎藤  残りの半分は?

永守 
 残りの半分はボーナスという形で社員に還元します。

 というのも、残業代も収入のうちと見越して住宅ローンを
 組むなど生活設計している社員も多いからです。


 私も、サラリーマン時代、起業資金を貯めるため
 基本給とボーナスには手をつけず、
 残業代だけで生活していたのでその気持ちも分かります。


 だから私は社員に、安心していいぞと言いました。

 残業ゼロは手段であって、目的はあくまで生産性を倍にして
  世界のトップレベルに引き上げることだから、
 競争力が高まって利益が増えれば給料もポーナスも増えると。
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【シェア軽視は大きな誤り】
斎藤 
 最近、「シェア獲得を大事にしろ」とも言っていますね。

 ひところ、
 日本の企業論では日本の企業はシェアばかり追いかけているが、
 それは間違いで利益が大事なのだ、
 という主張が優勢でした。

 あえてシェアが大事というのは?

永守 
 そう。私は、安易なシェア競争否定論は間違っていると思います。


 経済構造、産業構造が大きく変わっており、
 シェアを確保しなければ利益を得ることが極めて難しい
 市場構造になっていることに気付くべきです。


 今から30年、50年前は、世界を目指して、
 日本企業同士で戦ってきた。
 
 日本企業は基本的に農耕民族です。

 だから、隣の家も百姓、後ろも百姓、こっちも百姓、
 競争相手がみな同じ百姓だ。

 農機具を共同で買い合って一緒に仕事しているわけですよ。

 
 同業者の中で、シェアが1位、2位、3位……
 と順位がつき、5位ぐらいまでは、
 その当時はある程度の利益をあげて残っていたわけですよ。

 
 農耕民族に適した産業の姿です。

 日本で今、生き残っている産業というのは
 自動車とか社会インフラとか、ああいう産業は
 時間軸が比較的長く農耕民族に適しているんですね。


 ところが海外にいるのは狩猟民族。
 相手が倒れるまでやるわけですから、
 敵と一緒に共同戦線なんでありえないわけですよ。


 要するに勝つか、負けるかの世界ですね。
 今はグローバルな社会。

 そこでは極端な言い方をすれば、シェア1位が利益の8割、
 二番が2割、三番以下は赤字なんですよ。

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【厳しい中国企業との戦い】

斎藤 
 中国企業の台頭もありますね。
 一部の中国のひとびと、経営者はとんでもないくらいよく働き、
 判断も早い。

永守 
 大変ですよ。
 今の中国のオーナー経営者は大半が40代ですよ。
 みんなすごい。
 今から20年間、中国はとんでもない力を発揮しますよ。

斎藤 
 アリババのジャック・マー氏とか、
 台湾ですが鴻海精密工業のテリー・ゴウ氏とかね。

永守 
 もう、要するに普通の働き方では、こてんぱんにやられますよ。

 日本人は二言目には、
 技術では負けていませんと反論しますが、技術だけではだめ。

 ビジネスで勝たないといけないのです。


 時間軸が大切ですね、時間軸=コスト。

 だから行動の時間軸とコスト競争で負ける。

 
 それは、物づくりの日本企業を中心としての、
 日本の最後の生き残りの戦いです。

 これで負けたら日本は属国になる。

斎藤 
 スピードが違う?

永守 
 そう、スピードが求められている。

 とにかく時間軸ですよ。
 土曜日は散歩、日曜日は読書、
 ウィークデーはゴルフと言っていたら、
 そのうち、こてんぱんに負けますよ。
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【M&A成功の条件】
 1)高く買わない
 2)シナジーがないものは買わない
 3)社風が合わないものは買わない


【経営理念】
足下悲観、将来楽観

これで十分お分かりのように、
すべて逆説ではなく正論ですね。
判断基準は、
永守会長がすべて成功しているという実績です。
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小泉進次郎さんの説も正論です。

小泉さんの分だけは対談ではなく講演の記録です。


タイトルは【人生100年時代の日本に向けて】
以下のようなテーマを述べておられます。
太字は小泉さんの言葉のままの部分です。


海外留学無償化を
 教育の無償化をすると言うなら、どこを無償化するのか
 そして何のために、どんな人材を育てたいのか、
 何が故に教育の無償化をするのかということを考えなければ、
 私は無償化というのはやるべきではないと思っています。

 
 仮に本当に無償化するならば、海外留学を無償化すべきです。



 理由は、こうだと言われています。
 
 1)日本にいたら日本のことはわからない
 2)多様性と何かを学んでもらいたい
 3)最低限の語学力を身に付ける必要がある
 4)機会の平等のため
 5)国内の大学を改革するため (競争原理)


複線型の社会を

一括採用をやめよ

働き方改革は生き方改革
 働き方改革は残業削減や生産性改善ではない。
 戦後長く続いてきた生き方の見直しである。
 「いい大学を出ていい会社に就職し一生務める」
 これではない生き方を考えなくてはいけない。


子供向け財源を作る
 たとえば医療保険の改革、
 風邪薬や湿布薬は保険対象外にする。


農業に国際認証の普及を
 ISOの農業版を作り日本の農業の国際化の後押しをする。


経済団体役員は年金辞退を


副業・兼業の自由を
 そのとおりです!働き方改革の一環で重要な対策です。
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逆説的なのは、日本の人口減少問題を論じた以下の3編です。
 八田達夫先生 人口減少恐るるに足らず
 小宮山宏先生 日本、高齢化衰退論は浅薄
 吉川 洋先生 人口減少ペシミズムは誤り


3者3様で大変興味深い内容です。


八田先生は、
構造改革によって高い生産性を実現しようという主張です。
抵抗勢力の壁をどうやって突破するかが課題ですが、
私は八田論が正解だと思います。


吉川先生は、民間のプロダクトイノベーションによって
それが実現できるという主張です。
残念なのは、どうやって民間のイノベーションを引き出すか
という提言がないことです。


小宮山先生は、対策が一本線ではなく、
博識ぶりを発揮して複数の対策を提示されています。


以下3人の先生の主張をキーワード的にご紹介します。
ご関心あれば、原本をご参照ください。


八田達夫先生 人口減少恐るるに足らず
 人口増加率と一人当たりGDP成長率は無関係
 人口増加率とGDP増加率の関係も絶対ではない


 GDPは生産性の成長で伸びる
 日本は生産性の低い産業の従事者が多い
 →国としての生産性改善の余地あり。構造改革必要。


 農業保護をやめる。
 既存産業保護の規制もやめる。自由な競争を促す。
 国家戦略特区を活用する。


 成長の陰には衰退産業がある、
  これの保護をするのでなく対策を講じるのが筋。
  セーフティネットを設ける。生活保護、職業訓練、
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八田先生の主張 原本どおり。
 先ほど述べたように労働力不足は生産性の上昇で克服できます。

 ただ日本では制度が労働力の増加を無理やり
 抑え込んでいる面があります。


 例えば配偶者控除や国家公務員の配偶者手当は、
 女性の労働市場参加を抑えています。

 これらの制度は、「平均的な」家族持ち労働者の
 利益のために女性労働者を犠牲にしています。


 このような人為的な労働力抑制要因はなくすべきでしよう。

 例えば、配偶者控除を廃止して増収分を
 保育所増設の財源にしたり、
 国家公務員の配偶者手当を廃止することによって
 公務員一般の給料を上げる、
 といった改革を行う必要があります。


 保険や税制を変えることで
 女性の就労を促すことはとても重要です。

 保育所問題もあります。


 補助金の配分が株式会社に対して著しく不利だったり
 保育所利用率に価格メカニズムが導入できない規制が
 行われているため、保育所が不足し
 保育所を利用したくても利用できない女性がいます。


 このように制度によって結果的に、
 女性が労働市場に参加しにくくなっているとすれば問題でしょう。


 女性労働力だけでなく雇用全般の流動化も重要です。

 雇用の流動性がないと、一度、大企業から落ちこぼれると
 大企業はその労働者を再び雇用してくれません。

 
 それは大企業の労働者が基本的に定年まで
 居座り続けているからです。


 生産性の低い人を退出させることができれば、
 優秀な人を新たに雇いやすくなります。


 1980年代にモーゲージ・ボンドを発明して
 世界の金融界にデリバティブ商品を導入した
 ソロモン・ブラザーズの社員は高校中退で
 社内郵便配分室にいた人ですが、
 日本でもそういう適材適所が可能になるでしょう。


 雇用法制は能力が劣る労働者の既得権を保護して
 能力が優れた人の雇用機会を失わせる結果をもたらしています。


 これらを改革すれば、
 たまたま良い大学を出た生産性の低い人が

 大企業に居座るということもなくなるでしょう。


 有能な女性が労働市場に出てくるし、
 潜在的に生産性の高い人の労働市場への参加が促されます。



 労働人口を増やすというよりは、
 雇用の流動化を図って全体の生産性を高めるということが
 生産性を向上させます。
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小宮山先生 日本、高齢化衰退論は浅薄
 日本は高齢化課題先進国である。
 生産年齢15歳~60歳は誤り、20歳~75歳とすべき。
 
 高齢者の活躍の場は以下のようにたくさんある。
  小中学校の教員
   理科 理系の技術者OB
   英語 海外生活経験者
   怖い顔をしたひと(ビジネス常識者) モンスターペアレンツ対応
  
  地域活性化
   地元の利を活かしたビジネスを興す
   大規模農業を興す.IT支援により10日間働けばコメはできる。
   大規模林業を興す。50万人の雇用を生む。
 
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小宮山先生の主張 ロボットで介護は変わる 原本どおり。


 要介護者に対してどうするか。

 そこにはビジネスチャンスがあるということを
 社会全体が認識すべきでしょう。

 
 例えば、ロボットの活用です。

 人間は頭が生きている限り、自立できるのです。
 
 なぜかというと、頭で考えるというのは、
 ニューロンからパルス電流が出ているわけです。

 これが神経を通って、末端の手まで行き、
 戻っていくという電気回路中の作用が、
 人間がものを考えて手を動かすということです。

 
 生きているということは、この電流が出ているわけです。
 働きたいけど手を動かすことができない人の
 この電流を検知して、サポーターが動いてくれれば、
 手を動かせるわけです。

 
 それを既にスタートさせているのは
 筑波大学の山海嘉之先生がつくったベンチャー、
 サイバーダイン社のサイボーグ型ロボットのHALです。

 
 今はリハビリなんかに使われています。
 脳溢血のあとで歩けなくなった人でも、
 歩こうという意思は出るわけです。

 
 そうすると、電流が流れ、ロボットスーツが漏れる電流を測り、
 歩くパワーを与えることになるわけです。

 
 そういうかたちで、パワーをもらって動くと、
 戻りの回路が働いて学習ができるから、
 リハビリにもなっていきます。

 
 このあいだ三菱総研である玩具を買いました。

 その玩具の遊び方は、まず人間の頭の2カ所に電極を付けます。
 横に小さなヘリコプターがあって神経を集中します。

 すると、ヘリコプターが飛ぶのです。
 原理は大したことなくて、脳波を見ているのです。



斎藤
 人間が神経を集中すると、ロボットが動くのですか。

小宮山 
 ロボットというか、ヘリコプターが天井まで上がるのです。
 そういうのが玩具として出てきている。

 
 それはある種の脳波を測っているわけだけども、
 この技術、要するに、電流が流れているということは
 電磁波が出ているということで、この電磁波を測ってもいいし、
 神経のところに何か埋め込んでもいいし、
 HALのように表面に漏れてくる電流を測ってもいいのです。

 
 人が考えていることをセンサーが理解してロボットスーツと
 結び付ければ良いのです。

 人間の脳が働く限り手足が自由に動かなくなっても
 トイレに一人でも行けます。
 一人でご飯も食べられます。

 
 ぼけてしまったらわからないですけれども、
 技術的には絶対にできます。
 人間の尊厳を大事にする
 大きな産業になる可能性を秘めているのです。

 
 つまり、介護は変わる。それがわかっていない。
 自動車なんかより大きいビジネスチャンスがあると思います。

 
 この技術をどこが開発できるかといったら、
 日本かドイツか、アメリカのベンチャーのどれかです。

 
 幸いにしてアメリカのベンチャーはまだ高齢化
 なんてことを考えていません。

 この技術はドイツと日本の競争ですよ。
 日本はロボット技術でいったら世界一です。

 そして高齢化の課題先進国です。
 
 日本が取り組めば勝つに決まっています。

 それをやらずに高齢化衰退論なんて言っている人たちは
 まったくわかっていません。

 高齢化衰退論はいろんな意味で浅薄だと思います。


注:上野もそういうことを言ってきたのですが、
 この本を見て、やはりそうか、と思いました。
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小宮山先生の主張 医療にビッグデータ活用を 原本どおり
 医療を考えると、ビッグデータの活用が
 大きな可能性を秘めていると思います。

 
 今の医療というのは、例えば、原因がノロウィルスで、
 病気が下痢で、答えはノロウィルスを退治する抗生物質、
 というような因果関係で出来上がっています。

 
 ところが、例えば腰痛は、いま日本で2500万人いると
 言われています。

 このうち8割が原因不明です。
 
 腰痛だといって医者に行ってわかることは少ないでしょう。

 夏樹静子さんが『腰痛放浪記 椅子がこわい』(新潮社)
 という本を書いています。

 
 ひどい腰痛で2年間名医を回っても全然だめで、
 結局、うつ病の薬が効いたのです。

 心療内科の医者で彼女は治ったのです。
 
 それはかなりの理由があって、原因不明の腰痛のうちの
 相当部分は脳に原因があるということがわかってきています。

 それでうつ病の薬が効いたわけです。

 
 でもヘルニアで痛いだけの人が
 うつ病の薬を飲んだらぼけるだけですね。
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吉川 洋先生 人口減少ペシミズムは誤り
 イノベーションを起こせ!
 特に、プロダクトイノベーション 例:スタバ、
 起業家精神の衰えが問題
 シルバー市場は狙い目、イノベーションの宝の山
 例:ドローンが配達してくれる。
 女性・高齢者の労働参加促進を


 吉川先生の論はほとんどが正論ですから、詳細のご紹介はしません。

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ご紹介した5人以外は以下の方々です。

小峰隆夫 俗論・トランプ貿易政策を正す
井堀利宏 年齢階層別選挙区制の導入を
上村達男 皮相な株主主権論

片山義博 機能不全の地方議会
武藤敏郎 中福祉・中負担は幻想
中前 忠 超金融緩和は資本主義を破壊する

八代尚宏 高齢者に変動相場制を
渡辺博史 教科書的為替理論に怪しさ
小林喜光 国家価値を三次元で捉える

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興味のある方は是非原典に当たってください。

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