2021年7月28日水曜日

女子ソフトボールの勝因!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 女子ソフトボールの優勝を称えます。
 勝因を分析しました。
ねらい:
 次のオリンピックではソフトボールはないようです。
 その次のオリンピックでの復活を期待しましょう。
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出典:NHK





女子ソフトボールの決勝戦を、
今回のオリンピックで初めて実況で見ました。
表彰式までだと4時間以上もかかりました。
素晴らしい試合でした。

すべての決勝戦同様、実力は伯仲です。
どちらが勝ってもおかしくないのです。
では勝因は?私はこう見ました。

1.上野投手の存在
 1)投球
  完ぺきではありませんが、根性で投げ切りました。
  110キロ級の剛速球は世界レベルで、
  中学時代にキャッチャー役をした女性は
  手の指を骨折したのだそうです。
 2)守備力
  ピッチャーゴロをさばいて1・4・3のダブルプレーを実現。
  一瞬のためらいもなく、振り向きざま2塁に投げました。
  投球をキャッチャーが後逸した際に素早く本塁ベースカバーをして
  3塁からの走者を危機一髪で刺しました。
 3)状況判断力
  6回にリリーフした後藤選手の顔が真っ青なのを見て
  監督に7回からの再登板を申請しました。
  これが7回の締めくくりにつながりました。

  宇津木監督が超ストレス状態なのを見て、
  何とかカバーしてあげようと気遣いをしたようです。

2.チームの守備力
 打撃もそれなりでしたが、守備は完ぺきでした。
 失策や野選は一つもありません。
 これは半分は運ですが、6回1死1・2塁のピンチに
 3塁手が弾いたライナーをショート渥美万奈がキャッチして、
 直ちに2塁に送球し(ランナーは戻れず)ダブルプレーでした。
 この打球が抜けていたら、勝負の流れが変わったかもしれません。

 米国の守備力も立派でした。
 圧巻は、6回表、放っておけばホームランになる打球を、
 レフトがジャンプして捕球しました。素晴らしいかんの良さでした。
 これがホームランになっていれば2点入り、
 試合のスリルは失われるところでした。

3.チームワーク
 守備力の例のように連携の素晴らしさは、神業です。
 長い期間かけてチームワークを鍛え上げた
 宇津木監督の力だと思われます。

 因みに、北京五輪での優勝の後、気が抜けた上野選手が
 「やる気が起きない」と言ったのに対して、
 「やる気がなくてもいいから続けなさい」
 と監督がアドバイスしました。
 それで気を取り直して練習を続けたそうです。
 まさに「継続は力なり」なのです。
 
 その点、米国チームは、個人それぞれは頑張っている感じでしたが、
 ベンチの様子などを見ても、
 チームの強い結束という感じはありませんでした。
 ある面、助っ人軍団なのです。

日本の素晴らしさを示した日本女子ソフトボールチームの活躍でした。

2021年7月27日火曜日

メダルの獲得率を上げましょう!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 発生しているメダル獲得の悲喜こもごもを分析してみました。
 「気」を強化してメダル獲得率を上げる対策を検討してみました。
ねらい:
 ぜひ今後、国際界にはマル秘でこの対策を進めてほしいものです。
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7月27日現在、日本の金メダル獲得は8個で世界一です。
どういう人が金メダルを取っているのでしょうか。
かたや、メダル獲得確実や金メダル最有力などと言われながら、
予選落ちした選手もいます。

その整理をしてみました。
金メダル獲得者

選手名

種目

状況

7/24

高藤直寿

柔道男子60キロ級

リオでは3位。派手な技を捨て着実な勝ちにこだわった。

7/25

阿部 詩

柔道女子52キロ級

マークされているのにそれをかいくぐった研究心で勝利をつかんだ。

阿部一二三

柔道男子66キロ級

多彩な技を研究し状況により使い分けた。

大橋悠依

競泳女子400メートル個人メドレー

期待も大きかったが、「好きな泳ぎをしよう」と腹をくくった。コーチの作戦も良かった。

堀米雄斗

スケボー男子ストリート

幼少時から訓練した実力上位者だが、「楽しむことが一番」という。

7/26

水谷 隼

伊藤美誠

卓球混合ダブルス

過去4戦全敗の相手にゲームカウント0-2と追い込まれてからの逆転は奇跡と言える。伊藤は「楽しんだ」と言っている。

大野将平

柔道男子73キロ級

リオから2連覇。柔道の王道にこだわり修練した成果。

西矢 椛

スケボー女子ストリート

はじめの2本で転倒してもめげずに大技を披露した。世界選手権覇者の西村選手が8位に沈むなど技術進化が激しい。

 金メダルを逃した選手

選手名

種目

成績

状況

7/24

渡名喜風南

柔道女子48キロ級

2位

優勝候補だったが、決勝で油断し一瞬のスキを突かれた。

瀬戸大也

競泳男子400個人メドレー

予選落ち

優勝候補だったのに油断、(350をトップで折り返した)

内村航平

体操男子種目別鉄棒

予選落ち

いつもできる技で落下。

三宅宏実

重量挙げ女子49キロ級

記録なし

3大会連続メダルが期待されたが、ジャークで失敗。35歳。

7/25

松元克央

競泳男子200自由形

予選落ち

50はトップで折り返したがその後失速。「金メダルを目指す」は過信か。

7/26

芳田 司

柔道女子57キロ級

3位

準決勝で圧倒的優勢で進めていたのに一瞬の油断を突かれた。


これまでの金メダルの最高峰は、
水谷・伊藤ペアの卓球混合ダブルスです。
鉄壁の中国チームを相手に、
ゲームカウント2対0と追い込まれながらの逆転です。
これまで見たことがない、信じられないことでした。

20歳の伊藤美誠選手は、あれだけの激戦だったのに、
試合後ケロッとして「楽しかった」と言いました。
プレッシャなど無関係という感じでした。
スケートボードの日本最年少金メダリスト西矢椛選手も、
アッケラカンとしていました。

準決勝や決勝では実力は紙一重ですから、
プラスアルファが決め手になります。
柔道の試合でも、高い技術は前提ですが、
一瞬の判断が勝負を分けています。
一瞬の判断ができる、そして体がその反応ができるには、
脳神経細胞の活性度がどの程度になっているかが
影響するのだろうと思います。

緊張していたり、心配したりしていたら、脳の活性度は落ちるでしょう。
体操の「王者」内村航平の鉄棒落下はまさにそれでしょう。
「ありえない」ことでした。

逆に油断もいけません。油断をすれば「火事場のくそ力」は出ません。
動物界では油断即死です。
女子柔道の渡名喜風南選手芳田司選手は、
準決勝で圧倒的な試合展開の中で、
一瞬のスキを突かれて投げられてしまいました。

競泳男子の瀬戸大也選手や松元克央選手は、
入賞確実の実力保持者ながら予選落ちしています。
これも気のゆるみ(油断)でしょう。

では緊張や油断に対して対策はあるのでしょうか。
私は、「気」を強化するマル秘訓練の実施を思いつきました。

ヒントは、
ラグビーの五郎丸選手はじめ、多くのスポーツ選手が
実施しているルーチンです。
ルーチンは日本語で言えば「おまじない」です。

阿部詩選手はコーチにこう言われたことが心に残っています。
「私はいつもと違うことをしてしまった(そして負けた)。
淡々としなさい」

大橋選手は、「好きな泳ぎをしよう」と決め、コーチとは
「追いついてきたと思わせると相手が元気になるので気を緩めない」
という作戦を立てて臨みました。

これらは、「気の持ちよう」です。

こういうことを参考にして発想した
「緊張しない」「油断しない」対策はこうなります。
身体の訓練・強化だけでなく、精神の訓練・強化も行うのです。
当然のことではありませんか?

【「気」の強化㊙対策】
1)AIへのインプット
 個人の実績と個人の言動、場合によって思考法のテストを実施。
2)AIによる「気」の補強対策の提示
 インプットを基に、個人別に「気」の対策を提示します。
 たとえば、
 「練習の成果に万全の自信を持つ」
 「人と戦うのではなく、自分と戦う」
 「プレイに対して一切手を抜かない」
 「試合を楽しむ」
 「チャンスはまだまだある!」
3)訓練
 「気」の対策が自然体にしみ込むように徹底的に訓練します
 (方法は要検討です)。
4)試合前
 2)の言葉を念じます(「ルーチン」です)。


2021年7月26日月曜日

「土偶を読む」土偶の謎が解けました!!!

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 縄文の土偶が何を表しているものかが解明されたことを
 知っていただきます。
 大発見の素晴らしさを実感していただきます。
ねらい:
 縄文時代のさらなる発見を期待いたしましょう。
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スゴイ大発見です。
人類学者・独立研究者である竹倉史人氏の著作「土偶を読む」が
2021年4月25日に刊行されました。

縄文時代の土偶がなんであるかが解明されたのです。
これまで土偶は
「豊穣の象徴である妊娠女性を表している」
「目に見えない精霊の姿を表現している」
「人体をデフォルメしている」
などと言われてきました。
これらの説には証拠がないのです。
ですから、誰が何と言おうと肯定も否定もできなかったのです。
「そうかもしれないな」で終わりでした。

竹倉氏は、このテーマに徹底的に取り組みました。
手がかりは、以下のとおりでした。
1)19世紀末のイギリスの人類学者が
 「世界中の地域で、古代から植物の栽培には
 その植物の精霊を祭祀する呪術的な儀礼が伴っている。
 植物の豊穣を祈ったのである」
 と主張しているが、日本ではその証拠が見つかっていない。
 
2)2017年の初秋に、長野県の山中で偶然見つけた木の実が
 オニグルミであった。
 これを割ってみるとハート形土偶の頭部にそっくりであった。
 その時に閃いた。これで植物の精霊祭祀の証拠が見つかった。
 その後、
 「ハート形土偶」とオニグルミの分布を調べて見ると
 ピッタリ一致していた。
 

3)土偶の出土状況を見ると縄文中期以降に増大している。
 縄文中期は、縄文人が狩猟採集漁労中心生活から転じて、
 栽培を開始した時期である。

 以下の表の出典は、当書ですが、
 「出土指数」は期間1年あたりの出土数について
 中期を1000とした指数です。
 「需要指数」は「出土指数」を推定人口で割った数値
 (人口1人年間当り出土数)で晩期を1000とした指数です。


最初の発見の後は、次から次と
土偶のタイプが何を模しているものかの解明に取り組まれました。
「中空土偶」はシバグリ

その結果は、植物だけでなく、貝類も対象であることが判明しました。
貝類の豊漁を祈ったのです。
縄文後期には、海進は逆転し内陸部は海に面さなくなっています。
それでも丸木舟を使い水路で海まで貝とりに出かけていたのです。
みみずく土偶とイタボガキ、椎塚土偶とハマグリ、

竹倉氏たちが解明した土偶は他にも以下のように多数あるのです。
星形土偶とオオツタノハ
縄文のビーナスとトチノミ
結髪土偶とイネ 以上は頭部が対象物で、それに手足を付けていますが。
これは変形です。イネは頭の上に置かれています。

刺突文土偶とヒエ これは全身がヒエを表しています。
身体中のボチボチがヒエです。



遮光器土偶とサトイモ これも全身がサトイモを表しています。
これだけの検証を2017年開始で実現されたのですから
スゴイことです。素晴らしい発想力・行動力です。
既存の学者様たちは頭が上がらないでしょうね。
なんと反論するのでしょうか。
楽しみです。

竹倉氏の経歴はこうなっています。「多様性」があります。
 武蔵野美術大学映像学科中退。
 東京大学文学部宗教学・宗教史学科卒業。
 東京工業大学大学院社会理工学研究科 価値システム専攻博士課程
  満期退学。
博士論文を提出されなかったので博士でないのですが、
この著書は十分以上の博士論文です。

この著書は347頁ですが、上掲の写真や図版も豊富で
出版社はよく1700円という定価を設定したものだと感心します。
是非、皆様もお読みください。
お子様の発想法とかの教材にもなると思います。

2021年7月25日日曜日

オリンピック開会式 オリンピックに参加できるのは誰??

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 東京オリンピック開会式の率直な感想を述べさせていただきます。
ねらい:
 大成功裏に終了することを期待いたします。
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一時は、コロナの関係で参加辞退国が続出するのではないか
と言われた東京オリンピックでしたが、いざふたを開けてみると、
日本を含めて192国と13地域、難民選手団1の
合計206国・地域の参加となりました。

その多くの国・地域の人たちの入場行進を見て、
日頃の国家間・国内の争い・コロナとの争いを超えた熱意を感じ
感激しました。

この写真の出典:日本経済新聞ネット版



[参加国・地域]
名前を知らない国や地域の人たちの姿や衣装にも、
大きな興味を惹かれました。
黒い中に白い人が混じっている、白い中に黒い人が混じっていたりするのは
その国の歴史を考えさせられました。

国連に加盟していない国や地域の参加は、以下の13ありました。
これもいろいろ考えさせられることでした。
台湾香港
 ケイマン諸島
オランダ王国の海外領土である、アルバ
ニュージーランドと提携国家の関係にあるクック諸島
パレスチナ地域は、「パレスチナ」として
コソボ地域は、「コソボ」として

何とか領の島々の参加は不思議です。
IOCは、独立の国内オリンピック委員会(NOC)を持っていれば
IOCへの参加を認めます。
上記13は、それぞれ独立の(NOC)を持っているのです。
その設立活動がどのようにして生まれるのか
についても関心が湧きます。
IOCの末端組織が啓蒙活動をしているようなことはなさそうです。
自発的にNOCのような組織作りをしようとするのでしょうか。

【IOCに参加を認められていない地域団体】
逆に、NOCを持っていてもIOCが認めていない場合もあるようです。
IOCの判断基準がどうなっているか分かりませんが、
IOCの権限は絶大です。
中国が台湾の参加に異を唱えても無視ですからね。

【不参加国】
国として参加しなかったのは、以下の5国だけです。
 北朝鮮:コロナのせいではなく、
  国民に他国民との交流をさせることの波及効果を恐れてでしょう。
  金政権の末期的症状ですね。
 バチカン市国:国民がほとんどいないのですから参加はムリです。
 ニウエ:人口1500人程度の新興国ですから、ここもムリでしょう。
計算からすると、他に2国あるはずですがどこか不明です。

【不参加個人:団体】
個人で不参加表明したアスリートは10人程度いたようです。
競技種目として不参加だったのは以下のとおりでした。
 飛び込み:オーストラリア
 野球チーム:中国、台湾、オーストラリア
 陸上リレー:アメリカ、カナダ、ジャマイカ、オーストラリア、
  トリニダードトバゴ共和国

不参加理由は、ほとんどがコロナの流行です。
個人の場合は、本人の好き勝手ですが、
団体としての場合は、競技団体の偏見か保守性によって、
個人としての活躍の場を奪うのですから考えものです。
結果的に大多数が参加しているのですから、
不参加の判断は適切だったとは評価されないでしょう。
犠牲になった選手たちが気の毒です。

【開会式のイベント等】
1)天皇陛下
3時間半以上、静かに見守っておられました。
開会宣言もしっかりしておられました。
前天皇ではとても務まらなかっただろうなと
甚だ僭越ながら感心いたしました。

2)ショー
1824台のドローンによる地球や五輪エンブレムの表現は
見て素晴らしさが分かりましたが、
あとのプロジェクションマッピングなどを多用したショーは、
ずい分苦労して作ったのだと思われますが、
作者の独りよがりの感じがしてよく分からず、
感激もしませんでした。
こちらの感覚が古くなってしまったのでしょうか。
いずれにしても残念です。

ショーをあれこれ工夫するよりも、
主役である選手たちの入場行進をもっと楽しくする方が
本来ではないかと思いました
(今年はコロナのためにそれはできなかったでしょうが)

因みに、日本選手団は、スマホ等の持ち込みは禁止だったようです。
他国は禁止していません。
なぜいけないのでしょう。
日本の指導部の保守性が思いやられます。

3)スピーチ
バッハ会長のスピーチは最低でした。
同じようなことをくどくど15分くらい繰り返していました。
橋本聖子委員長のスピーチはすっきりしていたのに対して
悪さが目立ちました。
裸の王様になっている感じがします。

4)聖火台点火
会場内で何組かで聖火のリレーを行いました。
ずい分工夫しているなと思いましたが、
やり過ぎではないかとも感じました。
大阪なおみ選手の起用も、
もろ手を挙げて賛成とは言えない心境でした。

(7/29追記 なおみ選手はこのプレッシャー 
の影響もあってか、本番の試合で敗退しました)

【まとめ】
とにかく、無事に盛大に開会式が挙行できて
とてもよかったと思います。
開会式準備は、
100万単位の作業(WBS)があったのではないでしょうか。
関係者の皆様のご努力に対し深く感謝申しあげます。

2021年7月23日金曜日

縄文時代はなぜ1万年も続いたのか?

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 縄文時代がどういう時代であったのかを確認します。
 なぜ縄文時代が1万年も続いたのかを想定してみます。
ねらい:
 縄文時代前を含め、日本人の由来がDNA解析により
 完全に解明されることを期待いたします。
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ご承知のように、東北・北海道の縄文遺跡群が、
世界遺産に登録される(予定)ということで、
改めて「縄文ブーム」が巻き起こりそうな形勢です。

以下の日本経済新聞ネット記事をご参照ください。

縄文遺跡群、世界遺産へ 三内丸山など登録勧告
 (更新)
青森市の三内丸山遺跡=JOMON ARCHIVES提供・共同
国連教育科学文化機関(ユネスコ)の諮問機関は26日、
青森県の三内丸山遺跡など「北海道・北東北の縄文遺跡群」
(北海道、青森県、岩手県、秋田県)を世界文化遺産に登録するよう勧告した。
文化庁が同日、明らかにした。
1万年以上にわたって営まれた狩猟や採集を基盤とした定住生活の変遷を網羅し、
農耕以前の人類の生活や精神文化の実態を示す貴重な物証と認められた。

7月16~31日に開かれるユネスコの世界遺産委員会での決議を経て正式に決まる。
5月10日には自然遺産候補の「奄美大島、徳之島、沖縄島北部および西表島」
(鹿児島県、沖縄県)も勧告を受けており、
ともに登録されれば日本の世界遺産は計25件となる。

私事ですが、函館在の愚息上野速人NHKアナが、
何度か縄文紹介番組を担当していて
あらためて、縄文に関心を持ち、少し研究してみました。

関心事は、
「なぜ定住生活でありながら1万年も「縄文時代」が続いたのか」
でした。
まだまだ解明にはほど遠い状況です。
今後に期待いたしましょう。

新規入手図書 関裕二氏著「縄文の新常識を知れば日本の謎が解ける」
       斎藤成也氏ほか著「大論争 日本人の起源」
上野の蔵書 斎藤成也氏著「日本列島人の歴史」
      植原和郎氏著「日本人新起源論」「日本人の成り立ち」
      篠田謙一氏著「DNAで語る日本人起源論」
      海部陽介氏著「日本人はどこから来たのか?」   


















1、縄文時代とは
あらためて、縄文時代を記述した図書を確認して分かったことは、
遺跡から得られる証拠が限られているために、
少ない証拠の解釈が学者によってさまざまであり、
どんどん進歩してきている、ということです。
DNA解析の進展を含め、まだまだこれから新説が登場しそうです。

現時点の「縄文時代」に関するの解明事は、以下のとおりでした。

1)縄文時代人は、日本全国で、2万人からスタートし
 縄文中期に26万人に達したが、縄文晩期に8万人に急減している。
 晩期は寒冷化によって、
 その程度の人口しか維持できなかったのです。厳しいことです。

 


2)縄文人の祖先は、アフリカからスタートした現人類が、
 多くのルートで東の果てに到着したので多様な構成となっている。
 「単一民族」ではないのです。出典:「大論争 日本人の起源」

 3)単一文化圏ではなく、数ブロックに分かれている。
 縄文文化はどこかが起点で各地に拡大していったのではなく、
 2)の延長で数か所で育まれている。
 土器文様の特徴も異なっている。 出典:「大論争 日本人の起源」
 

































 
4)遺跡はほとんどが川沿いである。
 水の確保だけでなく、川の魚介類を目当てにしたと思われる。

5)狩猟・採集・漁労生活が基本であるが、栽培・飼育も行われた。
 栗などの植物の栽培、イノシシの飼育が行われた。
 東日本と西日本の遺跡比率は4対1で東日本が多い。
 東日本で、サケが取れたこと、
 栗や豆類の育成・栽培をするようになったことが要因である
 と考えられています。

6)定住が基本であるが移住をした形跡もある。
 当初の食源が枯渇すれば移転せざるをえなかったでしょう。

7)縄文の土器は世界最古級である。
 縄文時代=土器である。世界での土器発祥の地は分かっていないが、
 1万6千年くらい前から土器の利用が始まっている。
 土器で煮炊きをすることによって、食べられるものの幅が広がり
 生活が「安定」した。
 縄文時代を通じて土器は進歩し各地の文化の象徴となっている。

8)ブロック間の交流は
 石器材の黒曜石やヒスイなどの入手目的で行われていた。
 数百キロも離れたところまで黒曜石ヤヒスイが運ばれた証拠もある。
 おそらくその際に、他の文化的要素も伝播されたでしょう。

 縄文時代の地域間交易が盛んになったのは、
 南部九州で海を自在に走り回っていた海人たちが
 6400年前の鬼界カルデラの大爆発を機に
 全国に移住したのがきっかけだという説もあります。

 そもそも南部九州の縄文人の元祖は、
 スンダランド(陸続きだった東南アジア諸島・豪州)から渡ってきた
 ようです。

 当時の舟は幅50センチほどの丸木舟ですが、
 双胴船や帆掛け船もありました。

9)種族間等での争いが行われた形跡はない。
 仲間で協力して生活を維持するのがやっとで
 争いをする余裕はなかった、
 米作の弥生時代になって「余裕」ができ、
 争いが始まったというのが定説。

10)縄文後期には稲が大陸から伝わっているが、
 陸稲も水田も急速に普及することはなかった。
 その理由は、付随する疫病の伝播を恐れたのと、
 共同作業への切り替えを伴っていたからすぐにはできなかった、
 ためと想定されています。
 稲作が弥生時代になって渡来民族とともに日本にやってきた、
 という説は覆されています。
 縄文時代から弥生時代(水田稲作開始)への移行は、
 日本全体でみると数百年かかっています。

11)土偶は祭祀用具である。
 これは万人の認めるところですが、何を模っているのかについては
 定説はなく、上掲書でも詳しくは解説されていません。
 ところが新説が出ているのです。
 「その頭の部分は当時食用にしていた植物や貝類を表している」
 というのです。素晴らしい発見です。
 竹倉史人氏著「土偶を読む」(2021年4月刊)
  右の土偶の頭はオニグルミを模っているというのです。
 別項「土偶を読む」土偶の謎が解けました!!!をご参照ください。

2.縄文時代が1万年続いたわけ
私が到達した見解はこういうことでした。

1)その定住地で現人員が何とか生き延びるのが精一杯で、
 ブレークスルーを起こす起爆剤がなかった。
 縄文時代の終わりは、米作を導入した弥生時代です。
 米まで待たなくても、トウモロコシ、カボチャ、イモ類のいずれかが
 生産できるようになっていれば、
 ブレークスルーが起きていたと思われます。
  
 なぜかこの3種類ともアメリカ大陸発祥で、
 日本では誕生していません。
 注:トウモロコシ:中米原産。9千年前からあり。
   カボチャ:ベル―原産。4千年前からあり。
   サツマイモ:中南米原産
   ジャガイモ:南米原産

 これらの食料は、稲作のような特別な技術は必要ありませんし、
 保存も効きます。
 自然界で生きるには、保存がきくことは非常に重要なことです。
 
 サトイモは縄文中期には、大陸から伝来したようですが、
 水分が多くて腐りやすく保存に向かないのと、
 種イモの越冬が難しく、
 長く主食の座を維持することはなかったようです。
 
 縄文時代にも食の保存はありましたが、主が魚介類でしたから、
 製塩技術を取得したあとでも、保存の限界がありました。
 年間を通すと、ほとんどまともに食べる物のない厳しい期間
 があったと思われます。
 それでは、人口は増えません。

 食べることが保証されていれば余裕ができ、
 もっと早くに異なる文化(「弥生文化」など)が生まれた
 のではないでしょうか。

 縄文人は定住をしているとはいっても、
 その場所で必要な食糧が得られなくなれば移住しています。
 上述のように、黒曜石等の「交流」も行われていますが、
 おそらく、黒曜石の入手を主目的に「探索」をしたのではなく、
 より良い食糧探しが目的だったのではないかと思われます。
 まずは食糧の入手が生きるために一番必要なことですから。

 その探索の結果、たまたま必要な黒曜石があったので持ち帰った
 ということではないでしょうか。
 残念ながら、
 有効な食糧はコメの入手まで見つからなかったのです。
 コメの入手で縄文時代は終了しました。
 
 私の結論はこうです。 
 神様が、日本に、トウモロコシ、カボチャ、イモ類、の突然変異を
 起こしてくださらなかったので1万年になってしまったのです。

2)多くの縄文人は自然神(「定め」)を信じ、
 欲張らずに清貧状態で自然と共生する精神だったので、
 厳しさを積極的に解決しようという気持ちにならなかった。

 自然との共生の精神は、今でも日本人に伝えられています。
 その「地」の神を大事にし、
 滅多なことでは移住もしないで我慢したのでしょう。

 因みに、縄文人すべてがそのような思考であったわけではなく、
 前掲の南部九州の海人は、
 動き回ることで進歩を得ようとしていたようです。
  
 「定め」を受け入れずに、
 何とか問題解決しようという積極的な精神があれば、
 どうにかなっていたでしょうか? 
 ましな食糧源の獲得が最大の問題解決です。
 
 上述のように、
 他の地域からそれを探すという努力はそれなりにされたようですが、
 縄文晩期のコメの本格栽培まで大きな成果は得られていません。
 コメも急速な普及ということではなかったようです。
 おそらく、尊い大地に大きく手を加えることに
 抵抗もあったのではないでしょうか。

 品種の改良・栽培拡大はどうだったのでしょうか。
 栗の栽培は行われたようです。
 「桃栗3年、柿8年」といって栗の成長は早いのですが
 なぜ多量に栽培できなかったのでしょうか?
 
 豆類は自然な品種改良もあったのではないかと思われますが、
 それを活かすほど研究心旺盛ではなかったのでしょうか。

 以下、出典Wikipedia
 日本では、紀元前4000年頃(縄文時代後期)に、
 大豆の原種と言われるツルマメを利用していた痕跡が出土している。
 アズキは中国が原産と考えられているが、
 アズキの祖先と考えられる野生種ヤブツルアズキ
 日本からヒマラヤまでの地域で見つかっており、
 アズキの原産地の再検討が必要となっている。
 アズキは滋賀県の粟津湖底遺跡(紀元前4000年頃)
 から出土しており、古代より各地で栽培されていたと考えられる。

 いずれの場合も、現状(定め)を大きく変えることに対して
 精神的抵抗があったのではないかと想定されます。
 この点に関しましては、もう少し研究が必要です。

2021年7月20日火曜日

「中国癌との最終戦争」

【このテーマの目的・ねらい】
目的:
 中国の脅威を再認識していただきます。
 「中国癌」の発生原因は根が深いことを認識していただきます。
 中国の脅威対策を検討していただきます。
ねらい:
 うかつに中国を利することは絶対にやめましょう!
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久々の中国脅威論です。
少し時間が経ちましたが、
昨年9月刊行の台湾生まれの医師林建良氏著「中国癌との最終戦争」
を読みました。


本項はその結果のレポートで、以下の構成となっています。
1.「中国癌との最終戦争」の問題提起
2.トランプ政権の問題意識
3.10年前の渡辺洋一氏の問題提起
4.「中国癌」の原因と対処法

1.「中国癌との最終戦争」の問題提起
「中国癌との最終戦争」では、中国の侵略主義は人類にとっての癌である、
と定義した上で、中国の状況についてこう述べています。
米国の過ちの根源は、2002年に米国が中国に最恵国待遇を与えて
WTOに加盟させたことである。
その際、15年間の猶予付きで、
知的財産の保護、金融などのサービス業の市場開放の条件付きであった。
これにより中国の産業が伸びたのである。
しかし、中国は当時から「約束はするが、その約束を守るかどうかは我々次第だ」
と交渉責任者が語っていて、約束を守る気はなかった。
「自分に都合の悪いことはやらない」というのが中国流である。

トランプ大統領は、15年契約期限の2017年に、
約束を守らないことに対して、制裁を与えたのであるが、
これに中国が「報復」したので、
筋が違うと激怒し、さらなる制裁を次々繰り出した。
それで、中国も自分の不利を察し、「報復」を取り下げた。
損になるから取り下げただけで、約束を守るためではなかった。

トランプ政権の本気の中国敵視政策を受けて、
習近平政権がとっている「押っ取り刀」の施策を紹介しています。
1)鎖国政策
米国圏経済に頼らずに中国圏の内需中心で行く「内循環」を指向する。
2)デジタル人民元政策
人民元をすべてデジタル化して、14億人の財を把握する。
ドルの切り離した経済圏を構築する思惑もある。

もともと、一部の政権関係者・党幹部・官僚たちが利権がらみで富を集積し、
一般市民は困窮していることに不満が蓄積されている。
なおかつ彼らは習近平を含み自分の財産を海外に避難させている
(自分の国を信用していないのである)。

これらの政策により、
習近平政権の維持は容易になるかもしれないが、
中国国民の生活は、不自由で現在よりも低下することが予想されるのである。
その「暴政」に中国国民は不満を増大させる。

2.トランプ政権の問題意識
中国または中国共産党、習近平が世界の共存共栄にとって大きな障害になる
ことは米国の共通認識になってきています。

2018年10月にペンス副大統領が、
中国と対決する姿勢を明確に示す演説を行っていますが、
2020年になってからの以下の3演説は対応を具体化しています。

その象徴が、
有名なポンペオ国務長官(当時)の2020年7月23日の演説です。
その要点は以下のとおりです。

中国政府が行っている、香港。新疆ウイグル地区での人権侵害、
知的財産権の盗用、南シナ海での領有権の拡大、
その他さまざまな国際的な約束の破棄などを列挙し、
「中国の指導者の言葉ではなく行動を見て判断しなくてはならない」と強調。

米産業界に対しては、
中国へ投資することは中国共産党による人権侵害を支援することになると警告し、
社会的な正義を守るために整合的な行動をとるように呼びかけた。

自由主義の同盟国が立ち上がって中国の姿勢を変えさせなければならない。
中国を恐れてその専制政治を許すことは歴史的な誤りにつながるとし、
結束して中国に立ち向かうことを呼びかけた。

その同じ7月の7日にFBIのクリストファー・レイ長官は、
中国のスパイ活動によって米国の安全が脅かされている
(平均して10時間ごとに1人の中国スパイが摘発されている)
ことの演説を行っています。

同じ7月の16日には、ウィリアム・バー司法長官が、
中国が一帯一路の戦略でアジア・アフリカ諸国を債務の罠にはめ、
そのインフラを略奪していると演説しています。

ということで、トランプ政権が本気で中国と対抗する気であることが
本書でも示されています。

その後、バイデン政権に代わりましたが、
トランプ政権の中国政策は継承されています。
新たな強硬策の提示や強硬策の緩和は示されていません。
今のところは模様眺め状態のようです。

3.10年前の渡辺洋一氏の問題提起
過去には、渡辺洋一氏が、
中国脅威論と日本がどうすべきかについて明確な主張をされています。
それについては当ブログでご紹介しました。
現状はそのとおりの進展となっており、米国もその思考の追随と言えます。

2013年4月1日
当書は副題に「列強の民族侵略近代史」とありますような内容ですので、
中国脅威論はその一部です。

渡辺洋一氏の中国脅威論については以下のブログでご紹介しました
「若者たちよ!君たちに伝え残したいことがある」
(2012年12月9日、K&Kプレス刊)の書籍全編で展開されています。
2012年12月9日

当ブログの要旨は以下のとおりです。
その状況は現在も進展しています。
中国は周辺国に対してたいへんな脅威である。

その典型的例がチベットである。
(チベットへの侵略・同化対策については
詳細な記述があります)

日本も第2のチベットになる危険性がある。
中国はやりかねない、どころかすでにその計画がある。

中国の異常な軍事力の脅威はどれほどか。
中国は日本における親中派工作を進めている。
民主党政権の一部はそれに巻き込まれている。
沖縄基地の県外移転などは中国の思うつぼ。

マスコミがなぜ、中国の横暴を報道しないか。
(これは知りませんでした)

日中記者交換協定というものがあり、
「日本のマスコミが中国に報道拠点を置ける代わりに、
中国に不利な報道をしない」と取り決められている、
これに反すると中国から締め出されてしまう、
のだそうです。
とんでもない不平等協定です。
これを廃棄すべきだという渡辺氏の主張です。

偏った報道の例として、以下が示されています。

「尖閣諸島での中国漁船の暴挙に抗議して、
2010年10月2日に東京で抗議デモが行われました。
2500人を超える多数の日本国民が参加した大規模なもので、
渋谷界隈は多数の日の丸の旗がひらめきました。
ところがこのデモを取材したはずのNHKや民放・新聞各社は
これをまったく報道しませんでした」

「一方、当時、中国において数百人規模の官製デモが
日本大使館に押しかけましたが、
日本のマスコミはこれについては
大々的に報道しました。
これも不平等協定に従った日本側マスコミの
お粗末さの一例です」

中国は国内では
大々的に反日教育・反日政策をとっている。
中学校の教師用歴史指導書要綱には
「生徒には日本の帝国主義・軍国主義に対する
憎悪と憤怒を持たせるように努めよ」
と書かれています。

また中国各地には
「抗日戦争記念館」がある。

中国は、共産党一党支配が続く限り、
膨張政策を取らざるを得ない。
したがって、脅威を感じる隣国としては
共産党政権を倒す画策をすべきである。

(なるほど、そのとおりです。
いずれ一党独裁の政権は崩壊するという説もありますが
待ってはいられない、のです)

中国へのODA援助はもちろん、
技術供与や交易一切の取引をやめるべきだ、
中国からの総引きあげくらいのことをやってもよい。

自社の利益に目がくらんで国益を損なう行為をしてはならない。
交易を中止しても、その影響は短期的にはともかく
中長期的には大したことはない。
日本のGDP比で、輸出入とも2%台である。
(上野注:現在は増えていますがそれでも4%程度です)

4.「中国癌」の原因と対処法
(1)渡辺洋一氏の主張
【中国を分解・解体せよ】
独裁政権である中国は自らの覇権主義的行動を反省して放棄し、
近隣諸国侵略の意図を翻すことは絶対にありません。
ではどうすればよいのでしょうか。

中国は多くの自戒する要因を抱えています。
自由世界が団結して、中国人民の民主化運動を積極的に支援し、
自壊要因をさらに醸成・刺激して、暴動を発生させ、
軍事独裁政権を崩壊させ、幾つかの民主国家に分解解体するのです。

中国は近隣諸国を侵略、占領、併合し、
一国として統治するには巨大すぎる国家になってしまいました。
歴史が示しているように、中国でも独裁権力者の腐敗と人権無視が、
インテリ層や農民層の反発を招いてきました。

独裁崩壊は時間の問題です。
インターネットが普及し、多くの中国人が海外渡航することにより、
独裁政権下の中国と自由世界の落差の大きさを認識するようになり、
内部崩壊の要因は大きくなりつつあります。

加えて、幹部間の激しい権力闘争も顕著です。
中国の暴動は年間20万件を超え、
その国内治安対策費は中国の軍事費を超えるほどに大きくなり、
独裁者は民衆の反発反抗の弾圧に躍起になっています。

自由民主主義の陣営は力を結束させて中国国内の民主勢力を支援し、
動乱を誘発させて、ソ連や東欧諸国が崩壊したのと同じ流れを醸成し、
中国が分解、解体するようと努めるべきです。

そのためには、中国が日本を含め世界に工作員を派遣し、
相手国の混乱、動乱を誘引し、暴動の惹起を計っていると同様、
世界から中国に工作員を潜入させ、
中国の民主化運動、民族独立運動を支援すべきです。
この種の工作活動は長期的視野に立ち、かつ隠密裏に行わねばならず、
根気と多額の資金を必要としますが、
何としても実行に移すことが必要です。

(2)「中国癌との最終戦争」の主張
中国の分断政策など、基本は渡辺洋一氏の主張と同じですが、
異なる点を挙げます。
1)中国高官たちの海外への隠し財産を公開する。
 これはインパクトあるでしょうね。中国国民の怒りは頂点に達します。

2)日本がはっきりと中国の民主化を促す意思表示を行う。
 反政府を望む中国国民にとっての励みとなります。
 日本も「チベット人権法」「香港人権民主主義法」などの人権法を制定し
 人権侵害の中国高官を制裁できるようにするのも一案。

3)「暴政」に抵抗する中国人を全面的に支援する。
 資金、物資、情報も提供する。
 彼らが弾圧に遭うときに武器の提供も軍事訓練の協力も必要になる。
 この姿勢を自由主義陣営が明確に打ち出せば、
 習近平のめちゃくちゃな政策に反感を持っている多くの中国人が
 立ち上がるに違いない。

4)中国癌の核心は「大一統思想」
 「中国の統治者は徳を持っているので
 その徳をあまねく多くの人民に施さなければならない」
 という考えが「大一統思想」である。
 この考えを中国から放逐しない限り、習近平を倒しても同じことが起きる。

5)この思考を差し止めるのは、中国の分割である。
 日本は、コロナの流行初期に感染状況を踏まえて、特定の省の住民に
 入国制限を行った。
 その方式を、人権侵害等の状況にも拡大して省を差別することによって、
 中国の分断を促進することができる。

 (上野注:しかし過去の中国の歴史を見ても集中・分散を繰り返しています。
 分割しても、強い国(省)が近隣を併合していくでしょう。
 平和は、時間の問題でしかありません。後掲上野見解参照)

(3)上野見解
なぜ、中国が「中華思想」を基にして、侵略指向であるのかについては
中国の過去の歴史から見て、漢民族に植え付けられている「遺伝子」のせいだと
いう主張がされてきました。
昨今のDNA分析技術の進展によりそのことが証明されました。

関裕二著「縄文の新常識を知れば日本の謎が解ける」
にこういう記述がありました。

中国の場合,Y染色体はそのほとんどがO3系統で、
男性は単純な構成になっている。漢民族はO3(だけ)なのだ。
(一般的には民族は多様な遺伝子構成を持っています)
ということは、O3が力づくで他者を追い出し、
あるいは征服して先住の男性を殲滅して女性を奪い、
子孫を増やしていった可能性が高い。

そして共存を拒否する漢民族を恐れ、
多くの人が周辺に逃げていったという歴史が再現できる。
日本列島に逃れてきた人たちも多かっただろう。
因みに、
朝鮮半島も一時、漢民族(O3)に席捲された可能性が高いらしい。

中国では早い段階で冶金技術が発達し、
樹木を燃料にした結果、森を失っていたが、
これが大きな意味を持っていた。

比較的起伏の少ない広大な土地が、一面の野原になり、
大軍団が通り過ぎれば、ぺんぺん草も生えない状況が生まれ、
「強い王が、周囲を圧倒」し、
逆に、新たに現れた実力者が前政権を容易に倒すことができる
地政学上の必然性があった。

だから、王朝交代を正当化し、
「政敵は抹殺する」という文化が出現したのだろう。
しかし、中国の場合、地政学上の必然性を差し引いても、
「O3(漢民族の男性)のY染色体だけ」が生き残ったところに
怖ろしさの本質がある。

DNAに裏付けられているのですから、
中国の覇権主義は根が深いのです。
習近平を倒したくらいではどうにもならないでしょう。
現代でなければ、
ナチスの異民族抹殺行為のようなことをしなければ、
絶滅は困難だと思われます。

それはできないでしょうから、時間をかけた教育しかありません。
「利」ではなく「理」の正当性を教育するのです。
現在の彼らの判断基準は自分にとっての利があるかどうかであり、
利のためにはウソも方便も許されるのです。
約束は守らなければならない、というような人類にとっての約束事は
利のためには無視されます(前掲)。

松下幸之助さんは「約束を守らない人間の価値はゼロに等しい」
と言っています。彼らはまったくそのようには考えていないでしょう。

そのような「利」追求思考は、長期的には自分のためにはならない、
人類が数千年の時間をかけて築きあげてきた「人間の道」(理)
を身に付けることが自分たちのためになる、
ことを理解していただくのです。
それをお説教ではなく、
具体的・実践的に身につまされるような方法で
教育しなければならないでしょう。

それしかないのですが、
誰がその教育をしようというのでしょうか。
戦後の日本のような状況でなければ無理そうです。
それならどうしたらいいのでしょうか。

どうやら、人類は、漢民族思考とそれ以外の思考の集団が
争い続けるということしかないのかもしれません。

それにしても、現時点でなすべきことは、
中国癌の浸透を食い止めることです。

渡辺洋一氏も93歳です。
氏の思い・憤懣を、日本国民全体で受けとめて、
中国に対抗しましょう!!