2021年11月1日月曜日

「新しい資本主義」とは何?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 「成長と分配の好循環」を実現する「新しい資本主義」は
  どうあるべきなのかを検討します。
ねらい:
 「人の言うことをよく聞く」と自慢する岸田総理には
 こうと決めたら信念を持って突き進んでいただきたいですね。
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「新しい資本主義」は岸田総理が打ち出している言葉です。
現在のところは、言葉先行で一切その中身は見えていません。
写真の出典:東洋経済オンライン 












ネットでは、このような揶揄もされている始末です。
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山崎 元:経済評論家・楽天証券経済研究所客員研究員
岸田首相の「新しい資本主義」がキモいとしか言えないこれだけの理由

気持ちの悪さには複数の要因があるのだが、
一番不気味なのは、「新しい資本主義」という言葉を唱えている本人が、
その内容を分かっていないのではないかと思われることだ。
しかも、その当の人物が、わが国の首相なのだ。国民は不安になる。

岸田氏は、新しい資本主義について、さまざまに表現してきたが、
まず、言っていることが意味不明だし、
次には、言っている内容がブレている。
つまりは、何をしようとしているのかが分からない。
しかし、やみくもに何かを変えようとしている。

「新しい資本主義実現会議」は中身がないと断言できる根拠
岸田氏が、
「新しい資本主義」について確たる具体的な内容を持っていなかったことは、
「新しい資本主義実現会議」という何とも奇妙な有識者会議が、
総選挙を前にした内閣府の下に設立されたことに如実に表れている。

内閣府が10月15日に発表した文書を見ると、会議の開催について、
「新しい資本主義実現本部の下、
『成長と分配の好循環』と『コロナ後の新しい社会の開拓』
をコンセプトとした新しい資本主義を実現していくため、
それに向けたビジョンを示し、その具体化を進めるため、
新しい資本主義実現会議を開催する」とある。

中身が何もないので、「それに向けたビジョン」などという、
この種の文章としては世にも情けない言葉を使う以外に
書きようがなかったのだろう。

成長と分配の好循環を「これから検討」それでは絶望的に中身がない

そもそも、「新しい資本主義」などという偉そうな言葉を使う以上、
そのビジョンは言っている本人が明確に提示して方向性を示すべきだ。
「成長と分配の好循環」にも「コロナ後の新しい社会の開拓」にも、
願望はあっても中身がない。

「成長と分配の好循環」は与党も野党も望んでいることであり、
「どう実現しようとするのか」を論じる以外に
お互いを区別するポイントはない。
それをこれから有識者会議で検討しようというのだから、
岸田首相自身には絶望的なまでに中身がない。

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では、岸田総理の代わりに、ここで考えてみましょう。
今回は、まだその第1版です。

そもそも資本主義は、
「資本制企業が
物財やサービスの生産・流通の主体になっている経済体制」
のことを指しています(ネット「コトバンク」)。

目指すべき目標実現のために、
その経済体制を変更する「新しい」資本主義としては、
以下の3つの方向が考えられます。
1.資本による自由な活動の制限を強化する。
2.資本による自由な活動をより積極的に支援する。
3.その双方を並行実施する。

目的が『成長と分配の好循環』だとすると、
「1.資本による自由な活動の制限を強化する」ことは考えられません。
「2.資本による自由な活動をより積極的に支援する」
の対策によることになります。

この目的では、成長の実現が優先します。
そのための施策を検討します。
分配は、資本の行動による面よりも国の施策による面が大きいものです。
今回はこの点の検討は除外します。

1.規制の解除
日本で成長を阻害している要因は、各種の規制です。
その規制を原則廃止します。

(1)解雇規制の解除
最大の規制は、解雇規制です。
原則として解雇に対する規制を撤廃します。
解雇規制があるために、
経営者は不必要な従業員を抱え込んでいるのです。
収入が限られていますから、分け前としての給与は低くなります。
解雇を原則自由にする代わりに、セーフティネットを大強化します。
1)転職のための再教育制度の強化
2)会社都合解雇の場合の失業保険支給期間の再教育機関内延長

この論点につきましては、以下のブログで多少敷衍しています。

(2)出店規制の解除
現在も、大規模小売店舗の出店規制があります。
考え方としては、出店の規制は完全になくし、
その出店により影響を受ける地元の中小商店は、
救済ではなく、転廃業を支援するようにします。
 転業のサポート、廃業支援金の支給、
 廃業の場合に年金の割り増し支給、などを行います。
他の業種の場合も同様とします。

(3)新規事業の規制撤廃
過去にヤマト運輸の宅急便は長く認可されませんでした。
タクシーの相乗りは、
ようやくこの11月から認められることになりました。
まだまだ、本来は利用者・消費者のためになる事業や事業方法が、
許認可されないということが起きているようです。

現在何が許認可されていないかを調査して、
その撤廃の計画を作るべきでしょう。

影響を受ける企業の救済はしません。
従業員は前述の解雇対策で対応し、
事業者は転廃業支援で対応します。

2.成長産業の基礎技術の開発支援
民間の資本では、手に負えない基礎技術の開発に対して、
従来以上の人材・国家資金投入をします。

岸田構想では、以下の3分野が挙げられているようです。
1)先端科学技術
2)クリーンエネルギー
3)デジタル分野

こういうことは、今までも行われてきているのですが、
新資本主義というなら、積極的な工夫が必要です。

基礎技術の研究開発をいかに実用的な応用開発に結び付けるかが
知恵の絞りどころです。
成功している「資本」の知見をどうすれば活かせるかが課題でしょう。

2011年10月の日経新聞「私の履歴書」で発表された
吉野彰さんの旭化成における成功例などが参考になります。
 ・研究開発の目的を明確化する。
 ・研究は2年間で成果がでなければ打ち切りとする。
 ・研究では常に実用を意識する。
 ・応用開発は用途を絞り込む。
 ・応用開発では他社とも連携する。
 ・他部門の協力を受ける。

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